ここまで、約一年半程度かかりましたが、いよいよ終わりが近くなってきたように……一見見えますね。一見。どういう意味かは今後に。

 

 最近のあとがきは気付いたらキャラについての補足ばっかりで恐縮ですが、またそれで。

 細かいところはともかくなんだか涼香は勘違いしているようにも見えますね。16のあとがきにも少し書きましたけど。なんていうか、絶対にどっちかに想いを返さなきゃ、せつなと美優子どっちかを選ばなきゃいけないって思い込んでしまってる気がします。どっちかを【好きにならなきゃいけない】と思い込んでいるような気もしますよね。どちらにも答えないっていう選択肢を始めからそぎ落としてしまっているとしか思えないんですよね。そうしたら、二人のことを傷つける上に、自分は一人になってしまう。一人というと語弊があるでしょうけど、でもそんな感じだと思います。涼香にとってはせつなか美優子、あるいは両方が必要な存在で、どちらも失うなんてすでにできない体になってしまっているんです。そういう意味じゃ涼香は依存をしたいのかもしれませんね。さつきさんのときも、藤澤先輩のときもある意味じゃ依存していたのだと思います。涼香は思い悩み、苦しみ、喘ぎあがいて答えを見つけようとしています。強引にでも何でもいいから、答えを出さなきゃ、どちらかを選ばなきゃと思い込んでいる。果たしてそこから出す答えは涼香にとって正しいのか? でも、正しくないとしても涼香は答えを出そうとしています。涼香がどうなるか……未来は決まっていません。

 

 せつな……彼女はとにかく恐れているようにも見えます。涼香と美優子に関して、美優子が後ろめたいことをしたのは事実だし、だから美優子に対してあんなふうな態度を取ってしまってもせつなのことを冷たいとか思わないでいただけるとうれしいです。
 ……涼香にキスをするところは、普段はできるだけ感情移入をしないようにと思っているのですが、ここはせつなの気持ちを思うとつらかったです。名の通りせつなすぎです。

 

 美優子……ほとんど出番なかったですけど、美優子はせつながいったように優しい言葉をかけてもらいたかったんじゃないとは思います。とにかく涼香と話したかった。謝りたかったんです。本来なら話すことでもなければ、黙っていたほうがいいことでもあるとは思いますけど、涼香に、好きな人に隠し事なんてできないし、なにより美優子はきっと自分の行動に後悔をしています。だから、優しい言葉が欲しかったわけでも、許してもらいたかったわけでもなく、謝りなかった、それだけなんです。
 ただ……きっと涼香は、正直に話されれば許してしまうと思います。自分のせいで美優子が追い詰められてると、そう考えてしまうでしょう。涼香にとっては結果的ではありますが、せつなと美優子が話してるところを目撃したのはある意味じゃ幸運だったのかもしれません。

 梨奈と夏樹は、登場にそれほどの意味があったようには思えませんけど、せつなと美優子のことでちょっとした口げんかをする。なつきのほうは美優子にちょっと敵愾心持ちすぎじゃないの? って感じですけど、冷静になるとある程度持っててもおかしくはないおかも。夏樹にとっては梨奈が一番過ぎるので、梨奈が美優子のことをかまうのはそんなに面白くはないんでしょう。梨奈と夏樹の絆はすでにゆるぎないものではあってもやきもちくらい妬いてしまいます。絆が強いというのは想いが強いともいえますからね。
 この二人のちょっとした口論、それですら涼香にとっては自らを締め付ける鎖になってしまう……涼香はこんなこと決して望んではいなかったはずなのに、人の想いとは無関係に世界は回っても世界を動かしてるのはその人の想いなんですよね。

 意味はあるかもしれないけど、多分S×Sには関係ない言葉で今回のあとがきの締めとします。では。

 

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