ベッドの上と、ベッドの周りに二人の衣服が脱ぎ散らかされている。

 パジャマはどちらのもベッドの下にあり、下着類は同じようにベッドわきに落ちているものもあれば、ベッドの上にそのまま残っているものもある。 

 ベッドシーツはすでにぐしゃぐしゃに皺ができて、ところどころシミができていた。

 そんなベッドの上で絵梨子とときなは裸体を絡ませ合っている。

「ん……ちゅ、くちゅ……ちゅぱ、ぺちゅ……ぺちょ」

 ときなの赤く染まった体に覆いかぶさるようにして、激しくときなの中をかきまわしていた。

 熱くぬめった舌が絡まり合うたび頭の中がやけるように心地いい感覚が走る。これまで、そして今日だけですら何度したかわからない絵梨子の大好きなキス。

「っぱぁ……はぁ……ときな、可愛い」

 唇を離した絵梨子は心から幸せそうな笑顔をして、自分の体の下で脱力する愛しい相手を見つめる。

「っは、はぁ……はぁ、え、絵梨子……」

 嬉しそう、幸せそうな絵梨子に対しときなは息をするのも苦しそうに同じように愛しい名を呼ぶ。

「あーん」

「ひゃ!?」

 間髪入れずに絵梨子はときなの胸に吸い付いて、舌先でときなの乳首をくすぐる。

「え、絵梨子ぉ……少し、休ませ……ぁん!」

 ときなが弱気な発言をしようとするのすら許さず、絵梨子は口はそのままに指をときなの股間に持って行ってくちゅくちゅといやらしい水音を立てた。

「だぁめ。今日はいっぱいしてあげるって決めてるの。それに」

 ぷちゅん。

 絵梨子が中指と人差し指を突き入れる。

 そのまま、ときなの中をわざと音を立てながらかき回した。

 にゅぷ、じゅぷっ……くちゅ。

「ときなのここは、熱くて、ぬるぬるでもっといじって欲しいって言ってるわよ?」

「あ、ぁっ……あっ、やぁ……ああ」

 絵梨子が自分の中をかき回すたび、膣壁をこするたび、ときなはそこからかけのぼってくる快感と音にときなは自分では抑えきれない声をあげてしまう。

「そんなに感じてくれて嬉しい。とっても可愛いわよ、ときな」

「やぁあ…そ、そんな、風に……ひゃぁあ、いわ、ないでぇ……」

 高まった羞恥と快感にときなは涙を浮かべてイヤイヤと首を振る。

「だって、ほんとのことだもん。ほら、ほら」

 楽しそうに言いながら絵梨子は指の動きを激しくし、さらにまた胸に吸い付いて乳首を転がす。

「あ、あっ……や、こんな、いぃ……きもち、よすぎ、て……わた、し、あ…あぁあ」

「イっちゃう? いいわよ、イっても」

 言いながら指を動かし続け、もう片方の手で荒々しく胸を責めたてる。

 ときなの中に激しい快感があふれていく。真っ白な感覚。絵梨子の指から、舌から、体から伝わるどうしようもないほどに熱く、激しく心地いい感覚。

「あぁ……か、んじ、ちゃう……あぁ、きちゃ、う……あぁああ」

 それが火照りきった体を焦がして、愛する人のことしか考えられなくなった頭をやいて、真っ白で気持ちいい閃光がときなの中に飛び散っていった。

「あぁ……あぁああっ!!」

 舌をわななかせ、大きな声をあげたときなは高まった快感にビクンと体をそらした。

「んっ……」

 それと同時に絵梨子はときなの中に入れていた指が強く締め付けられるのを感じ、ゆっくりと引き抜く。

「はぁ……はぁーー、っは……ぁ」

 少しの間ときなは我を失ったようにぼぉっとしながらゆっくり息を整える。

「ほら」

 だが、今日の絵梨子はそれを許さずにびしょ濡れになった指をときなの口元へと差し出した。

「舐めなさい」

 言って、半開きになっていたときなの口に半ば強引に指を入れた。

「っ……あむ…んっむ…ちゅ……ちゅる、ぢゅるる」

 ときなは最初びっくりしたものの、両手を絵梨子の腕に添えると熱く長い舌を絵梨子の指に絡ませべどべどにぬれた指を綺麗にしていった。

 ちゅ、ぱ。

「……ん……ときな、どうだった?」

 絵梨子はときなから指を引き抜き今度はそれを軽くなめて、ときなへと問いかける

「はっ……はぁ……は……はい」

「はい、じゃなくて、気持ちよかったかどうかを聞いてるんだけどなぁ」

「………っ」

 一度絶頂に達したものの絵梨子の指を舐めている間に、多少落ち着いてしまった体と心はときなにその言葉を言わせることを躊躇わせる。

(……………)

