休みの日ともなれば普通いつもよりも遅く起きる。

 まして、ゆめの家なんかで寝るときには大抵美咲と三人で遅くまで遊んだり、話したり色々してるから普通に考えればいつも以上に遅くなって当然なはず。

 でも、ゆめの家に泊まるとき、あたしは結構早く起きることが多い。そして、ゆめより早く起きた場合、あたしはあることを企む。

 で、あたしは今日もベッドの横にしいてある布団の上で目を覚ましていた。

 でも、布団からは抜け出さないでぬくぬくとした布団の中でその時を待っていた。

「……んー……ぅ」

(お……)

 【その時】は日によって違うけど、今日はあたしが起きてから結構早い時間だった。

「……むー」

 あたしと違ってさっさとベッドから出てきたゆめは

 グニ

「っ〜〜」

 いきなりあたしを踏みやがった。

「…………」

 すぐに足はどけたけど、いくら華奢なゆめとはいえ踏まれて痛くないはずもない。

「……………まぁ、いい」

 ゆめはあたしが寝てるとでも思っているのかそう呟いてそのまま着替えのあるタンスに向かっていく。

(って、いいわけあるか!!!

 なんなのまぁいいってあたしを何だと思ってんだこの子は。

 文句言いたいことはいくらでもあったけど、あたしがそれを口にする事はない。

 だってあたしが起きてるなんてばれたら台無しだもん。

 あたしは恨みは忘れないでおきながら寝返りを打ってゆめのほうを見た。

 これからパジャマを着替えるゆめを。

「……ん、ぅ」

 パサ

 まずは白をベースに花柄の模様のあるパジャマの上を脱いで脇に置いた。

(ふふふ……)

 見るだけでもわかる小さく滑らかな背中に薄い水色をしたブラが眩しい。

「……むぃ」

 それからゆめは上とセットで花柄のついたパジャマのズボンに手をかける

(そうそう)

 やっぱりあたしとしてはこっちのほうが、ね。

 まずふとももとは思えないほど細いふとももが露になって、次になんだか妙にそそられる膝裏が見え、最後に思わず顔がにやけてしまうほどの生足が姿を現す。

(……ふふふふふ)

 今日のゆめちゃんのパンツはちょっとレースの入ったピンクのもの。ゆめはあんまそんなイメージないけど可愛い系が好きなんだよね。

「……んー」

 パジャマをたたむこともなくゆめはタンスの中を覗き始めた。何を着るのかは決めてないのかすぐには取り出さず物色をしているみたい。

(ったく、出してから脱げばいいのに)

 ま、あたしとしてはこうして長い間半裸状態のゆめを見られるから良いんだけどね。

 あ、ちなみに言っておくとゆめは別にあたしに見られてても気にしないで着替えをすると思うよ? あたしだってゆめに見られたって普通に着替えをする。

 だけど、ゆめや美咲に見られていればやっぱりそれなりに気にするし、見られてるっていうのを意識しながら着替えをする。

 だからここで重要なのはゆめがあたしに見られてると思ってない状態で着替えを覗け……見られるってこと。

(あーでも、ほんとたまんない)

 お風呂一緒に入ったりもするし裸だって見慣れてないわけじゃないけど、下着姿を長時間見るっていうのはなかなかないからね。

 足もたまんないけどさー、腕もいいよね。こうやってブラだけの姿で、あ、腕っていうか肩からスラーっとした指の先まで露になってるのがね。うん。

 あー、このまま後ろから抱きしめちゃいたいところだけど、それすると今度から警戒されちゃいそうだから我慢しとかないと。

(あ……)

 と、こんな素敵な時間にも終わりは来る。

 ゆめはまずジーパンを履くと次に白のタートルネック着た。寒くなってきたしその選択も間違いじゃないって思うけどさ。

(……なんか、最近スカートにしてくれないな)

 警戒されてんのかねー。昔はもっと無防備だったのに。まったくもう。

 ま、でもさ。

 こうして、ジーパンとかだと足のラインが丸わかりだったりお尻の形まではっきりしちゃったりでこれはこれでいいよねぇ。

「ふぁあ、おはよ。ゆめ」

 なんてことを考えながらあたしは今日も秘密の時間に終わりを告げるのだった。

 

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……彩音がもう、人としてて……もう……ww

 

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