夕暮れから夜へと変わっていく時間。

 部屋の中は徐々に夕焼けの赤から、夜の黒へと変わっていく。ベッドの、テレビも、鏡身台も、テレビも、机も……そして、ベッド脇に脱ぎ散らかされた服も。

「ふふ、ときなって意外に下着は子供っぽいんだ」

 散らかされた服の主である絵梨子が、同じく散らばっている服の持ち主であるときなベッドの上で覆いかぶさりながら楽しそうに言う。

「今日は…たまたま、です」

「ふーん。じゃ、もっと大人っぽいのも持ってるの?」

「それは……」

 絵梨子の言葉通り、子供っぽいというよりはあまり飾り気のない機能を果たすだけの青の下着をつけたときなは絵梨子の姿を見て口を閉ざす。

 絵梨子は裸体にある黒いブラとショーツはときなが今まで興味を持つことすらなかったような大人な雰囲気をかもし出していて、色気よりも可愛いものと感じたものしかもっていないときなは自分が絵梨子に比べてあまりに子供な気がして言葉が出なかった。

「ごめん、いじわるしちゃった? でも、いいわよね。いつもときなの方が私にいじわるするんだから」

「それと、これとは話が別です……」

 二人の関係は普段とは逆転していた。いつもは言葉の通りときなが常に余裕を持って絵梨子に接しているが今ときなは、下着だけという不安になる姿で絵梨子の言葉の一つ一つに頬を赤らめていく。

「でも、もっといじわるしちゃう。ちゅ……」

「え、あ!?」

 絵梨子はいきなりときなのほっそりとした首筋に口付けをすると背中に手を回してブラのホックをはずしあっさりと取り去ってしまった。

「ときなのおっぱい、可愛いよ」

「じ、じろじろ見ないでください」

「いいじゃない、こーんなに可愛いんだから。ほらっ」

「あ、んっ!」

「どう? おっぱい揉まれるのは初めて?」

「は、ん……や」

「ほらほら、教えて、チュ」

 いつもと逆の立場になっているのが楽しいのか絵梨子は終始いたずらっぽく笑って、今もときなの胸を優しく揉み解しながら、鎖骨や首にキスするのをやめない。

「お風呂とかで、触られたりはしましたけど……こんな風なのは……ぁん、初めて、です」

 未知の感覚に揺さぶられてしまっているのだろう、ときなは時折甘い嬌声を発しながら律儀に絵梨子の問いに答えていく。

「そっか。じゃ、こういうのも初めてに決まってるわよね」

「え……? ひゃん!」

 ときなが翻弄されている間にも絵梨子はさらにときなを惑わすため、いきなりときなのぷるんとした乳房に吸い付き、その天辺にある桜色のつぼみに口をつけた。

「んむ、ちゅ……ぱ、くちゅ」

「はぁ、ぁ、ん、せん、せい……ひぁ」

「ふふふ、じゃ、次は……」

「は、……ぁ?」

 絵梨子はれろーっと乳首から乳房、腹部、へそを舐めながらだんだんと下へと向かっていく。

「ひゃ…ぅ、ん、ん……あぁ」

 ときなはそのくすぐったくももどかしい感覚に心を揺さぶられ意味にならない声を発してしまう。

 そして、

「あ、え……!?」

 絵梨子の舌がソコに到達するとときなは心底驚いたような声をあげるが、

「あ、ちょ、っと……」

 パンツのゴムが引っ張られるのを感じてそれどころではなくなってしまう。

 覚悟はしていたのかもしれないが、まさかこんなにも簡単にされるとは思ってなく抵抗する間もなくパンツはふとももを通り、膝を通り、足首に引っ掛けられてしまった。

「ん……ふぅ……あ、せ、先生?」

 全身が外気にさらされる冷たさにブルルと体を震わせたが、絵梨子が自分の股間へと顔を近づけているのが見えて不安そうに声を上げた。

「そ、そんなとこ、舐めるん、ですか?」

「やだ?」

「やだ、っていうか……恥ずかしい、です」

 さきほどから赤かった顔をさらに羞恥に染め上げるのがわかってときなは顔を覆いたくもなったが、同時に心に少しだけ絵梨子にされること興味があって絵梨子がから潤んだ瞳をはずせなかった。

