「二人でしててよ」

「…………」

 さすが、とでも言えばいいのかしら? 

 あっけらかんと言う彩音に私は達観とも諦観ともいえない気持ちを感じる。

「…………」

 ゆめは何を考えたか知らないけど、無言のまま彩音の腕を弱々しく引っ張っている。

「ほら、二人があんまり激しくしてくるからさ。疲れちゃって。だからあたしのことは気にしないで二人でしてていいよ」

「…………」

 まぁ、想定の中になかったわけじゃないわよ。

「ふーん、彩音は私たちがエッチしてるところがみたいの」

「そ、そういうわけじゃないけど」

「じゃあ、どういう意味なのよ。私たちがしてるところいやらしい目で眺めたいってことでしょ。ねぇ、ゆめ」

「………………彩音は変態」

「……う……」

 彩音は多分深い意味なんてなく言ってきたんでしょうけど。

 私にわざわざ言葉にされたことでバツが悪そうにうつむいた。

(……まぁ、いいわ)

 遅かれ早かれでしょうし。

「ゆめ」

 私はいち早く決意を固めてゆめのことを呼ぶと、同時に手を伸ばし……

(そうだ)

 ついでに少し不謹慎なことを考えてゆめのことを彩音から引き離した。

「……に?」

「彩音は私たちが目の前でいやらしいことをするのを御所望だそうよ」

「…………み」

 ゆめは踏ん切りがついていないのか私と彩音のことを交互に見つめる。

「無駄よ、ゆめ。相手は彩音よ」

「……………ん」

 ゆめは私の一言に彩音を見るのはやめたけど、今度は逡巡するように私から顔を背けた。

 私はそんなゆめの耳元に顔を寄せて

「……ゆめ、勝負しない?」

 と、彩音には聞こえない声でつぶやいた。

「……勝負?」

 ゆめも、彩音に聞かれたくないという私の意図を察して小声で答える。

「そ。先にイッたほうが負けで、勝った方は今日彩音のこと独占できるの」

「……独占?」

「そうよ。もしゆめが勝てば、私の前で彩音のこと好きにしていいわ」

「……彩音のこと……」

 ゆめが彩音の方を見るのにつられて私も彩音を見る。

「……?」

 彩音は私たちの視線にどんな意味があるかなんて気づくわけもなくぽかんとした顔をしてる。

「まぁ、私が勝ったらもちろん逆だけど」

「……うに……」

「どうする? 自信がないならやめる?」

 私はゆめの自尊心をくすぐる。ゆめは体は小さいくせに負けず嫌いだし、もう付き合いも長いからどうすればゆめが動くかなんてわかってる。

「……わかった」

 ほらね。

「じゃ、恨みっこなしよ」

「……うん」

 私たちは彩音に内緒で彩音の今後を決めると、二人で彩音のことを見つめてから

「んっ……」

 口づけを開始の合図にした。

「ん、……にゃ…ぁ、ああ、ぅみゃ……」

「ちゅ……あむ。じゅぷ、ふふ……はむ」

 私はそれなりにこうしたことに自信がある。少なくてもこの三人の中じゃ一番するのがうまいと思ってる。彩音とするときは大体私がする方だし、ゆめはこういうことに積極的になるタイプじゃない。

 その証拠に。

「ふぁあぁ、ん……っ。ぁあ、……っ」

 私が首筋を舐めながら胸をくすぐる様に揉むとゆめは熱のこもった吐息をもらす。どうもゆめは胸が敏感みたい。

 最初はゆめからもしてきてたけど、私が胸を責めだしてからはもう私の手の中で悶える子猫になっちゃった。

 まぁ、それでも抵抗するところなんかは可愛かったけど。

(多分、彩音にもされてばっかりなんでしょうね)

「…………」

「にゃ……ぁ!? んっ、あぁ、……うぁ……はぁ」

 その姿を想像した私は反射的にゆめの乳首をつまんで、それから意識的に焦らすように責めたてる。

「ふふふ、もうイッちゃいそうなんじゃないの?」

「……ん、みゅ……そ、んな、こと……ない」

 おちょくる様に囁く私にゆめは言葉での抵抗はするけどそれが虚勢だっていうことは体の反応を見ればわかる。

「そうかしら? ほら、乳首はこんなに固くしてるし、こっちだってもうびしょびしょじゃない。彩音に見せてあげれば?」

「ぁ、やっ! だ、めぇ……」

 私はゆめの背後に回り込んで体を彩音へと向けさせる。

「ほら、彩音がいやらしい目で見てるわよ?」

「っーー」

 ゆめはイヤイヤと首を振るけど、その程度で逃がすほど私は甘くない。

(ふん。まったくどんな気持ちで私たちのこと見てるのかしら)

 そんな顔を赤くして食い入るように見ちゃって。そんなにゆめがされてるところに興味があるっていうの? 

 なんていうことは少し頭によぎらせるくらいにして、

「ぁあ、……ん、っあぁ……ふあ……ああ」

 ゆめのことを愛してあげましょうか。

「あ、また乳首固くなったんじゃない? 彩音に見られて感じちゃった?」

 そんな実際に違いなんてわかんないけど、こう言われた方が恥ずかしいでしょう?

