※注 この【裏】は本編とは一切関係ありません。
当初、こんな展開にしようかなと思っていたものを載せてみたものです。Ifの物語としてお楽しみください。……評判がよければ今後も【裏】として各話に載せたりする、かも?
場面としては音楽室で聖に抱きしめられた撫子が「聖ちゃんって呼んで」と言われたところからのifです。
「ひ、聖、ちゃん」
「ごーかく」
宣言通りにひ、聖ちゃんは私を開放すると軽やかな足取りで私の正面に回ってきた。
「これからもそう呼んでね」
それから、私が不思議だって思ってる笑顔。
「う、うん」
それに呑まれて私は思わずうなづいちゃってた。
「さて、と……」
「あ、あの」
「まずは、どうしてほしい?」
「ふぇ!?」
こ、今度は聖ちゃんは正面から私の腰に手をまわしてぎゅっと聖ちゃんの体にひきよせられた。
ベッドやお布団、お風呂とかとは違う人の体温が感じさせるぬくもりと、聖ちゃんの甘い匂いが私の頭をくらくらとさせる。
「やっぱり、キスからがいい?」
「っ!!?」
く、唇に柔らかい感触。
「ふふふ……」
聖ちゃんの指が私の唇をなぞる。
「それとも……」
(あ……あ……)
聖ちゃんの指が唇から口元、顎、首筋、鎖骨と伝っていって胸の手前で止まる。
「こっち、しちゃおうかなー?」
くるくると胸の周りを指でくすぐるように触ってきた。
「や、め……」
私は頭が真っ白で、何もわからなくて……怖くて、【やめて】ってどうにか言おうとしたけど、その前に
「やっぱり、キスからよね」
「んむ!?」
唇に暖かな感触。知らないぬくもりと柔らかさと……熱さ。
(ふ、……え………?)
思わず見開いた目に、聖ちゃんの長くてきれいな睫毛がうつる。
(なに、が……?)
信じられないのと信じたくないので頭がいっぱいになって、体が感じてることを心が認めない。
「ん……」
何が起きたかわからないまま、聖ちゃんの熱のこもった息がほっぺにあたる。
「ふふ、撫子さんとキス、しちゃった」
いたずらっぽく笑う、聖ちゃん。自然と視線がそこにうつる。
形いい桜色の唇はかすかに濡れて、それがどことなく……え、エッチに見える。
(キス……? キス、したの?)
私の、初めての……キス?
それが、聖ちゃんと……?
やっぱり何が起きてるんだかわかんない。
頭がぼーっとして、考えることをやめてるみたいで何もわかんない。
(柔らかくて……ちょっと熱くて……それに、シャンプーのにおいかな? いい匂いがして)
もっと考えることがあるはずなのに、現実逃避をするように私はそんなことを思ってて、でも体は正直だったみたい。
むにゅ。
「ふぁ……?」
思考能力を失ったままの私の胸に聖ちゃんの手が触れてきた。
「撫子さんすごくドキドキしてるね。ふふ、嬉しい」
また聖ちゃんは楽しそうに笑って
「もっと、ドキドキさせてあげる♪」
「あ!?」
聖ちゃんの左手で私の腕を、右手が私の手を取ってきてまたぐっと聖ちゃんにひきよせられたかと思うと
「ん……」
また、唇が合わさってきた。
(え……あ。また、キス、されてる、の?)
やっぱり頭がついていかなくて、キスをされながら呆けてた私に聖ちゃんがもっと頭をからっぽにさせるようなことをしてきた。
「ん、あむ……ちゅぷ、あ、あん……うむぅん」
(熱い、よぉ……)
聖ちゃんの舌が私の中に入ってきてる。
「うぅ……ん、くちゅ……ちゅく、あぅ…あ、ううん」
唇をなめて、舌を絡めて、私の中をむちゃくちゃにしていく。
くちゅくちゅって今まで聞いたことのない音が直接体に響く。
(熱くて、ざらざらしてて、ねっとりしてて、熱くて……)
熱い。
全部が、熱い。
顔も、唇も、舌も、手も、足も、頭も、心も。
熱い。
苦しくなって、息もできなくて、立つのもつらくなってきた私は、すがりつくように指を絡めてきた聖ちゃんの手をぎゅって握った。
「んん、あむぅ……ちゅぱ、はむ、うぅん。はあぁ……ん」
するとそれを合図にしたみたいに聖ちゃんがもっと私の中で舌を大きく艶めかしく動かしていった。
「ん……はぁ……はぁ。撫子さん、可愛い」
「…………ん、にゅ?」
滲んだ視界に聖ちゃんの赤く染まった顔がうつって、やっとキスが終わったっていうのがわかった。
「は、…ぁ……あ、は、……ふぁ……」
大分息苦しかったのに、私は呆けたようにしか呼吸ができない。
「撫子さん」
「…は、あ…なぁ、に?」
本当だったら、ちょっとだけでも考える余裕があったら別のことができたのかもしれない。でも、聖ちゃんはそんな余裕を与えてくれなかった。
パサ。
(あれ?)
