闇、光を飲み込む夜の闇。

 何も見えず、何も聞こえない。

 あるのはすべてを飲み込み、さらってしまうかのような圧倒的な闇。

 心には恐怖が宿り、一度隙を見せた心の中で際限なくふくらんでいく。

 涙を流し、嗚咽を漏らしても闇は広がりふくらみ、深くなっていく。

 その闇に溶け込んでしまえたら、さらわれてしまえれば。

夜明けの前。常闇、もっとも闇が深くなる時間。

 その闇に溶けて消えてしまいたい。

 夜が明けてしまう前に。

絶望の朝が訪れる前に。

 夜が明けたその先、そこにはさらなる心の闇が待っているのだから。

 

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 人を足を進めるのは希望じゃなくて意志、人の足を止めるのは絶望じゃなく諦め。この主人公にしようとしてる女の子は多分、諦めてしまってますね。それを希望へ向かう意志を持たせたい。あ、ちなみに同じところにある『無題」と前回の『雨』や今回のは別物の長編のネタとして考えてます。

 

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