 なんて、多分別に意味でいやらしい笑いをしながら私はゆめの体を抱くと片方で変わらず胸をいじって、もう片方の手をゆめのVゾーンに持っていく。

「ほらほら、早くイっちゃいなさい」

「んにゅ………っぁ、ん」

 ゆめは体を丸めるようにしてあたしからもたらせれる快感に耐えているようだ。もう抵抗もできないくせにさっきの約束が大分効いてるらしい。

 こういうところがゆめらしくてかわいいけど、だからこそ

「ふにゅ!?」

(いじめたくなるのよね)

 くちゅ、ぐちゅ……ちゅぶ

 私は今まで周辺をいじるだけだった指を中に突き入れ、同時に胸への責めを激しくする。

「にゃ、……ぁァ……ふぁ、…んやあ、ら、め……っぁあ」

「ほらほら、どう? 気持ちいいでしょ。遠慮しないでイッちゃっていいのよ」

「……や……だぁ……ん、あ」

「安心しなさい。彩音のことは私が愛してあげるから」

「う、にゅ……う……は、ああ、ぁ」

 ゆめはもう余裕なんてなくて達する寸前なんだと思う。真っ赤にした頬も、赤見のかかった肌も、たまに舌を突き出しながら吐く吐息もゆめの限界が近いことを物語ってる。

(もっと……)

 ゆめのこういう姿に対してか、ゆめへの優越感へか。自分でもよくわからないけど、

「……自分でするのなら認めてあげてもいいわよ」

 耳元に唇を寄せ、一端刺激を与えるのを止める。

「ふ、ぁ……?」

 ゆめはまともに思考ができない状態のようで私に緩んだ顔を見せるだけ。

「何もできないなんてかわいそうだから私と彩音がしてるところを見て、オナニーならしてもいいって言ってるのよ」

「っ!」

(ふふ)

 想像でもした?

 なら、それを現実にしてあげるわ。

 と、私が指の動きを再開しようとした途端。

「あっ……」

 急に手の中にあった肌の温もりが奪われた。

「ふぁ……彩音?」

「ちょっと、何ゆめのこと取ってんのよ」

「ん、いや、見てるのもよかったんだけど、なんかすごい仲間はずれ感があったからさ。あたしも混ぜてもらおうかなって。ねっ、ゆめ?」

「ん、にゅ……ん、ちゅ」

 そういって彩音はゆめを抱くとゆめに口づけた。

「……二人でしろって言ったのはあんたでしょうが」

「……っはぁ。それはそうなんだけどさ。だって見てたらわかるよー、目の前で二人がイチャイチャしてるのがどんだけ面白くないか」

(……あんたにだけはそれを言われたくないわ)

「そんなわけで」

「ぁ、…ん……」

「……………」

「ちゅ……あむ、ふあ……ちゅく、ぺろ……にゅぱ」

 ゆめの小さな舌と彩音の濡れた舌が絡み合う。てらてらと光る唾液が二人の間からもれてとてもそれが官能的に見える。

「………………」

 ゆめを抱きながらキスをする彩音と積極的に彩音に応えるゆめ。

 さっきまで私の手の中にいたゆめが、今は彩音に抱かれながら扇情的な表情を見せている。

(……………………)

「やっぱ、ゆめはかわいいなぁ」

「にゃ……う……ふあ、ぁ、ん」

 彩音の魔の手がゆめの胸に伸びていじりだす。

「…あや、ね……う……にゃ、あぁあ」

 あたしの愛撫で敏感になっていたであろうゆめの体は彩音に些細な動きにも反応して体をくねらせる。

 たぶん、放っておけばすぐに達してしまうのは一目瞭然で。

(そんなの、認められるわけないでしょ)

 と、心でつぶやいて彩音に迫っていった。

「彩音……んっ。にゅ、ぷ。ちゅ」

 唇を奪って彩音を押し倒す。

「っはぁ。私にも……しなさいよ」

 そういって私は彩音の手を自分のあそこに持って行った。

 ……こんなの、はしたないって思うけど。

 彩音相手じゃ強引にでもしないと、面白くないことばかりされそうだもの。

「………う、うん」

 私のそういう思いを感じたのか彩音はキスを返すと、ゆっくり私のアソコをいじりだす。

「ん、っ……はぁ、気持ち、い……」

 すぐにそんな声が出た。

 だって、ゆめと二人で彩音にしてた時からずっと私はするほうばっかりで刺激がなかったんだもの。

「ふぁ、……ぁ、ああ」

 なにより彩音にしてもらえるという待ち望んでいた刺激に私は体も心も高まっていく。

「はあ、あやねぇ……ちゅ。れろ、じゅぷ」

 たまらずにキスをして舌を彩音にからめていく。

(んっ……好き、……好きぃ)

