「……ん、あむ……ちゅ」
熱い。
「ん、んむ……ちゅ、くちゅ、ぱ」
触れ合う舌先が、絡めた指が、重ねる体が、高ぶる心が。
「ふぅ、ん…くちゅ、美咲」
「ん、あ…ちゅぷ……彩音」
熱く、熱く、始まりの口づけを交わしたあたしたちは、火照った頬と、濡れる瞳で見つめあう。
「彩音」
美咲は指をほどいてあたしの頬に手を添える。
そのまま、頬から首へ、鎖骨へ、胸元へ、そしてパジャマのボタンに手をかけた。
「あ、もう。めずらしくせっかちだね」
「だって、彩音のこと早く感じたいから」
美咲はさっきから、ううん多分図書館でのキスで怒ったときからの幸せそうな表情であたしのパジャマのボタンを一つずつ外していった。
前がはだけて、火照った体に外気が心地いい。
「今度は彩音から」
美咲にボタンをはずしてもらったあたしは、それを脱いでベッドの下に落とすと美咲は情熱的な瞳でそう訴えてきた。
「うん」
あたしは言われるまま美咲のパジャマを脱がす。
「あ、ちょっと」
美咲が上だけだったのに対しあたしはズボンのほうまで手をかけると美咲はちょっと焦ったような怒ったような声を上げる。
「あたしのこと直接感じたいんでしょ?」
「……まったく」
否定でも肯定でもない言葉を聞いてあたしは美咲を脱がすと、自然と美咲もあたしに手を伸ばしてきて、あたしも美咲も下着姿になる。
「……ん」
そして、何も言わないでもお互い何を望んでいるかをわかるあたしたちは、再び体を重ねてキスをする。
「……………」
さっきの激しいキスとは違う。
大好きな人の香りを、ぬくもりを、心を感じるための長いキス。
「………………はぁ」
そのキスを終えるとどちらともなく熱のこもった息を吐いて、またお互いに見つめあった。
ゆめじゃ絶対にできない色香を醸し出す美咲は艶っぽい表情であたしを見つめてる。
「……ね、彩音」
「あ、うん。何」
美咲は両手をあたしの首に回して引き寄せるような体勢を取るけれど、実際に引き寄せたりはせずさっきと同じ瞳を向けてくる。
「今日は、彩音にしてほしい」
「…………うん」
なんとなく、こんなこと言われるんじゃないかって思ってた。あの時と、ゆめの従姉妹のそらちゃんとのデートの日と同じ雰囲気があったから。
「じゃ……」
美咲が少しだけ首に回した腕に力をかけてきて、あたしはそのまま美咲の体に落ちる。
そして、
ちゅ!
「ぁん、彩音」
多分予想外のところにキスをされた美咲は小さく声をあげた。
「ちゅ、ちゅぅう……ちゅ」
あたしは、美咲の胸元に口づけをしていた。
「あぁっ……もぅ、ん、なに、よ……はぁ」
唇でも、頬でも、胸でもない中途半端な場所への口づけに美咲は不満ではないんだろうけど、もどかしそうな声を上げる。
「印」
「は?」
「美咲があたしのものだっていう印をつけてあげてるの」
言いながらあたしは少しだけ体を離して美咲に見えるように【美咲の印】を愛おしそうに撫でた。
「……馬鹿ね。こんなことしなくたって、私はあんたのものよ」
言葉じゃこんなだけど美咲は今日一番嬉しそうな顔をした。
「知ってる」
あたしはそう短く答えもう一度美咲に印をつけだした。
「ちゅぅう……ちゅ、ちゅ!」
印をつけながらあたしは、美咲のブラをめくりあげ、そのまま表面を撫でるようにさわりだす。
「んっ! ちょ、ちょっと。ちゃ、ちゃんと外しなさいよ」
「こっちのほうが好きなの」
いいながら、あたしは一旦体を離すと、美咲の姿を見つめる。
美咲のツヤのある肌に、ふくよかで張りのある胸、サクランボのように可愛い乳首。それにめくれたレースのブラ。
(……たまんない)
「……じろじろ見てんじゃないわよ、変態」
「む、そっちが誘惑してんの。そんなこと言うやつには、こうだ」
ニヤっと笑いながら、あたしは美咲の胸に指を沈み込ませていく。最初は優しく、それから徐々に激しさを込めて。
「あ、ん……ぅああ、あはぁ……は…ぁ」
次第に美咲の悩ましい声が聞こえてきて、それを嬉しく感じたあたしは次の行動に移る。
「ん……れろ、ちゅ、ちゅぱ」
印にもう一度キスをしてから徐々に口づけを上に上げていって、首筋にキスをしながら手では美咲のふくよかな山の頂点をつまんで二本の指で弄んだ。
「っは、あぁ、彩音……あやねぇ」
