「うむ……ぅん、くちゅ」

 熱い。

「ちゅく……うぅ……んちゅ」

 口の中を熱く、湿った舌が犯す。

 柔らかなベッドに背中を押しつけられ、指を絡めながら私は激しくキスをされている。

「んはぁ……はぁ……っぅむ!?」

 一瞬、解放され、また彼女の舌が私の中に入ってくる。

「あ、はぁ……ちゅぅ…、ぅぅむ……んっ」

 彼女の口づけは激しい。

 舌を絡められ、時には吸われ、中をくまなく舐めまわされる。

 もう何分もこうして、キスをしている。

「はっ……あ、は……はぁ」

 しばらくすると、彼女、私の学校の学生でもある彼女、月宮海保も苦しくなってきたのか体を離して息を整えだした。

 私、櫻井星花は一度そんな彼女から海保から顔ごと視線を背けた。

 外した視線の先にはベッドに散らばった私の長い髪が見える。いきなり押し倒されたこともあって乱れに乱れている。

(また……こうなっちゃった)

 改めて今の状況を思う。

 ここは私の部屋。教師になってから初めて独り暮らしを始めた、私の部屋のベッドの上。

 私はベッドに倒れ、覆いかぶさるように海保が私の体の上にいる。

「はぁ……はぁ……先生」

 そう呼ばれ、私は彼女に視線を戻す。

 ショートカットの髪に凛々しい顔立ち。私を見つめるその瞳は熱に浮かされたように情熱的で、年齢以上の色気を感じさせている。

「み、ほ……」

 対して、私は………きっとせつなさをこらえながら海保を見ている。

「……………」

 一瞬、見つめあってから海保は

「っ……」

 私の服をめくりあげてきた。

「んっ……」

 下着を露出させられ、そのまま胸を掴まれた。

「ちゅ……ん、ちゅ」

 首筋に暖かな感触と、粘着質のある音。

 その慣れてしまったものに私はぎゅっと目を閉じてから。

「海保……だ、め」

 絞り出すようにそれを言った。

 ぐにゅ。

「ちゅ……ちゅ」

「んぅ、あ」

 返答は言葉じゃなくて刺激で返ってきた。

「や、やっぱり、駄目よ……こんなの。いけない、ことだから。ぁ、ん……」

「なんで? 何がいけないの?」

「わ、私たちは、先生と教え子、なのよ。こんなの、だめ、だめよ。あぁ……」

 今度は首筋をざらとした感覚が走る。舐められた。

「それの何がいけないの? 私は先生のこと好きよ。先生は私のこと嫌いなの?」

「違う。違うわ」

 私は首を振って、言葉だけでなく海保に自分の気持ちを伝えようとする。

「海保のことは好きよ。大好き。け、けど……」

「………………」

(けど………)

 言葉が続けられない。何を言えばいいのかわからないから。何を言えば伝えられるのかわからないから。

「……わかった」

 私は何も言えなかったのに、海保はいきなりそう答えた。

 それに淡い期待を持った私は

「じゃあ、先生は何もしなくていいよ」

 すぐにそれが打ち砕かれるのを知った。

 海保の目が、声が、雰囲気がそう言っていた。

「これは私が勝手にしてるだけだから。先生は何もしなくていい。全部私がいけないだけだから」

「っ。海保!」

 私は潤んだ瞳で、泣きそうな声で海保を呼ぶ。

「ちがう、そういう、意味じゃ……んむっ!?」

 そういう意味じゃないと言おうとしたのに、それさえを許されずに口を塞がれてしまった。

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※おしらせ

 変則的ではありますが、続きは拍手上で期間限定で公開をしていました。理由としては、このサイトはそういったサイトとして登録をしていないため管理の異なる拍手上でということでしていました。

 現在のところ続きは未定ですが、もしかしたら、そのうち【裏】のページを作成しこれまでの年齢制限のものやこの「いくじなし」もそちらで連載をするかもしれませんがそちらも今のところ未定というか、迷っている最中です。

 読者の皆様にはわかりづらい形となってしまい申し訳ありませんが、今後もしばらくはこうした形になると思います。

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