私には好きな人がいる。
好きな人、という表現は正しいのかよくわからないが、世界で一番好きといえる相手がいる。
その相手とは幼馴染で親友で、【姉】で今いっしょに住んでいる相手。
彩音。
私は世界で一番彩音のことが好きだし、彩音も世界で一番私のことが好きだと思う。思うというよりも感じているし、絶対にそうだとも誰にもいうことはなくても公言できる。
彩音は私にとって世界で一番可愛いし、私にとっては彩音のすべてが世界で一番といえる。
あんまりそれを彩音本人はもちろん、ゆめやほかの誰相手にも表に出すことはないが、とにかく私は彩音を世界で一番愛している。
もちろん、もう一人の親友のゆめだって世界で一番好きだが、それの解釈を今この場でしても面倒なのでおいておく。
とにかく、私は彩音を好きで、彩音も私のことを好きといえる。そして私は彩音のことを世界で一番信じている。
だけど、それが揺らぐことはなくても嫉妬というか、おもしろくないことはあるのだ。
お風呂上りの私は私の寝床ではない彩音のベッドに座って、少し思考していた。
「ふぅ……」
ため息のようなものをつきながら私は彩音がお風呂から戻ってくるのを待っている。
「ったく……らしくないわよね」
またつぶやいて自分の中の気持ちと答えの出ている疑問を考えている。
まぁ、いくら考えようとも答えは出ている。今私ができるのは彩音を待つことだけだ。
「ただいまー」
と、しばらく頭を悩ませていた私の前にようやく彩音が帰ってきた。
「おかえり」
青を基調とした前をボタンの閉めるタイプのパジャマ。それに身を包み、まだ髪の乾ききっていない彩音はいつもよりも魅力的に見える。
もっとも、私にとっては彩音はいつもこれ以上ないくらいには魅力的ではあるが。
彩音は私がベッドに乗り込んでいるのに特に文句いうことなく彩音は私に背を向けてベッドに座った。
これから軽く髪を梳かすのだ。
私はそんな彩音を後ろから見つめる。
「…………」
彩音の背中。大好きな人のお風呂上り……それを見ていると自然と胸が高鳴る。見慣れすぎてはいても、こっちの気持ちしだいでいくらでも見方は変わるものだ。
「あーやね」
「な、に!?」
私は彩音の名前を呼ぶと彩音が振り返るよりも早く彩音を後ろから抱きしめていた。
「ちょ、ちょっとなにしてんの?」
「されてるのにわからない?」
(はぁ、いい匂い)
やっぱりお風呂あがりの彩音っていい。ひんやりとした髪からフローラルな香り、体からは甘いオレンジみたいな芳香。
好きな人の香りとはやっぱり心地いいものだ。
「な、なんでいきなりだきついてんの?」
「いいじゃないのたまには」
ぎゅっと彩音に密着して彩音の感触を体いっぱいに感じる。
やわらかくて、ふんわりしていて、抱くだけでもこっちは自然に胸が高鳴る。
「な、なにが」
「たまには私ともこういうのがあったっていいんじゃないのってこと」
「は、はぁ?」
「バレンタインのとき、ゆめと何かしたでしょ?」
「っ!!?」
「ほら、図星」
「な、なんでわかんの」
彩音は隠そうとはしない。私に嘘をついても無駄だとはわかってるから。
「だって、ゆめにチョコを渡しにいった日、明らかにおかしかったわよ。何かゆめとしたんでしょ?」
「い、いや、あれは……事故っていうか、あたしから、何かしたわけじゃ……」
「でも、何かしたんでしょ?」
「…………」
彩音は少しの沈黙のあと、「はいはい」とあきらめたように言ってその日のことを話してきた。
簡単にいうとゆめがチョコで酔っ払っておかしくなったキスしたということらしいが、すべて話してないと思う。
「ふーん。ま、それはそれでいいけど、やっぱり面白くないわよね」
「な、なにが?」
「なーんか彩音ってすぐゆめのこと優先する気がするのよね。私のこと、ないがしろにしてるっていうか……」
「はぁ? んなわけないでしょ」
「でも、【おまけ】とかゆめと彩音ってことが多くない?」
「【そういう】話をするのは反則な気がするけど……」
「私だって、もっと彩音との時間がほしいのよ。ゆめと三人でじゃなくて、二人きりの」
私は彩音を抱く腕に力を込めると頬を彩音にこすりつけた。
「ちょ……ったく、ゆめに嫉妬してんの?」
「そうよ。悪い?」
「悪くはないけどさ……いまさらゆめ相手に嫉妬なんてする必要もなくない?」
「ないかもしれないけど、しちゃうのも事実なのよ。彩音だって私がゆめとばっかりいたらヤキモチするでしょ?」
「……まぁ、ね。で、でもこんなことする理由にはなんないでしょ」
「かもね、だけど……ちゅ」
私は彩音の首筋に軽くキスをすると後ろから彩音のパジャマのボタンをはずし始めた。
「んっは……ちょ、美咲!?」
「もう、ここまできたらおさまり、つかないのよ…ん……」
「っ〜〜。ん、はっ、あ…み、さき」
「ふふふ。だから、今日は彩音の時間を頂戴。んっ……ちゅ、っぱ」
肩から首にかけて何度もキスをしながらパジャマのボタンをはずしていく。彩音は口では戸惑うような様子を見せたけど嫌がりはしなかった。
一つ、二つとはずして、もう前が簡単にはだけさせられる状態。
「はむ……」
「わ、ひゃ!?」
首の辺りをなめていたのから急にみみたぶを軽くはさむと彩音は驚いたような声を上げる。
「ちゅぷ……れろ、はむ」
「ん、あ、や……ふ、あ」
そのまま耳の裏に舌を這わせて、左手は彩音のお腹辺りをくすぐるようになでると彩音はらしくない艶かしい声を上げる。
「ふふ、彩音の声かわいい、もっと……」
「あふ……はあ…も、う……ぁん、くすぐった、い」
「ん、あむ…ちゅ、こっち、も……」
「あっ! ひゃ……ん、ゃはあ、ん、はぅ」
お腹にあった手を徐々に上に持ってきてブラの上から彩音の胸を優しく揉みしだく。
(……あれ? ちょっと、大きくなってる?)
