まず、申し訳ありませんでした。

 情けなくなる話ですが、迷走しすぎて何をしてたのかわからないですよね。最初は、美織の気持ちに気づきながらも年の差、立場の差から受け入れることをためらう理々子を書くはずでしたけど……本当にどこに向かっているのかわからなくなってしまいました。

 自分の中の原因としては、理々子に自分を投影しすぎたことかなと思っています。それなりに誇張はしてるけど、理々子はかなり私がモデルになっています。まぁ、それを言うならこのHPのほとんどのキャラに私を投影している部分があるのですが……今回の理々子は特にそれが強かったです。

 人に自分の弱さを見せられる人って、実際はどの程度いるんでしょうか。そこまで相手を信頼できる……はっきり言って難しいと思います。どんな人でもいて、二、三人ではないでしょうか? そういうことができる相手を親友だったり恋人と呼ぶのかもしれませんけど、そう呼べる相手だからといっても、いえ、そう思える相手だからこそ話せないっていうことだってあると思います。それに、相手が手を伸ばしてきてくれたとしても、その手を取るのにだって勇気が必要で……難しいですよね。

 美織も理々子も弱さを見せることの難しさを知っている。だから、強引ではあっても美織が理々子を許せたのは私の中ではおかしくないことだと思っています。美織はそれをできなかったから、家出をするほどにまでなったのですし。自覚はないけど、弱音を見せるのと今までの生活のすべてを捨てること、その二つを比較して生活を捨てることのほうが楽だったから家出をしたんでしょうし。特別な事情があったにせよ、やっぱりそれほどに弱音を見せるって難しいことだと思います。

 理々子は人の前じゃ演技をしてるって言ってましたけど、それは多分誰でも同じで、相手にとっての自分が自分の思っている本当の自分である人なんてほとんどいないと思います。もう相手には相手の思う自分がいて、その自分と違う姿を見せることは……やっぱり難しいです。怖いことだって、思います。もちろん、今回の理々子と美織のようにそれがプラスに働くことも少なくはないのでしょうけど。

 あと、理々子は弱いかもしれませんが……多分誰もが一緒だと思います。誰もが心に人に言えないもの、言いたくないもの抱えるものだし、それを誰かにわかってもらいたいと思って、でもわかってもらえるはずがないと勝手に自分で決めて、踏み出すことができない。理々子は一時瑞樹さんのことを【諦め】てましたけど、それも不思議なことではないと思います。誰もが弱くて、けれどそれが普通だと思います。

 でも、勇気を出して自分から前に進まなきゃ、結局は何も変わらないし、変えられない。言葉にしなきゃわかってもらえないし、相手に期待するだけで報われることなんてきっとほとんどありません。理々子だってそうです。弱さを隠すことだってきっとできた。でも、弱さを見せたからこそ美織の心に届いた。そして、幸せを得ることができた。……何がきっかけでもいい、自分で踏み出さなきゃ、ですよね。

 もっとも、頭でわかることと、実行できることの間には果てしない距離があるかもしれませんが。

 言い訳ばかりをしていても、仕方がないのでちょっと補足を。

 今回理々子は美織を大好きと言っていましたけど、それはそれで恋人の好きとは違うものだと思います。だからといって、別に美織が望む好きではないということでもないです。妹以上だけど、恋人ではない。でも、ある意味恋人以上な気持ちもある。何を言ってるのかはっきりしないですけど、妹でもあって、友だちでもあって、恋人でもあり、大切な家族でもあるそれが理々子の好きです。

 美織がその好きを望んでいたのかはわかりませんけど、少なくてもその好きを嫌がってはいないです。美織もまた、恋人であることだけを望むのをやめたと思いますから。もちろん、それが一番美織の望むことではありますけど、そうじゃなくてもいいと思えています。恋人同士であることだけが二人の幸せではないと思いますので。今は、恋人を望むよりも理々子のようになりたいというのが、美織の一番の目的ではないでしょうか。それは経済的なことや、立場的なものではなく、心意気ということですね。

 

 まぁ、どれだけ言い訳を重ねても私が自分の都合と未熟さで理々子と美織に、そして、読者の皆様に申し訳ないことをしたという事実は変わらないですよね。……本当にすみませんでした。

 途中から完結させないほうがいいのではとも考えました。けど、私はそれだけはしたくなかったです。まだ、HPを始める前のころ、投げ出していたこともありました。でも、そのたびに泣いたり、泣きそうになっていたことがあります。現実だったら、どんな結末になろうともいずれ終わりが来ます。でも、物語は作者が投げ出してしまったら、そこで永遠に止まってしまう。紡いだ想いも、苦しんだ記憶も、楽しかった記憶もすべてが無駄になってしまう。それが登場人物たちに何よりもしてはいけないことだって思っているから、どんな結末だって私は、自分の責任で受け入れるつもりです。それだけは、曲げません。あとは、こんな申し訳ない気持ちになるようなものを書かないという実力となにより、意志を持たなくてはいけないのだと思います。

 はっきり言って、忘れたい気持ちもあります。でも、そんなことはしないし、公開をやめたりもしないです。そういう気持ちがあればあるほど、次につなげなきゃという気持ちを持てる気がするから。

 いつか、無駄じゃなかったと思える日のため、これからもがんばっていきたいと思います。

 このあとがき自体言い訳と自己満足、自己弁護のかたまりですけれど、それも含めてここまで読んでくださりありがとうございました。本当にこれを次に活かし、今度はもっと皆様に楽しんでいただけるようなものを書きたいと思います。

 改めて、ありがとうございました。

 余談ですが、こんなお話しでしたがもし誰かお一人でも何かを感じて、それで前に進むことができるきっかけになったとしたら、それに勝る喜びはありません。百合であることはもちろんですが、それだけでなく何かを感じてもらえたらとは常々思っているので。

では、本当にありがとうございました。

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