 いつもならときながもっとちゃんと落ち着くまで軽くキスでもして待つのだが

(今日は徹底的にときなをいじめちゃうんだから)

 と、考えている絵梨子は次の行動に移ることにした。

「え、あ……絵梨子……?」

 ただ上を見上げていたときなの視界から絵梨子が消えると、その数瞬後

「あっ! ん」

 絵梨子はときなの片足を抱え上げるとふとももの側面を舐める。

「ときなが答えてくれないなら、ときなの体に聞いちゃおっと」

「え、絵梨子ぉ………」

  ふとももを舐めていた絵梨子の舌が徐々に下へと下っていく。

 そして、

「ん、ちゅぅぅ」

「きゃん!?」

 そこに達すると絵梨子は、粘着質のある液体に溢れるそこをわざと音を立てて吸った。

「ふふ、すっごい。こんなに濡れるんだ。ん、ちゅ……ちゅぅ。ちゅ」

 襞を舌でくすぐり、吸い、またくすぐる。

「や、ぁ……ああ、アッ、あ……、ん、ぅ!」

 まだ余韻が体に残っているときなはわすかな刺激にも敏感に反応して体を小刻みに震わせる。

「んぷ……ちゅぅう……んく。ふふ、舐めても舐めても溢れてくるわよ? ときなってこんなにエッチだったのね」

 わずかに顔を離して上目づかいにときな見つめる。

「……いやぁ、そんな、こと……ない……ぃい」

 ベッドに入ってから責められっぱなしのときなはここ数日の絵梨子と呼ぶようになってからの威厳も何もなく、初めての少女のように羞恥に頬を染め、潤んだ瞳をする。

(っ〜〜〜!)

 その扇情的な表情に絵梨子は

「はぁ…はぁ……もう、いじめ、ないでよぉ」

 絵梨子の理性は………

(……限界よ)

 砕け散った。やりすぎたかなという反省はかけらもなく。

「んちゅ! ちゅ、ちゅぱ、ちゅぅぅぅ、ぺろ、ぐちゅ」

 先ほどよりも情熱的に舌を蠢かし、中へと突き入れる。

「あ、あっ…ああ、ん、あ。あっ!」

 さらには指ですでに外気にさらされているクリトリスをつまんで擦る。

「あぁあ……、ああ、んは、ああァあ」

 敏感になっているときなはもう喘ぎをあげることしかできなく絵梨子にされるがままだ。

(ときな……ときな、ときな)

 絵梨子もまたときなをいじめ(愛し)たいという気持ちが体と心を支配してそれ以外は何も考えられずにときなのことを責めたてる。

「せん、せぇ……だめぇ……あ、ぁあ」

 気づけばそう絵梨子を呼ぶときなに、ときなをいじめる絵梨子が聞き逃すはずはなく

「あら、絵梨子って呼んでくれないの?」

 顔をあげるといたずらっぽい表情で絵梨子を挑発するように言った。

「っ……」

 思わず口にしてしまったことにいじけるようにときなは口を結んでしまう。

(あぁ……たまんない)

 そんなときなが絵梨子の嗜虐心はさらに刺激する。

(私も、そろそろ限界だし)

 今までいたずらをしていた場所を自分で軽く触れると、そこはときなと同じかそれ以上にぬれぼそっている。

 今日すでにときなは何度か達しているが絵梨子はときなをいじめるという目的もあるため、ときなからは一切させていなかった。

 だが、それもさすがに限度がある。大好きな人を愛していれば、その分こちらも熱く、求めてしまう。愛する人のぬくもりを、刺激を、愛を。

「せん、せ…、え、絵梨子?」

 また先生と呼んでしまいそうだったのを何とか呼びなおした口を

「ん……っ」

 絵梨子の唇でふさがれる。

「んちゅ、ちゅく、……ちゅ、ぱ」

 軽く舌を絡めて絵梨子はすぐに体を離すと同時にときなの背中に手を添えて起こさせた。

「ね、ときな、今度は一緒がいいな」

「あ、は、はい?」

 散々されて頭がうまく回らないときなは絵梨子が何を言っているのかを理解するのにわずかに間があって、その間に絵梨子は自分の体をベッドに倒すとときなに見せつけるように足を開く。

