結局二人がその日どうしたのかはよくは知らないの。

 けれど、多分私や瑞奈さんの望みは叶ったのだと思う。

 蘭先輩と一年さん。

 二人の間に流れる空気がこれまでと明らかに違うのはすぐに分かったから。

 ただ、単純に恋人になったっていうのとは違う気もするのだけれど。

 親密には見える。ただ、どんな言葉が適切かわからないけれど節度を守っているようなそんな距離感。

 それはもしかしたら、私が知らないお互いに惹かれ合っていった頃の蘭先輩と一年さんの姿なのかもしれない。

 一つ気になることと言えば、瑞奈さんから聞く限りあの部屋での女の子たちとの関係は完全に切れてはいないみたい。

 それに関してはいつか蘭先輩が言っていたことを思い出す。

 今更、切ることは出来ないんだと。それはきっとその通りで、だからといって一年さんがそのことを良しとすることはないと思う。例え事情を知っても、それが普通ではないのは確かなのだから。

 ただ、瑞奈さんが言うにはそんなに心配しなくてもいいとのことだった。

 二人ともそのことが理解できないほど子供じゃないと瑞奈さんは言っていた。

 それにどれほどの信ぴょう性があるのかは私にはわからなかったけれど、ただ瑞奈さんが私に「ありがとう」と笑顔を向けてくれたことは信じていいと思えた。

 それこそ、蘭先輩や一年さんに言われたことよりも。

 だから私は二人と、瑞奈さんを信じることにしたの。

 それが私の恋の終わりだと認めることになっても。

 ……変な恋だったって自覚はあるの。

 蘭先輩を好きになるなんてありえないはずだったから。

 あんな出会いをしておいて好きになるなんてありえない。

 でも、私は好きになってしまった。あの人に嫌われていたこそ、心に近づくことが出来て一年さんと瑞奈さん以外で初めての特別になれた。

 ……もしかしたら私の恋はその瞬間に終わってはいたのかもしれないけれど。

 後悔はない。むしろ終わらせなかった方が後悔しただろうから。

 これで私の胸が、心が澄んだとは言えないけれどね。

 それでも私のしたいことは終わったの。

 それはつまり

 

「鈴さん、お帰りなさい」

 

 冬海ちゃんと向き合わなければいけない時が来たということ。

 

12−6/13

ノベルTOP/R-TOP