本編終了から約二年半。

 せつなの物語は完結を迎えることができました。

 ありがとうございます。

 

 本編と合わせて約六年。何度か言ってきましたけど、せつなとここまで長い付き合いになるなんて思いませんでした。

 でも、ここまでこれた。せつなを幸せにできた。

 ありがとうございます。私一人ではここまで来ることは絶対にできなかったです。こういうの、綺麗事に聞こえるかもしれませんが、でも本当にそう思います。一人じゃここまで頑張れなかった。見てもらえるから、せつなや渚を愛してもらえたからこそここまで来ることができました。本当に、本当にありがとうございます。

 これは自己満足ですが、完結させることができなかった物語ほど悲しいものはないと思うので。完結させないということは登場人物たちの想いがそこで途切れてしまうということだから。なので、せつなの想いを無駄にしなかったというだけでも嬉しいです。

 

 

 本編が終わってからのせつなの物語。相手を渚にしようというのは本編をかいているときから決めていたことですが、どこへ向かえばいいのかは考えてませんでした。

 外伝の四話で恋人にすらなっていない状況で終わりにしようとも思ったし、五話はおまけのつもりで書いていたりします。だから、最後のこのキスの流れはちょっと……と思ったりもしてますが…、五話は五話でせつなは本気でキスをしようとしてました。でも、結局中途半端なままで、そこからは止まってしまった。キスをしなきゃいけないなんてことはあるわけないし、そんなものがなくても想いを通じ合わせることはできる。頭ではそう理解できるけど、それでも好きな人を求めるのは自然な心の動きだと思います。せつなはそうやって渚を求めるようになっていた。でも、一度は拒絶されている。それが単なる照れであることはわかっていても、涼香とのことを思えばせつなは動けない。五話で渚に拒絶されたのは思いのほか影響が大きかったのかもしれません。渚の照れと涼香との過ち、結び付けなくていいものを結び付けてしまった。まして、渚は本当に子どもで、せつなとの関係に満足してしまっていた。もう少し渚が恋や愛に対して大人であればせつなの苦悩はなかったんじゃないかなって思います。多分、自然とできていた。

 でも、幸せの形としてどれがふさわしかったかと言えば、こちらだったと思います。渚はせつなの心の一番奥にまで入って、触れて、その傷を包み込んだ。

 渚だったから、せつなは無駄に苦しむことにもなったのかもしれない。でも、渚だったから二人が一番幸せな形を迎えることができた。そう思います。

 

 これまでそれなりに物語を書いてきましたが、やっぱりせつなに対する思いは格別なものがありますね。せつなとはHPを始める前からの付き合いですし、せつなが生まれてから十年近く経っていたりします。それだけでも感慨深いものはありますし、はっきり言って本編のときのせつなは私の都合で動かされてしまったことも多く、それゆえ必要以上に苦しませてしまいました。

 初めてのキス、失恋、誕生日、そして、涼香への恋の終わり。

 ごめんなさいとも言いたい。でも、おめでとうかなやっぱり。

 どれだけつらいことがあっても、それに意味があったのなら、それが幸せにつながったのだとしたら、その苦しみが無駄じゃなかったって思えたのなら、それだけで救われる。救いになる。

 せつなは最後に、日々を振り返って輝いていたって言っています。本当に苦しんできたのに、他人と比べたってせつなほどつらい思いをしている人間なんてそうはいないのに、でも輝いていたって思えてる。

 渚と幸せになれたから、うらやましいと思うほどせつなは幸せです。

 おめでとう、ありがとう。せつな。

 それと渚にも、ですね。ありがとう、渚。

 

 ちなみに渚に関しては……実はあんまり書くことが思いつかなかったり。当初渚は陽菜を出す際に陽菜の友だちととして出てくるだけでした。シナリオに噛ませるつもりはなかったです。けどせっかくだからとせつなをいじめることになって、でもそのふてぶてしい感じがなぜか気に入ってそのあともちょくちょくとせつなと絡み、気づいたらせつなの横にいるべきなのは渚がふさわしいのかなって思うようになりました。……実はそれがあったから本編でせつなを選ばなかった理由の一つだったりもします。

 渚も本当に頑張ってくれましたが、個人的にはせつなに恋をする前の正論を言って疎まれるという渚が好きだったりします。せつなと付き合ってからは普通の、それも小学生なみの純情な女の子になっちゃいましたから。それはそれで好きな渚でしたけど、私はやはり不敵なところが渚らしさだと思っているので。

ただ、思い返すと大切なところでは渚の本質が出てたかもですね。屋上での告白や、十話の最後のところなど渚だからこそというのが出せたと思います。

って、書くことないとか言っておきながら結構書いてますね。

 うん、とにかく渚も本当にありがとう。

 

 

 こういう風に終わりがあったり、大切なシーンほどもっとうまくやれたんじゃって思うし、そもそも最初からきちんと道を考えていたらもっと綺麗にできたのかもしれないです。でも、今の形は今の形で自分を認めたいと思います。私もそれなりに苦しんでここまできたけど、せつなと渚を幸せにできたっていうのは間違いないって思うから。まぁ、これは完全に自己満足ですが。

 

 なお、本編のbルートに関しては……現状未定です。考えていないわけではないですけど、今は書くべきなのかわからないので。

 

 せつなに関してはまだまだ書きたいことがあるような気もしますが、この辺で終わりにしたいと思います。繰り返しになりますが、ここまでせつなにお付き合いいただき本当にありがとうございました。 

 もしかしたら、これからの二人について書くこともあるかもしれませんがそれは他の作品でもいっぱいしているような幸せな日常になると思います。なので、いったんはここで終わりにしたいと思います。

 何度も言っていますが、最後にもう一度言わせていただきます。

 ここまでせつなと渚を愛していただき、本当にありがとうございました。

 

 

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