「ほら、舐めて」

「あ………ごくん」

 その淫靡にして、蠱惑的な光景にときなは生唾を飲み込む。

「は、はい」

 それからワンテンポ遅れて返事をすると、絵梨子の開いた足の間に跪いた。

「い、きます、ね」

 恥ずかしさと緊張に思わず敬語に戻って、ときなは絵梨子の秘部へと口づけた。

「んっ!」

 待ち望んでいた刺激に絵梨子は高く短い声をあげた。

「絵梨子……すごい、こんなに…れろ……ぺろ、ちゅぅ」

「あ、アっ…んぅ、あは……ふ、だって、ときなと、してるんだもの……ときなが、好きって証が、いくらでも出てきちゃうわ」

「……じゃあ、もっと、してあげるから。ん、ぷ……かぷ、ちゅる……ちゅぅっ……ちゅ」

「はっ、あ、ふぅ……んん、ときな」

 甘噛みをされ、吸いついたまま舌で襞をくすぐるようになめられたりと、甘美な刺激に絵梨子は頭の中をピンク色に染める

「んぷ、絵梨子、気持ちいい?」

(っーーー)

 しかも、そのまま上目使いにそう問いかけられ、それだけで達してしまいそうなほどの衝撃を受ける。

「えぇ、最高よ」

「嬉しい、じゃあ、もっと、もっとしてあげる」

 言って、ときなは絵梨子への責めを再開しようと、

「んふ、待って」

 したがそれを絵梨子に制される。

「絵梨子?」

「一緒にって言ったでしょ?」

 不敵な笑みを浮かべて絵梨子はときなへそう口にする。

「っ……、そ、それじゃあ」

 それの意味を勘違い、いやまともに取ったときなは体を入れ替えようとしたが

「違うの」

 それもまた絵梨子に止められてしまう。

「ときなは自分でするの」

「え? ……えっ!?」

「だから、私にしてくれながらときなは自分で自分のこと気持ち良くするの」

「そ、そんな……、そんな、こと」

 明らかに動揺を見せるときなだが絵梨子は容赦することなく、ときなを先ほどの位置に戻すと、

「だーめ、にがさない」

 有無を言わせない笑顔と声を出した。

(これって、すっごく恥ずかしいんだから。これでときなはもう私に頭が上がらなくなっちゃうわ)

 と、今回の目的を見失わずに思う。

「……ぁ……ん……ぅ」

「ほぉら、しなさい? ときな」

「っ…………」

 恥ずかしそうにも悔しそうにも見えるときなの表情に絵梨子は背筋をゾクゾクとさせ、十秒ほどたったところで、

「わ、わかり、ました」

 これ以上ないほどに顔を真っ赤にして再び絵梨子の前に跪いた。

「んっ……ちゅ」

 控えめに口づけながら、恐る恐る自らの手を股間へと伸ばしていく。

「んぁ……ん、…あ……ぁあ」

 まだ触れていないのに切ない声をあげ、その息が絵梨子に甘い刺激をもたらす。

 チュク。

「あ……」

 自分の手がそこに触れたのをときなは予想以上の感触で知る。

 まさか少し触れただけで音がしてしまうほど自分が濡れているということを思い知らされたときなは羞恥に涙をこらえる。

「言ったでしょ、ときなもすごくぬれてるって」

「っーー」

「ほら、手も口もおろそかになってるわよ」

「っ、ん……わ、わかってる、わよ」

 今日の絵梨子がこういうことに対し容赦ないと気づいたときなは恥ずかしさに逃げ出したくなりながらも手と口を動かし始めた。

「ちゅ、れろ……ぢゅる」

 にゅぷ、ぬぷ、ちゅぶ。

 舐める音、吸う音、擦る音。それらすべてが二人の間に淫らな音楽を奏でる。

「ぁ、はぁ……あ、ぁあ……いい、いいわよ、ときな……ぅん!」

 そこに悩ましく艶めかしい声。

 美しくもいやらしい空間が作り出される。

「はぁ…ちゅ、ゅ、んぷ。ちゅぅぅ」

(こんな……恥ずかし、すぎる……)