前にしたときとはさわり心地が違う気がする。中学のときは明らかに勝っていたのに最近は追いつかれぎみだし……
「生意気、こうしてあげる」
私はすこしカチンときてブラの下に手をもぐりこませると少し乱暴に彩音の胸を攻め立てる。
グニグニと柔らかな彩音の胸が私の手のなかで不規則に形を変えていく。
ふ、ふふ。やっぱり……いいわね。彩音の胸攻めるのって、まるで私の手が吸い付いてみたいで全然やめられない。
(っていうか、もっと、よね)
「ちょ、っと……あん、なにが、よ……はぁん」
「さぁ? そんなことより、こっち向いて」
「ん、もぅ……なに、ん!?」
私に抱きつかれたまま顔だけをこっちに向けてきた彩音の唇を勝手に奪う。そのまま、一方的に舌を絡めて彩音のことを感じる。
「ん、ちゅぷ、にゅ…ふ…あむ……じゅぷ」
「ちょ、み、さき…ふ、はあ、ん、そ、ろそろ」
その間にも胸を攻める手を休めない。彩音は私から与えられる感覚に翻弄されっぱなしだ。
彩音の体が徐々に火照ってきてるのはわかるが、多分私はそれ以上熱くなってるだろう。
(どうも、彩音のこと後ろから抱くのが好きみたいね、私)
最初のときの影響かもしれないが、一方的にする$ときは後ろからっていうのが一番好き。
「っはぁ……どう、あやね?」
しばらくキスを交わしてから唇を解放した私は彩音をじぃっと見つめてみる。
「ど、どうって……」
彩音の目はうっすらと潤んでいて、頬も見るからに紅潮している。
(彩音……可愛い)
世界で一番好きな彩音の、興奮した顔。これで情動を抑えろというのも無理な話。
「続き、していいかって聞いてるの」
「はぁ? さっきまで散々かってしておいて……あんたは……」
「ふふふ、さすがにいくら愛し合っててもこれ以上は彩音の同意が必要じゃない? ね、お姉ちゃん?」
「今までのだって十分に同意が必要だと思うけど……」
「彩音が悪いのよ? ゆめとばっかりいろいろして、私にヤキモチ妬かせるから。今までのはそのお詫びをもらっただけ。ちゅ」
まだこっちを向いている彩音のほっぺに軽く口付け。
「ったく、……明日まだ学校あるんだけど?」
「そうね。でも、関係ないわよ、そんなの。それより……」
「ん? きゃん!」
私は焦らしてくる彩音の肩をつかむとうまく体を入れて彩音をベッドに押し倒した。
「沈黙は消極的なイエスってとるわよ」
そのまま彩音に覆いかぶさって、顔を目の前にもっていった。
「んっ、もう……」
彩音は困ったような、あきれたような顔をしてから小さく頬をほころばせ
「明日起こしてよね……」
と、扇情的な顔で私から目を背けて答えた。
(っ……)
それに自分でも信じられないくらいに胸を打たれた。
やっぱり、彩音って……世界一。
頬を桜色に染め上げて、瞳は情熱的に潤みそこには私への想いと一緒に恥ずかしさも隠しきれなくて……強引にこんなことをする私に少しだけあきれながらも、断れない自分にもあきれてる。
この世のどんなものよりも魅惑的な、そそられる表情だ。
「りょーかい。お姉ちゃん」
私はそれを聞くとそのまま顔を下に下げていって
「好きよ、ちゅ…」
口付けを交わしていった。
このHPは健全です(挨拶
健全ですよね? 微妙に危ない橋を渡ったりしているような気もしますけど、これはセーフですよね?w セーフと思いたい。
っていうか、美咲が誰? 性格変わりすぎ、いくら彩音に不満もってたとしてもこんな風に形にしないと思ってたんですけどねぇ。まぁ、【美咲】後では美咲の気持ちがより彩音に向かってもおかしくないとは思いますけど。でも、性格違いすぎ。ただ、彩音のこと大好きなのは本当だし、やきもちという隠し味が働くとこんな風になる可能性はあったのかなと思います。
さーて、続き……いいでしょうか?w さすがに続きは拍手上じゃないとだめになるでしょうけどw 完全美咲攻めな形になるのかなやるとしたら。リクエストもありましたし。