これでせつなと渚の天原でのお話は終わりとなります。
十年近く天原女学院を舞台にしての話を書いてきて、まさか涼香ではなく渚の話で天原での終わりを迎えるとは思いませんでした。
でももう本編と同じくらい渚の話を書いているんですよね。何度か書いていますが渚は涼香の話を書き始めた時どころか陽菜を最初に登場させた段階では存在すらなく、あくまで陽菜の友達として登場した渚がここまで皆さまに愛していただけるとは思っていませんでした。
ここまで続けることができ感謝の言葉もありません。本当にありがとうございます。
本当はもっと早くに卒業までを書くつもりだったのですが、何となく卒業をさせたら終わりになってしまうのかなと書くことが出来ずにいましたが、終わった今かけてよかったと思います。
絵梨子先生がつながりを守ると言ってくれたように、せつなが卒業を終わりじゃなくて始まりだと言ったように、これでみんなの物語を終わりにはしません。
卒業しても人生は続く。舞台が変わるだけで渚やせつなの話が終わるわけではない。
と言っても何をどうするかはあんまり考えていないのですが……とりあえずは旅行行くというお話が上がっているので旅行のお話は書きたいと思います。
こうして書いていると今までの思い出が頭をよぎりこみあげてくるものもあって、この卒業の話でも本当はもっと深くというか、二人で一つ一つ思い出を手繰っていくような話にしようとしていたのですが、それをやめて新しい始まりという今回の話にしました。
私にとって天原のお話しは十年近くも続けてきたことで終わるということは大きなことで区切りではあるのですが……それを渚に投影するのは違う気がしました。渚にとっては区切りであることは間違いないですけどあくまで渚にとっては一つの区切りでしかない。なのに私の感傷で渚の感情を必要以上に高めるのはすべきでないと考えこの形としました。
それこそ私の自己満足かもしれませんが、ご了承ください。
前述のようにここまでえがけたことには感謝しかありませんが、まだまだ渚の物語は終わりません。ひとまずは旅行編をお待ちください。