 絵梨子への責めながらも、指で自らを慰める。

 それは想像していたよりもはるかにときなの羞恥心を煽った。もともと自分でしたことなどないに等しく、それが愛する人の目の前、まして相手にしながらされるのではなく、自分でする。

 絵梨子にさせられているとはいえ、まるで自分がとてつもなくいやらしい人間になってしまったようで本当に死んでしまいそうなほど恥ずかしかった。

「んぁ…あ、とき、なぁ、も、っと、してぇ」

 ときなが今どれほど羞恥心を感じているかをわかる絵梨子は、それに充足感を得るとともにときなの的確な責めに心と体を高ぶらせる。

「絵梨子、……んう、……わ、私……ちゅぷ」

 ときなもまた先ほど中途半端に止められてしまったことと、今こうしていることですでに限界に達しようとしていた。

「んふふ、自分でするのそんなに、いいの? エッチねときな」

 あえてときなが言って欲しくない言葉でときなをさらなる羞恥の崖に突き落とす。

「やぁ、そんな……そんなことぉ……んっ」

「いいわよ。んっ、私も、もう……きちゃいそう、だから、もっと……激しく、して」

 絵梨子は片手でときなの頭を軽く押して更なる愛撫を要求する。そして、それは愛撫だけでなくときなの自慰へも同じ意味。

「っは! ぅ、ん……と、きな」

 舌が絵梨子の中へと挿入される。

 抵抗を受けながらときなの舌は絵梨子の奥へと侵入し、熱くしめつける膣壁をこする。

 それだけでなく今度は舌を引き抜くと、クリトリスに吸い付き表面を丹念に舐める

「はぁああ、ぁあぁ、ん、それ、すご……あぁ」

 続けざまに中と外に刺激を受ける絵梨子はあられもなく喘ぎ声をあげ、

「ね、ときな………ときなも、んっ、一緒に、ね」

 苦しく感じるほどの快感を受けながら絵梨子は微笑みながらそう言った。

 一緒に駆け上りたい、一番の高みに。

「はぁ……ん、は、い……んっ、あぁあ、んぁ」

 絵梨子の笑顔の意味がわかってときなは自分への責めも強める。

「ぁ…あ……ぁん、ちゅぷ……はぁあ、ぬぷ…んん……っは」

 指を深く突き入れ、中をこすりながらあげぎ声を押さえつつ絵梨子とタイミングを合わせようと一生懸命に絵梨子へと愛を伝える。

「ときな、ときなぁ……んあぁ、ときなぁあ」

「えりこ、…んはぁ…あ絵梨子……ぁあ、あ、えりこぉ」

 相手の声が自分の気持ちをそのまま高まらせ、それが二人を絶頂へと導いていく。

「わた、し……もう………ね…い、っしょ、に」

「うん、私も、きちゃい、そ」

 一瞬情熱的に見つめあって、

「ときな……ときなぁ……ときぁ……ぁつ……あぁああっ!!」

「えり、こぉ……ぁああっぉ〜〜〜〜!!」

 二人は同時に果てた。

 

 

   

「はぁつ……は」

「っ、は………はぁ、はぁ」

 くしゃくしゃになったベッドの上で二人は荒々しく息を整える。

「こんな……ひどい……恥ずかしくて、死んじゃうかと思ったんだからぁ」

 余韻にまだ涙目なときなが絵梨子を見上げながら、恨めし気に言う。

「ふふ、ごめんなさい」

 絵梨子はその場を動けないときなのもとに体を寄せる。

「でも、とっても可愛かったわよ」

「っ……、え、絵梨子は、変態よ」

「ごめんなさいってば。謝るから許して、ねっ?」

「っ……そ、そんなこと言ったってゆ、許さないから」

「え〜、じゃあ……ちゅ」

 不意打ちにときなの頬へと口づけをする。

「ときなが許してくれるまでもーっといじめちゃおっと」

「え、絵梨子……?」

 そして、再びときなへと覆いかぶさるようにしてまたときなの口を自らの唇でふさいでいった。

 

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