「大丈夫よ、今日は全部私に甘えていいんだから。…………ちゅる」

「あぁ、ん! みゃ、あぁ……」

 絵梨子は長い指でときなのソコをわずかに開くと舌をねっとりと舐った。

(アソコが、先生に……舐められてる……)

 死んでしまうくらいに恥ずかしかったが、嫌悪感はなくただ暖かな絵梨子の舌が強弱をつけながら、自分のソコを舐め、吸い、啜る感覚に体をたゆたわせた。

「ああ、ふ……こ、れ…ん……」

「気持ちいい?」

「よく、わから、ないです……あ、ふ……なんか、くすぐったくて、みぃ…あ…熱くて、へ、んな気分です」

「……んちゅ、くちゅ。……っは。感じてくれてるんだ、嬉しい。ちゅ……」

「っ、はぁ……へ、ん……ひぁあ。せ、先生……?」

「ん? 何? はむ……」

「先生って、初めてじゃない、ですよね……あぁあ」

 頭をくらくらさせるような刺激の中、ときなはベッドに寝かされてからずっと心の隅にあった疑問をぶつけた。

「わかる?」

「あたり、前、じゃないですか。こんな、手馴れた感じで……はっ、は、あ」

「気にしてくれるの? じゅる、ちゅぷ」

 会話をしながらも絵梨子はときなを愛撫することをやめない。舌だけでなくときには指も織り交ぜてときなへ初めての快感を送り込んでいく。

「っ、ん。とうぜん、ですっ…私は、初めてなのに、先生がそうじゃなければ、気にするにきまってるじゃないです……かぁっ、んっ! ひぃ……ぁ!」

 言葉の途中だったが、いきなり絵梨子の舌がいつのまにか固く尖った豆をなぞって大きな声を上げさせられてしまった。

「……っ、嘘、ついたら、ダメ、ですからね……」

 それでも、聞きたくないのに聞きたいという気持ちが最後まで言葉を続けさせた。

「……うん。ときなは、二人目」

 と、それまで常にときなをからかうようにしながらも真剣に愛していた絵梨子の愛撫が止まる。

「初めては、大学生のとき。児童演劇の後輩と、ときなとは違う感じの美人だったよ」

「そ、こまで、聞いてません」

 気にはなったのに、それ以上の情報なんて聞きたいわけもなかった。その人が初めてということは、こういうことをしたのでありそれに嫉妬をしてしまうから。まして、情報が多ければその分いやな想像がもっと嫌になる。