急に、体が軽くなった。
いつの間にか、上半身がブラウスだけになってる。
(どうして、こんなことに……?)
それもやっぱりわかんなくて、
「んっ……」
ブラウスの隙間から冷たい空気が素肌にあたって、ビクって体が震えた。見ると、聖ちゃんの指がブラウスのボタンを一つずつ外していってる。
(どうして、こんなことしてるんだろ……?)
わかんないのか、わかりたくないのか、それがわかんない。
「あ、可愛い」
ふと、聖ちゃんがそんなことを言う。
「ピンクなんだ」
それは、今日の私の下着の色。
嘘。
ブラジャー、見られてるの?
「撫子さんにぴったりよ」
どう、して? なんで、聖ちゃんこんな、ことばっかり、するの?
「ぁ、ひぁっ!?」
布の上から聖ちゃんの指が触れてきて、私の胸に沈み込んできた。
「ちょっと小ぶりね。でも、大丈夫。これからおっきくしていってあげるから」
ぐにぐにって聖ちゃんの指が沈んだり、浮いたり。
「ん、ふ……あぁ」
すごく恥ずかしいのだけがわかって、くぐもった声が出ちゃってた。
(それに……)
聖ちゃんの指が動くたびに胸から不思議な感覚が広がって……びりびりとしびれていくような……?
「撫子さん……」
「ひじり、ちゃん……」
どんな意味で聖ちゃんが私を呼んで、私は聖ちゃんを呼んだんだろう。でも、これから聖ちゃんがしてくることはなんとなくわかって、でも、それに対してどうするのかはわかんなくて
「あむ……ちゅく」
三回目のキスを受けていた。
「んぅ……うん。あ、ん……はぁあ、あぁあ、い、ぃ……ちゅぷ」
今度もされるがまま。キスをされて、舌を絡められて、胸を触られて。
(力、はいんない、よぉ……)
立ってるのもつらくなってきちゃって、聖ちゃんに体重をかけるように寄りかかった。
「……撫子さん?」
その様子を心配してくれたのか聖ちゃんは寄りかかってきた私を両手で支えてくれた。
(……聖ちゃんの体、あったかい)
優しくそうしてくれる聖ちゃんの体を心地よく感じながら私は、涙にぬれた瞳で聖ちゃんを見上げた。
「聖、ちゃん……」
多分、もうやめてって言いたかったんだと思う。でも、うまく言葉は出てきてくれなくて
「んふ、立ってられなくなっちゃった?」
「……あ、う、うん……」
そんな言葉だけには反応ができた。
「それじゃ、横になろうか」
聖ちゃんが優しく私の背中と腰に手を添えて、私はそれに導かれるように膝を折って、そのまま音楽室の柔らかな絨毯の上におしりをつく。
「ほら……」
そして、ぐって聖ちゃんが体を重ねてきて私はそのまま聖ちゃんの押されて絨毯の上に寝かされていった。
ここまでお読みいただきありがとうございます。ここで終わっているのは仕様といますか、これ以上になるとここでは載せられないものとなってしまうので。
あと、これは本編とは関係ないものではありますが、一応聖ちゃんについて言い訳しておきますと、聖ちゃんとしては無理やりしたわけではないです。この時点では白いハンカチのお手紙にOKしてもらったと思い込んでるので。関係ないと繰り返してはいますが、聖ちゃんのことを誤解しないでいただけると嬉しいです。
では、またがありましたら。