熱のこもるせつなげな声にあたしは美咲が何を求めてるのか悟って、少しだけ体を離す。それからもどかしさを感じながら、自分のブラを外して、また美咲と体を重ねた。
「ん、ちゅ」
そのまま今度は、ちゃんと唇と唇でキスをする。
「ん、はあ……ちゅ、ぁ……ぅぅむ」
美咲の舌をあたしのほうに引き込んであたしたちは激しく舌を絡ませ合う。
「はあ……は、い、いぃ……ん、はあ」
さらに体を美咲にこすり付けると、ぐにぐにとあたしの体重で重なり合った胸がこすれ合ってそこからじりじりとした熱さと快感が広がっていく。
「……ん、っ……んっ、んっ」
そこにあたしは間髪入れず、いつも美咲にされる時をマネして美咲に唾液を流し込んだ。
「んっ!? …っ……ん」
美咲はそうされるのが予想外だったのか、飲んではくれたものの、準備ができてなかった最初ほうが口の端から溢れていった。
「あ、もうっ。いつもあたしに飲めっていうくせに」
「い、いきなりするからでしょ」
「いつもあんただっていきなりじゃん。大体あたしは今日のジュースだってちゃんと飲んだし」
「…………っ〜〜」
美咲が怒りながらも悔しそうな顔をする。
(……可愛い)
普段はほとんどこんな顔してくれないけど、それだけにたまに見せてくれるこういう顔は本当に魅力的。
そんな美咲にあたしは、欲を掻き立てられる。
もっとかわいい美咲を見たい、もっと美咲を感じさせてあげたい。もっと美咲にあたしを感じてほしい。
(……もっと)
「はむ、ちゅぅ……」
「はん! あや、ねぇ」
あたしはそんな欲望のままに美咲の乳首に吸い付いた。もう片方にも手を伸ばす。
「……ちゅぅ、はむ」
吸って、甘く噛んで、
「ふぁ、あは、きもち、い。ん、はぁ、あ」
揉んで、摘まんで、こすって
「れろ、ちゅ、くちゅ、ちゅ」
固くなった乳首を舌先で転がす。
くちゅ、ちゅく、ちゅ、ちゅぷ、
舌で撫でるとはっきりと抵抗を感じる美咲のピンク色のつぼみ。それは美咲があたしを感じてくれる証でもあって、あたしはそれが嬉しくてもっと責めを激しくした。
「あぁ、あぁん、はああ……胸だけ、そんな、はげし」
「ふふ……じゃ、こっちもする?」
「え、……え?」
責めながらもちゃんと美咲の言葉を聞いていたあたしは、その言葉に敏感に反応して胸に当てた手をゆっくりと下げていく、
チュク。
「ぁん!」
目的の場所にたどり着くと、さっそく湿った感触と官能的な音に迎えられた。
「わ、思ったより感じてる? ショーツの上からこんなんて」
言いながらあたしは布の上から軽くそこを刺激する。
「……っ、う、うるさい! あ、あんたのせいでしょ」
普段の美咲からは考えられないような可愛い態度。ほんとたまらなく、もっとって思っちゃう。
「別に悪いなんていってないよ。あたしでこんなに感じてくれてるってことでしょ? むしろ嬉しい。もっと感じていいよ?」
「………ばか」
「はいはい」
ショーツに指をかけて、美咲の膝を通過させる。でも、決して脱がせしないで足首にひっかけたままあたしはもう一度指をもどして、今度は直接触った。
「ふ、っあ、あぁあ」
指に生温かくて、トロッとした露が絡みついてあたしはなめらかになった指で美咲のそこを撫でるように刺激する。
「んっ、は………ぁ」
さっきあたしにからかわれたのが気に障ったのか、美咲は意地を張ったような顔で声を抑えていた。
ちゅく、ちゅぷ。
「ん、……ふ……ん」
ちょっと指の動きを強めても美咲の反応に変わりはない。
(……これは、これで可愛いんだけど)
せっかくめずらしくこっちが主導権握ってるんだし。
あたしは、あることを思いついて指でいじるのはそのままに顔と顔を近づけた。すぐにキスでもできそうな距離だけど、近づけるだけで何もしない。
「は、あ、な、なによ」
「ん? 美咲の可愛い顔がもっとみたいなって思って」
「な、に、ぁ、む……ん、いって」
こんな近くで見られてるっていうことであえて美咲の羞恥心をあおる。
「気にしない、気にしない。ほぉら」
二本の指で美咲の秘部を広げ
「あっ……」
指を中にすべり込ませる。
「っ!!」
熱く締め付けてくる美咲の膣壁を軽くくすぐるようにこする。
「……はぁ、…あ、っ……」
けど、美咲はあたしが何を望んでるのかわかっちゃってるのか余計に声を抑えてるみたい。
(逆効果、だったかな?)