「その人、とは……今、どうして、るんですか?」

 しかし、もうここまで聞いてしまった以上、知りたいという気持ちを抑えることができない。

「……別れたよ」

 それまで会話をしながらも愛撫をやめなかった絵梨子が顔を上げてときなを見た。

 その表情に嘘がないように思えたが、一つ疑問が解決すれば次の疑問が生まれてくる。

「どうして、ですか?」

「……………」

 絵梨子はしばらく考えこむような素振りを見せたが、

「内緒」

 ちゅぅ。

 含むようにそういうとまた愛撫を再会した。

「あっ、ひゃ……あぁ、ん、ん、は……ぁん!」

 勃起したクリトリスを舐められ、膣周辺を指で弄繰り回される。

「ひぃ、あ…これ、な、に……や、ら、め……あつい、熱くて……へ、んな、気持ち」

 絵梨子の一つ一つの動作がときなの性感を揺さぶり、それが体を突きぬけ頭の中をショートさせていく。

「ん、……ちゅ、はむ…にゅぷ。はぁ。ときな、今、私はときなのことが好き。それじゃ、だめ? ん、ちゅ」

「そういう、言い方は…ひきょう、はぁん! で、す、んっ!」

「ごめん、ね。お詫びに、いっぱい愛したげる」

 ちゅうぅぅ。

 クリトリスを口に含まれたまま吸われ、

 くちゅぐちゅ。

 透明な液体の溢れてきた膣口の入り口をくすぐるように指で責められる。

「ときなのここ、ぬるぬるしてきたよ……」

 音を聞けばわかるのにわざわざ絵梨子はそれを口にしてときなの羞恥を誘う。

「そ、んな、こと、言わないで……んふぅ…くだ、っは、は、さい」

 もうこれ以上赤くなれないほどにときなは頬を染まっているが、体の中はそれでもどんどんと熱くなっていく。

「ん、ふぁ…あ、ぁ…あ、や、はっ。せ、ん、せ……はぁ…あ」

 少しの間ときなの甘い嬌声と、絵梨子がときなを悦楽させる音だけが響いていたが、それは唐突に終わりを告げた。

「や、あ、っ……! ぁ、んっ!」

 ときなが短く甲高い声を上げたかと思うと腰を浮かして、わずかにびくびくと体を痙攣させた。

「っ! ときな?」

「っはー、はぁ……はー」

 くたーっと体の力が抜けたときなが大きく息を吸ってははくのを繰り返してるのを見て絵梨子はときなに何が起こったのかを確信した。

「軽くイっちゃったみたいね」

「イ、ク……? …これ、が……?」

 その言葉の意味はわかるが、今自分の体に訪れた感覚がそうであるのか、頭にピンク色の靄がかかったような状態のときなにはわからず、今は息を整えることでせいいっぱいだった。

「どんな感じだった?」

「っは、よく、わからない、はぁ、です。なんだか、先生にされてるところが、すごく熱くなって、ビリビリしびれるような気がして……なんか、気づいたら、飛んじゃった、んです」

「でも、こんなに早く達しちゃうなんて、そんなに気持ちよかった?」

「それも、よく、わからない、です。……けど、そう、なのか、な。あれが、【気持ちいい】……?」

「んふ、ときな、可愛い」

 ゆっくりと体の興奮を鎮めるときなに絵梨子は体を抱き寄せると、熱の冷めないときなの頬に軽く口付けをした。

「はぁ……はぁ……」

 ときなは愛しい人に抱かれその熱を感じながら幸せな気分に浸る。

「せん、せぇ……」

「ん? どうしたのとき、なっ!?」

 甘く心地いい感覚に浸っていた二人だったが、ときながチョコレートのように甘い声を上げると、おもむろに絵梨子の唇を奪った。

「んちゅ、くちゅ、はむ……ピチュ」

 淫靡に舌を絡ませあう音が二人の体に直接響く。

 ベッドに上がる前にしたものよりもねっとりと熱くお互いをむさぼる二人。

『ん、……はぁ……』

 唇が離れて、キラキラとした銀糸が二人繋ぐ。その光景は二人にとってあまりに扇情的すぎて、絵梨子はその糸を指に絡みつけると自らの舌で軽く舐め取ったあと、ときなの口元にそれをもっていった。

