可愛い妹を家にお持ち帰りしたあたしはゆめをベッドに座らせる。
「さぁ! ゆめ、お姉ちゃんと楽しいことしよう」
あたしは隣でゆめに体を寄せながら肩を抱く。
「? なに、するのお姉ちゃん?」
ぽかんと純真気な瞳で見つめられて、あたしの理性はすでに崩壊寸前。(恋人にお姉ちゃんと呼ばせてる時点でどうかとは思うけど)
「まぁまぁ、とにかくあたしに身を任せてくれればいいから」
正直何をするつもりだ? って聞かれると考えてない。あまりに妹なゆめが可愛かったから連れてきただけ。とりあえず、色々してゆめの可愛い反応をみたいなってそれだけしか今のところ考えてない。
「……?」
まぁ、とりあえず
「ほら、こっち」
とあたしは自分のふとももをポンポンと叩くとこっちに来るように促す。
「ん………」
のこのことあたしの膝に座ったゆめを抱きしめた。
これは定番だよねー。
「んー、いい匂い。それにぽかぽかとあったかいねぇ」
「……お姉ちゃんもあったかい。……もっとぎゅってして」
天然なのか、元々の気質かあたしの望む言葉をくれて言葉の通りにお腹を抱えながらぐっとあたしのほうにひきよせた。
「ほんとゆめは可愛いねぇ。お姉ちゃんは嬉しいよ」
「……お姉ちゃんだって、可愛い」
「いやいや、ゆめの方が可愛いよ」
「……むぅ……」
「例えばほら」
「……っ、う、に」
あたしはゆめの服の下に手を潜り込ませると直にお腹を撫でる。
「こんなにお腹がすべすべだし、髪からはこんなにいい匂いがするし……」
「ん……ぁ……」
ふにふにと脂肪の少ない肌を撫で時にはつまみ、頭を押し付けては髪の匂いを嗅ぐ。一見すると危ない場面にも見えるかもしれないけど、その背徳感にあたしの鼓動は高鳴りっぱなし。
「……お姉ちゃん、恥ずかしい」
「……………」
さらには、体をひねりながら見上げるようにあたしを見るゆめに……
(……襲ってもいいかな)
理性が吹っ飛びそうになる。
いやね、今日はまでそこまでするつもりじゃなかったんだよ? とりあえずお姉ちゃんって呼ばせてみたくなっただけで何か具体的にするつもりもなかったんだよ?
「……お姉ちゃん?」
けど、こんな姿見せられたら襲いたくなっちゃうのも仕方なくない?
「??」
無言のままゆめを抱えるあたしにゆめはなんだろうと不思議がっているみたいだけど、あたしのことを信じきってるってこともあって特に抵抗もしないで、そのままベッドに寝かされた。
「ふ、ふふ……」
それはあたしたちにとってそれほど珍しい光景ではないんだけどなんかお姉ちゃんと呼ばれている今するのはものすごい背徳感。
「……なに、するの?」
「大丈夫、大丈夫、お姉ちゃんに任せてれば」
おっと、あたしはまだ理性的だよ? 何も野性をむき出しに妹を襲ってるわけじゃないの。あくまで恥ずかしがる姿を見たいだけで何かするつもりなんて……
「……ふ、ぁ……」
とりあえず、お腹を露出させる。可愛いおへそだ。
(しかし、まじに襲いたくなっちゃうな)
妹設定のなかそれをするのはいろいろまずいような気もするけど……。
(あれ? でもそもそもあたしはゆめの恋人なわけだし)
普通こんなことしたら通報ものだけど、あたしなら許されるわけじゃん?(怒るけど)
(…んー、と)
それでもこの真昼間からするってのもさすがに抵抗もあって、様子を見る意味であたしはめくり上げたお腹に手を這わせ、少しずつ上にあげていく。
「……ん、あ……だめ、お姉ちゃん」
頬を赤らめながら、身をよじるゆめ。
「……………」
あたしなら……いいんだよねぇ。
改めてそのことを確認して、あたしは手をさらに上に持って行こうとして
パシ、と手を掴まれた。
「え……?」
抵抗されると思ってなかったあたしは一瞬、ひるむけどゆめの顔を見てさらに驚いた。
想定外の事にゆめはすごい冷めた顔をしてあたしを見つめていた。
「……やめた」
「え? な、なんで?」
しかも、いきなり不機嫌そうにそんなことを言われるもんだからさらに意味が分からなくてどぎまぎとしたままとりあえず体を離す。
「…………ひかりのことを思い出すからやだ」
「あー……なるほど、ね」
確かにそれをゆめに言われると弱い。ゆめには本物のお姉さんがいて、その……複雑な関係だから。
「うー、可愛かったのにぃ。ねぇ、またそのうちしてよー」
「……やだ」
未練がましくいうあたしをゆめはあっさりと切り捨てる。それは悲しかったんだけど
「……大体私は彩音の妹じゃなくて恋人」
当然のようにそう言ってくれるゆめが可愛くて、
「そだね」
とあたしはゆめを抱きしめていた。
(……妹設定意外で今度なんかやってもらおう)
そんな邪なことを考えながら。