終わってみるとなんだか洋子の話というよりも、玲菜の話だったような気がしますね。

 これまでの話でも玲菜のおかしな部分は書いてきましたけど、今回は圧倒的に変です。洋子も感じてましたが、はっきり言って異常な人間と見えると思います。

 大なり小なり誰もが自己否定の一面を持っているでしょうけど、玲菜はそれが異様なほどに強く、自分を卑下しています。こういう一面も玲菜が友だちを作らなかった原因なのかもしれません。

 そんな中で唯一自分の存在意義を結月のためということに見出していますが、結月は多分そんな玲菜をあんまりよくは思ってないでしょう。

 そのあたりは玲菜の核心に迫るときに触れるかも。結月回があれば、そちらで触れるかもしれませんが……玲菜の話を先にしないと結月回そのものができない気がするので。

 ただ、洋子という自覚できる友人を持ったことは間違いなくいいことではあります。例えその【差】に落ち込んだとしても。

 

 洋子のことを書く前に、私は絵本というと百万回生きた猫を思い浮かべます。と言っても私は子供のころにそれを読んだわけではなく、中学の時に初めて読みました。その当時は特に何とも思わなかったのですが、大学のときにあの作品の意味を理解した気がします。あくまで私なりにですが。洋子の名前も作者の佐野洋子さんからきていたりします。まぁ、それだけのことなのですが。あの作品は子供のころはもちろん高校から大学の間に読むのが一番いいのかなと思います。

 

 と、話はそれましたが洋子は今のところは本当に友人という感じです。多少それ以上の感情をもっているようにも見えますが、このまま何もなければ友人より先に進むことはないでしょう。もっとも、玲菜と関わっていて何もないということはありえないでしょうけど。何かがあった先には唯一の同級生として頑張って欲しいですね。

 

 さて、次回は姫乃回ですね。結月以外で玲菜の昔をある程度知っている子なので、玲菜の話も同時に進めていけたらと思います。

 では、また次回よろしくお願いします。

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