「はむ、れろ……チュプ」

 ときなはその指に吸い付くと二人の唾液が混ざった指を丹念に舐める。

「ん、んん。これ、ちょっといいかも……」

 その感覚が心地いいのか絵梨子は嬉しそうに体を震わせた。

「ときな」

 ちゅぽん、と音を立てて指を引き抜いた絵梨子は再度ときなに覆いかぶさろうとする。

 が、

「先生、ま、って」

 ときなが絵梨子の両肩をつかんでそれを制する。

「ん? とき、な……っ」

 ときなはそのまま体を入れ替えると逆に絵梨子の上に覆いかぶさった。

「今度は、私が、先生に。したい、です。私ばっかりなんて……」

 初めての行為でその恥ずかしさは人生でも最高であろう。ときなは潤む瞳をそらしたいという想いに駆られながらも、それに耐えて絵梨子を見つめながらそういった。

 絵梨子にはその姿が愛しくてたまらない。

「えぇ、お願い」

「……はい」

 絵梨子はそうしてときなへ身をゆだねるとときなはまず、黒のブラジャーに手をかけるとそれをはずして乳房をさらさせた。

「っは、先生の……胸」

 わずかな逡巡のあと両手でそれに触れるとぎこちなく手を動かし始める。

「ん、ふ……ときな、もっと、強くしても、いいわよ」

「……はい」

「っは、ん、ときな……いい」

「せんせい……ん、ちゅ」

 絵梨子にほめられたのが嬉しかったのか、ときなは手をそのままに胸に顔を近づけるとツンと上を向いている乳首を口に含んだ。

「にゅちゅ……はむ、ぺろ……」

「ときな、……ときなっ、いい、上手……気持ちいいわよ、…もっと」

「んちゅ……ぷ、あむ……はむ」

「そう、もう少し優しく噛んでみて……ん、んはぁ! ん、そう…ときなぁ」

(先生、気持ちよさそう……)

 ときなの舌の動きも手の動きも固さはとれないが、その初々しさが逆に絵梨子の感覚を刺激して心を高めさせた。

「ふふ、先生。生徒にこんなことされて感じるなんて、恥ずかしくないんですか?」

 絵梨子が気持ちよさそうにしているというのがときなの余裕を回復したのか、普段のようにからかうような口調で絵梨子を煽る。

「生徒だからじゃない、ときなだからいいのよ」

「同じですよ、私は生徒なんですから。はむ……」

 そういうとときなはまた絵梨子の胸へと口付ける。

「っは、ときなぁ…あ、ん、っは」

「胸だけでそんなに気持ちいいんですか? 先生ってエッチなんですね」

 甘く甲高い声を上げる絵梨子を行為だけでなく言葉でも責め立てていく。

 しかし、ときなも所詮は子供。

 一時的に余裕を持っていたとしてもそれは咄嗟に固めたメッキのようなもの。

「ん、……もぅ。えい」

「あっ! ひゃん!」

 絵梨子の膝がときなの熟した部分をなぞるとときなは衝撃に声を上げてしまった。

「ときなこそ、ちょっとなぞられただけでそんな声だしちゃって、エッチ」

「今のは……その、急にだったから」

「じゃ、これは。ほらほら」

 絵梨子は膝をぐいぐいと押し付けてくる。

「あっ……ん。は、だ、ダメ……」

 さっき軽い絶頂に達してしまったばかりのときなはそれにまだくすぶっていた情欲に火を付けられてしまう。

「ほら、気持ちいいでしょう?」

「っ、は……ぁ…ん」

「気持ちいいって言ってくれないとやめちゃうわよ?」

「っ……いじ、わる…は、あ」

(だ、ダメ。このままじゃ、また先生にされちゃう……。私だって先生にしたい、のに)

