教師絵梨子。

 生徒ときな。

 この二人を考えたのは、偶然というか全然深く考えて作り出したものじゃありませんでした。

 本編であるS×Sの二話を書いていたとき、言葉は悪いですけどせつなを追い詰めるために絵梨子先生を考えたにすぎませんでした。せっかくだからと四話にも登場させて、この時点ではなんとなくときなのことも考えていましたけど、そのときにはまだときなさんの名前も考えてなかったし、四話で絵梨子がせつなに聞いた理由もほとんど考えてませんでした。

 それから、多分何かネタがなかったとき、なんとなく書こうと思ったのがこの二人でした。

 その時は本当に一年生の時のことだけで、ここまで……結婚なんてまるで考えられてませんでした。

 でも、ここまで来ることができました。

 本当に感謝の言葉しかありません。ありがとうございます。

 今まで、それなりに作品を書いてきたし、完結もさせてきました。でも、一番未来を見れたのはこの二人かなと思います。

 難しい問題ですよね。結婚。唐突ですが、ちょっと不快にさせてしまうことも書くかもしれません。

 そういうことをテーマとして書いたわけではないので、深くは書きませんが、二人はこの結婚が【本物】ではないことはわかっていました。ときなも結婚を考えたはず、でもそれをあきらめたのはそういうことが関係していたと思います。

 でも、それは絵梨子も考えたことでした。結婚というのは、本来永遠を誓うもの。でも、自分たちの関係ではそれはいろんな意味を持つ。躊躇もしたし、絵梨子自身逃げたくもなったと思います。この結婚が、自分はともかくもときなを縛ることになるかもしれないし、それにときなが負け惜しみのようにいった何も変わらないという言葉。それも現実かもしれない。この結婚は結局ときなの不安を払しょくさせることにはならず、中途半端な結婚がときなの未来をつぶすことがあるかもしれない。

 でも、そんなことを想うだけじゃ何も変わらない。

 怖いから、不安だからって、おびえて、震えているだけだったら何も変わらない。何も変わらないからと何もしなかったら、本当になにもできない。道はできない。

 不安があっても、怖くても、幸せになれるかわからなくても、望みがかなわないかもしれなくても、暗闇の中手さぐりにでも前に進まなきゃ何も変えられない。

 そして、変えることは不可能なことじゃない。二人でならきっと、変えていける。

 この【結婚】についてくる不安も真実なら、そうして、変わっていけることも真実だと思います。

 ちょっと長くなってしまいましたけど、結婚に関しては以上です。深く掘り下げるわけでもなく、中途半端なことしか書かず申し訳ありませんでしたが、二人はきっと、変えていけると思います。……というよりも行かなきゃですよね。

 

 へたれな、でもいざという時にはかっこいい絵梨子と、優秀なくせに、頼ることも甘えることも知らない優等生ときな。

 好きなコンビでした。振り返ってみると、大切な時はいっつも絵梨子先生が【ずるかった】ですね。普段はときなにいじめられてたりするくせに、ときなが壁にぶつかったときにはどこまでもかっこよくなれる。絵梨子は先生だからって言ってましたけど、ほんとはそんなんじゃなくて、ときなのことが大好きだから、愛しているからですよね。ときなさんもメロメロになっちゃうわけです。きっとこの二人はずっとこんな感じで過ごしていくのだと思います。もっとも、もうすぐときなにとって先生は先生ではなくなっちゃうわけですし、ときなさんもプライドが高かったりもするのでもしかしたらこのままでは済まないこともあるかもしれませんけど……それは、とりあえずここでは関係のない話ですね。

 

 でも、こうしてあとがきを書いていても改めてここまで来れてよかったなって思います。この作品とはあまり関係のないことですけど、最近ある程度書くことには慣れて、昔のように未熟でも一生懸命書こうっていう気持ちが薄れていたと思います。それはすごく申し訳のないことなのですが……事実でした。でも、この二人の結末に関してはきちんとしようと、絶対に二人を幸せにしようと思えました。そして、書き終えた今、未熟なのは変わりませんけどでも満足できている自分がいます。それはただの自己満足なのかもしれませんけど、でも二人を幸せにできたというのは事実だと思っています。それを思うことができたのもここまで読んでくださった読者の皆様のおかげでした。二年生以降を書くことができたのは一年生を書きおえた時にもっとという声があったからです。そして、ここまでこれた。本当にありがとうございました。

 ひとまずこの二人とはお別れになります。また書くかどうかはわかりません。でも、繰り言になりますがここまでこれて本当によかったです。

 この二人の幸せがこれから先、永遠であることを祈りながら今回はこれでお別れしたいと思います。

 

 

 なお、意見や感想、後日談の希望など、もしありましたらお気軽にどうぞ。この二人がここまでこれたように皆様の声が物語を作る大きな力になるので。もしかしたら希望が叶ったり……?

 では二人にまた会える日を願って。

ノベルTOP/S×STOP