自分のためじゃなくて、大好きな人のために何かをしてあげられること。それが恋かな、と。

 せつなは今自分のことじゃなくて、涼香のためだけを思って涼香の力になろうとしています。ま、まぁ最後のところは涼香への想いというよりも完全に自分の都合になってますけど、そこは許してあげてください。

 

 それはともかくせつながやっと話に入ってこれた感じです。今までだってもちろん、中心ではありましたけど結局のところ涼香の過去を知らないというだけで美優子には勝てなかったような気もしますので。まぁ、今のところは何もわかってませんけどそれはこれから、せつなが頑張っていけばいいですから。そのきっかけを今回は作れたわけですからね。

 

 対して美優子はほぼ出番ありませんでした。涼香の様子を思えばいくらさつきさんに何かを話されたからといって拒絶する涼香に話そうとするのはひどく思えますね。理由がわかれば美優子の行動もある程度は得心してもらえるかなと思うのですが、それが明かされるのは少なくても次話ではないですね。ただ、美優子はせつなとは違い涼香とさつきさんの関係を知っているからこその行動で、それはせつなが涼香の過去を知ってもできない、さつきさんと話したからこそできる涼香のための行動なんです。これくらいかな。だから美優子のこと嫌いにならないであげてください。勝手ですけど。

 

 そういえば今回はちょっと特殊な書き方でしたね。すぐ視点を変えて涼香とせつなのその時々の気持ちを深く表してみました。ただ、基本は交互でしたけど中には場面変わっても同じだったりしたのでその辺はわかりずらかったかもしれません。あとは涼香が同じようなことずっと思いすぎかなと。こちらとしてはどこで何をしていても涼香が過去に苦しめられているというのを現わしたかったのですがちょっとしつこすぎたかもしれません。

 

 さて、涼香は今回ただ泣き叫ぶだけでしたけど最後にわずかな希望にすがりました。いらないはずのさつきさんとの思い出でやっと今話眠ることができた。それを涼香はどういう風に思うんでしょうか。あと、こんな状況なのにせつなに悪いと思ってしまっている、それはもしかしたらせつなの望む涼香の過去を話す要因になるかもしれませんけど、それは同時に美優子と同じ状況を作ることになる。さつきさんと接点がなくても涼香はそう思っちゃうんじゃないかなって不安になります。

 各人に色々問題は山済みですけどどうなるかは次回以降ということで今回はこれで失礼します〜。

 にしても次回で三十話ですか……思えば遠くに来たものです。もっと先にいけるようがんばろう。

 

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