美咲がこんな風に好きにされるなんてめったにないから調子乗っちゃったけど、そもそも美咲はあたしに弱みを見せるのが嫌いだし、意地になってるのかも。
(でも、だからこそ余計に、ね)
感じてるのはあたしの手がさっきより濡れてきてるのでわかってるし。
あたしは親指を伸ばして美咲のクリトリスにこする。
「ん、ふ、ぁ……ぁふぅん、あ、やね」
(ふふふふ)
美咲の声がちょっとずつ漏れ始めてきた。感じるところを二つ一遍に責められてるんだから当然かもしれないけど。
「っは、あ、あや、ね……あやね……ああ」
(っていうか、やば、これ……思ったより)
美咲の声が漏れ始めてるのに比例してあたしは、体の奥が熱くなってるのを感じていた。さっき美咲をからかったりなんかしたけど、人のこと言えないかも。そのくらい今の美咲可愛いんだもん。
「はぁ、あ……ま、って」
「えー、なに今更」
「……っは、ぁ……アレ、しよ」
美咲にして欲しいといわれてたこともあって何を言われても、最初の一回はやめる気はなかったけど美咲のおねだりが偶然なのか、秘めようとしていたあたしの願望をつく。
幸せそうに蕩けた顔をした美咲が望んできたもの、それが何かをあたしはもちろんわかってる。
「いい、けど、大丈夫? あたし……その、しちゃったら途中でやめられないかもよ?」
今、そんなことをしだしたら、どう考えても美咲のほうが先に達しちゃう。今なら大丈夫だけど、しはじめめちゃったら多分、やめられない。美咲のこと、苦しめちゃうかもしれない。
「いいの。……もっと……もっともっと彩音のこと感じたいから。一緒に、なりたいから」
「美咲………」
心も体も熱くさせてくれる美咲の気持ち。あたしは、なによりそれに応えたいって思った。
「ん。わかった」
あたしは短く答えて、体を起こすとショーツを脱いで美咲の片足を抱えた。
「は、あぁ…彩音」
「ん、ふぁ、美咲」
自然にお互い相手の名前を呼ぶ、そしてあたしは広げた美咲の足の間に自分の足を潜り込ませた。
くちゅり、
そして、あたしと美咲の秘部が重なる。
暖かくて、とろとろしたえっちな蜜が二人の太ももを濡らす。でも、そんなのは序の口に過ぎない。
「彩音……」
「美咲……」
あたしたちは、幸せそうにお互いを呼んで
『はぁ、っん、ふ、ああ』
腰を動かし始めた。
あたしは美咲の足を抱えたまま、押し付けるように。美咲は上になってるあたしの動きに合わせるように秘部を擦りあわせる。
「んは、あぁぅ! はあ、すご、……こんな、に…はぁぁあ」
「美咲……っ、美咲っ……うぁ、ああ」
「あぁ、彩音、そう、もっと……だいじょぶ、だから、もっとして」
「ん、ふふふ、美咲がそんな、ぁああ、こと、言うなんて、ね」
「う、うるさい、っはああ、あんたがさせてる、の、よ……」
「は、い、はい……じゃ、はぁ、これは、どう」
くちゅぅ、ちゅぷっ、にゅちゅ…ぢゅぷ!
あたしは、ちょっと角度を変えながら動きを激しくさせる。
「ふああ、そん、な……っ、っあ」
「ふ、ふふ、気持ち、いい?」
「……っ、ぁ……あ、ぁあ」
美咲の声に余裕がなくなってる、さっき責められてたのあって、やっぱりもう限界が近いみたい。
かくいうあたしも、正直全然余裕なんかない。美咲を感じさせようとするあたしが動くことであたしのあそこもこすれて、びりびりと頭が真っ白になっちゃうような快感が体中を駆け廻ってる。
「い、いぃ。あっ……あぁつ。あ、彩音は……?」
「うん、あたしもすっごく、気持ちいい。はっ、はぁ、それに……幸せ」
「わ、たしも、……最高に、っああ、幸せ、よ」
『ああん、っ、ふ、ああぁ、あっ』
ぐちゅ、ぬちゅ……ちゅぶ……じゅぷ!
激しい動きに粘着質のあるエッチな音が響いて、とめどなく甘い蜜があふれていく。
「はあ、ああ、彩音、彩音……あやねぇ!」
美咲の声がすごく切なくなってる。本当にもう、限界みたい。
「まっ、ってあたしも、……ふぁあ、っ、もう、すぐ、だから」
やっぱり一緒がいい。一緒になって、一つに溶け合いたい。
「っああ、ああぁあ、くぅ、ん……あや、ねぇ」
手さぐりにあたしの探す美咲の手に手を伸ばし、美咲がぎゅっとその手を握ってくる。
それが、あたしを一気に高まらせた。
「んぁあ! 美咲、あたし、……はあぁんぅ、あたし、も…イっちゃい、そ」
「わたしも、もう、来る! きちゃ、ぅ! ああぁあ」
「みさき! ああぁあ、んぅっ……はぁ」
「あやね! あやねぇ、ああ、あやねぇ!」
はじける。頭の中に真っ白な閃光が走って、美咲のこと以外何も考えられなくなる。
体がゾクゾクして、ふわふわして、天国にでもいるような気分。幸せすぎる、濃密な時間。一瞬なのか、ずっと続いてるのかわからない。でも、たしかにここにある幸せ。
「あやね! ………あやねぇ!」
「みさき! ………みさきぃ!」
そんな幸せを噛みしめながら
『ぁ、ああ、ふぁあ、んっ……はあああぁあん!』
あたしたちは二人で一番高いところへのぼりつめていった。