 うまく理性が働いてない。一方的にキスをして、乱暴に彩音の口を侵していく。

 それだけで私は最高の気分だけど、そうなると面白くないのはゆめで

「あ……」

 急に彩音の唇が離れた。

「……私とも、する。ちゅ……んっ」

「う、ん……ゆめ……ちゅぷ、ちゅ」

 彩音の唇を取られて不満ではあったけど、代わりに私は彩音の腕を掴んでさらなる刺激を要求した。

 ちゅぶ。

「っ。はぁ、…あ、彩音、……んっ、そこ、いい……んっ、もっと」

 中に突き入れられた彩音の指が気持ちいい。抵抗のある膣内を彩音の細い指が進んでいって

「っ、くぅ……あっ! あぁあ、ん」

 私の一番感じるところをグニュって指で押された。

「んっ、そ、れ……彩音……そこ、もっと……くぁ…ぅぁあ」

 まだゆめとキスをしてるけど、私の言うことは聞こえてるみたいで私の声に反応して何度もそこをぐいぐいと押す。

 その激しい指の動きに私はゾクゾクと怖いくらいに刺激を受けて震えた。

「っぁ、……彩音、……私、にも、する」

「ん、うん……ゆめ……ちゅ」

 彩音はゆめの声を受けて空いてた手をゆめの胸を弄り出す。

「ふぁ……ぁ、…あ、あやね……あやねぇ……ん」

 ゆめは彩音がもたらす快感にはぁはぁと荒い息を吐く。その顔はさっき私がしてた時とほとんど変わっていないような気がするのに全然違うようにも感じる。

(……私も、あんな顔してるんでしょうね)

 恥ずかしいけど、気持ち良くて彩音にしてもらえるのをたまらなく幸せに感じられて。

「……はむ」

「ふあ、ちょ、美咲」

 私は彩音の胸に食いついて乳首を舐めながら、私がされているのと同じところに指を持って行った。

「彩音も、はぁあ、ん、感じさせてあげる」

「ぁ、っ、わ、私はさっきイったばっかだから、いいよぉ……ぁ」

「そんなの知らないわ。いいから私で感じなさい。ちゅ、ぺろ」

「ぁ、ぅ……ああ、ぁ、み、さきぃ……」

 彩音の喘ぎを聞くと少し嬉しくなれる。彩音にされるのも好きだけど、彩音が私で感じてくれるのもすごく嬉しいから。

「ふああ、あ、だめ、だって、敏感に、なってる、からぁ……」

「だから、いいんじゃない。んっ、ほら、私のほうも指動かしなさいよ」

「あ、ぁ、う、うん……っふあ」

「……っ。彩音……」

 もう見もしないけどゆめの不機嫌な声が聞こえた。それがどんな理由で、何を求めてるのかわかって私は彩音への責めを激しくする。

「ぁ、っ……み、さき……ゆめぇ……んちゅ」

「……彩音…むね、もっと、……する…ちゅ、ふぁ……れろ、ちゅあああ、ぅく、ぅん」

「っ、はあ……、んっ、彩音、わたし、にもぉ……」

 私が彩音の胸とあそこを責めて。ゆめは彩音と激しくキスをして。

 彩音は、左手で私に、右手でゆめに幸せな快感を与える。

 三人の肌が重なって、それがとても熱い。

『あぁ、ふ、あ、ぁ、ぁ、っぅぁあ』

 互いの官能的な声が互いの気持ちを高めていく。

「ぁ、ああっ、ぅく、あや、ね……ちゅぱ、ちゅぅぅ、中……ふか、い……ん、もっと」

「っ、み、さき。……私、も……ぉ……ぁ、んっ!? レロレロ、ちゅ」

「ちゅ、ぷ……くにゅ、じゅぷ、……ちゅ、あやね……ぁはあ」

 そんな連鎖が止まらなくて私たちはすぐに限界に達しようとしていた。

「っはっ、ん、あつ、い……ぁ、あ、やね」

「……ふ、あ、あ…ぁ、あやね、にゃ、ぁ」

「んぁ、みさき、……ちゅぷ、ゆ、め……」

 誰の声も余裕がなくなっていて、

(あやね……)

 きゅうって勝手に彩音の指をしめつけ、指を締め付けられて私は……ううん、私たちは

『ふ、あ…ああ、ぁああっ、ん!』

 三人同時に達していた。

「っはぁ……彩音」

 体の中で快感が爆発した後、体を動かすのもおっくうに感じるものの私は彩音を求めて、軽く彩音に抱き着いていた。

「………ん、彩音」

 それはゆめも一緒のようで、私たちは左右から彩音に抱き着く。

 まだ火照っている体の熱が心地いい。

「あ、はは……三人で、って……すごいね」

 そんな中彩音が空気を読まずにこんなことを言ってくれる。

 ……否定はしないけど。

 ここにゆめがいるっていうのが私にいろんな感情を抱かせてくれたのは事実。

(……ゆめをいじめるのは思った以上に楽しかったし)

 なんて邪なことを抱いたりもするけど、それ以上に

「…………」

 にへらっと笑う彩音。

(……あんたが幸せならそれでいいわよ)

『……彩音』

 その思考に至った私は彩音のことを呼んでいた。その声にゆめの声が重なって。

『……愛してる』

 私たちは再び彩音の頬に口づけをした。

前編

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