さーて、渚が相変わらず同じことを繰り返してるかと思えば、せつながとんでもないことをしてましたね。

 思えば、せつなから告白されたのは渚が一年の時の一月。それから九か月経ってるわけですしね。せつなが何かを思っても不思議ではなかったのかもしれません。その間渚は本当にゆっくりながら、前に進んでいました。でも、せつなはきっとずっと同じ場所にいた。

 渚が自分と同じ場所に来てくれることを一人静かに待っていた。

 実は今回のようなことは夏のお話しでもおまけとして書いています。見守るようにしていたようで実は、自分の中の衝動を抑えていた。今回の最初で渚のメガネを取るなんていたずらをしていましたけど、ほんとは最後みたいなことをしてたのかもしれません。夏はたまたまだったかもしれませんけど、今回は二連続でそんなことをしたように回数は増えているかもしれませんね。

 でも、せつなが自分の想いを暴走させることはないのだと思います。というよりも、させられないでしょう。たとえ卒業という別れが近づいたとしても。もう一度それができるほどせつなの心は強くない。過去の過ちと、……もしを考えたら絶対に。

 

 しかし、渚は自覚もしてますけど本当に陽菜に助けてもらってばかりです。せつなはキスを望んでいるかもしれませんけど、今回お風呂でしたような思考をする渚を望んではいないでしょう。一人じゃ、暴走してたかもしれない。でも、陽菜という親友のおかげで後悔のない道を歩くことができる。そんな親友がいて、それを感謝できる。とても素敵なことだと思います。

 でも、陽菜の役目はここまでですかね。それは相談できないという意味じゃなくて、この壁は二人で乗り越えなければいけないからと私は考えています。二人が恋人であることは間違いない。でも、次の一歩と、これからをずっと歩んでいくために、ここは二人で乗り越えなければいけないと私は思っています。

 もちろん、渚が前に進むということになるんでしょうけど……それが本当の意味でせつなを救うことになればと思います。

 

 ……まさか本編でひきずったことがここまで来るとは思いませんでしたけど、それがせつなへの最後の恩返しかな?

 

 ではまた次回。

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