「っ、せんせい……ちゅぶ」

 ときなは覆いかぶさった体勢のまま絵梨子の膝から逃れると強引に唇を押し当てる。

「チュク……ちゅ、ちゅぷ……くちゃ」

 舌で縦横無尽に絵梨子の中を舐った。

「っぷ、は……どうしたのときな、そんなに必死になって」

 その意地の張りように絵梨子は楽しそうにときなをからかう。

「……先生が、いじわるだからです」

「そう? じゃ、もっといじわるなことしてあげる」

「え? あっ」

 何? と頭で疑問に思った瞬間絵梨子は体を入れ替えときなを組み敷くと、先ほどまで膝でなぞっていた部分に指を当てる。

 まずは肉芽を摘み、首筋に熱烈なキスをする。

「あっひゃ……ふぁん、や、それ……それっ! だめぇ……」

「さっきイッたばかりだから感じすぎちゃう? でも、やめてあげない。今度はもっとちゃんとイカセてあげるんだから」

「だ、だめ……せんせぇ……だめ、です」

「とき、な?」

 あまりにときなが切実な声を出したので絵梨子は若干不安になりながら、指の動きを止めた。

「な、何? もしかして、……やだ?」

「いやじゃないけど、ダメです……」

「どうして?」

「私も、先生に……したいんです。……私だって、先生のこと……好きなんだから。ちゃんと、愛したい、んです」

「ときな……」

 恥ずかしそうに愛を紡ぐときなに絵梨子は心の底から嬉しそうにときなの名前を呼んだ。

 そして、上になっていた体勢を横へと倒すとショーツを脱ぎ捨てる。

「じゃあ、ときな、一緒にしよ? それならいいでしょ?」

 言いながらときなは手を取られ絵梨子の下半身へと導かれる。

「ほら、触ってみて」

「あ……」

「どう?」

「柔らかい、それに、熱いです。先生も……濡れてるんですね」

「さっきときなにしてもらったから。それにときなが私で気持ちよくなってるって思うとこっちまで感じちゃうのよ」

「そういうもの、なんですか……」

 ときなは絵梨子のソコに触れたまま、どうすればいいのかわからずためらいがちに指をもぞもぞと動かす。

「あ、え、っと……」

 それから、これから口にすることがあまりにも恥ずかしくて視線をはずした。

「……さっき、あんなこと言いましたけど……その、どうすれば、いいのか、よく、わからなくて……」

「っふふ、ときな、かぁわいい。大丈夫、一緒にしようっていったでしょ」

 幸せそうに言うと絵梨子も自分が触れられている場所と同じところに手を伸ばす。

「ほら、私がときなにするのと同じように動かしてみて」

「こう、ですか?」

 クニクニ、

 まずは指全体を使ってマッサージするように優しい刺激。

「んっ、そう。次は……」

 それから、中指と薬指で孔の入り口を強く押すようにしながら親指でクリトリスをこする。

「はっ、ぅ……はぁ……あふぅ」

「は、いぃ。ときな……すごい……ほんとに……一緒……ぁあん」

 くちゅじゅく、クチャ

 すでにこれ以上ないほどに濡れてしまっている二人のソコは互いの指が刺激しあうたびに粘着質のある音を立て二人の興 奮をいやがうえに高めていく。

「さっき…と、ひゃあん、ちが、う……せんせぇ…わた、し、変になっちゃ、う」

「ちゅぷ、じゅ……はぁ、そんなに、気持ちいい? ん」

「っは、はい……いい、です。気持ち、いい……」

「やっと言ってくれた。じゃあ、飛ばせてあげちゃう………」

「っあ、え……え? はん!」

 その一言を境に絵梨子の動きが変わる。

 体を密着させられ、胸のふくらみをこすり合わせながら、唇では激しくキスを交わし、指の動きは激しさを増す。

「っ……あむ、…じゅぷ…はっ、はああ、せん、…せぇ…ん」

 ときなの中に閃光が飛び散る。それは体のいたるところでおき、真っ白な花火が一つ上がるたびにその余波が体中を駆け巡ってまた爆発を起こさせる。

「っ…は…っ、やぁ、おか、しく…な、んんう…おかしく、なるぅ……はぁあん!」

 その連鎖は止まることなく、だんだんその快感と熱が疼きを放つ体に溜まっていき精神を今までにない高みへと上らせていく。

「き、ちゃ、う……なにか、きちゃ……ふぅぁあん! せ、せんせい、せんせぇ!」

「いいわよ。イって、ほら」

「だめ、なのにぃ……せんせいに…した、いのに…はぁん」

 口では抵抗を見せるがときなの指は先ほどから動くことはなく、絵梨子の激しい刺激に体と心を揺さぶられるだけだった。

「っ…はぁ……っんは! はぁ、ん」

 それでも絵梨子をしたいという気持ちが最後の砦となって耐えていたがそれも、絵梨子から伝わる快感の波に限界を迎えようとしていた。

「も、ぅ……だ、めぇえ……あぁああん。っは……ん。っは。はーはぁ」

 絵梨子に抱かれながらときなは絶頂を迎え、そのまま激しく息を整える。そして、体の火照りがおさまっていくといじけたように口を開いた。

「はぁ…はー。……ずるい、です。一緒に、っていったじゃないですか」

「ごめんごめん。ときながあんまり可愛かったから」

「……そういう言い方がずるいんです」

「ふふ、一緒にするのはまた今度、ね」

 年上らしく微笑む絵梨子。

「…………はい」

 それに年下らしく甘えるような声で答えるの愛おしくて絵梨子はときな優しく抱きしめた。

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