はるかのお話はこれでおしまいです。
なんだかんだで一年半以上続いてきてたんですね。ここまではるか達を愛してくださり本当にありがとうございます。ここまで考えてはあったものの、ここまでこれるとは思っていませんでした。
いばらの森。物語においてこういう表現は安易でありきたりなものだし、このHPのほかの作品でもそんな言葉を使ってしまってましたけど、麻理子にとってはこれが一番だと思えたのであえて評しました。
人は絶対に自分を守ってしまう。まともな状態であればそれは、反射のようなもので自分ではどうしようもないものです。麻理子はずっと怯えてました。
保健室という自分のお城に閉じこもり、向かってくる相手をその茨でさえぎって。
はるかはそんなところに偶然やってきただけ。麻理子にとっては本当にはるかは偶然の存在でした。はるかがよかったわけじゃない。
でも、半ば自暴自棄になっていた麻理子に偶然訪ずれた運命の女神でした。
麻理子ははじめ本気ではなかったです。(まぁ、それだと最初の麻理子の態度に色々違和感が出てきてしまいますが……wいつから本気だったのかといわれると……私もはっきりとはわからないですけど、麻理子は想われるのを恐れながらも心の底では望んでいました。はるかが麻理子を想っているというのを感じ、自覚のない期待をしていったのかもしれません。
でも、好きと想ってしまったら今度は怖くなった。誰だって、相手が本当に自分を好きかと確かめようはない。それは普通の恋人でも一緒です。しかも、麻理子は普通じゃなかった。確実に自分を追い込む要素を持っていました。麻理子が言っていたように、仲のいい相手が目の前で血を吐いたりなんかすれば絶対に心配します。その心配を重荷には思わなくても、心配させているということが麻理子の心にのしかかっていきました。クラス全員分、彩葉の分。麻理子はその重みに耐え切れず深く闇へと潜っていきました。
それは麻理子にとって自分を守る行為にしか思えなかった。その自覚がさらに自分を追い詰めていってしまった。
そして、麻理子が選んだのははるかを突き放すことでした。傷が浅いうちに、また不安が絶対に現実にならないように何も知らないはるかと別れる。本気で好きだから、嫌われたくなかった。矛盾しているようですけど、嫌われないために嫌われようとしたんですね。
その目論見は成功したように思えましたけど、完全に非情にもなれなかったし、彩葉は麻理子にとって予想外のことをした。
そして、目の前にはるかが現れてもう嘘がつけなくなった。
あとは、はるかの力でした。はるかの想いでした。いばらに傷ついても、お姫様に突き放されても、はるかはお姫様が好きでした。痛くても辛くても、その手を取った。本編でも言いましたけど、麻理子はずっと助けてもらいたかった。拒絶する心の裏で助けてと叫んでいたから世界に入ってきてくれるはるかの手を取れた。
めでたし、めでたしというわけです。
まぁ、はるかは本当にこれからずっと麻理子を支えていく覚悟があるの? といわれたらわからないのですが、それを言うのは無粋ですし、それは別に相手が病気? を持っていようがいまいが一緒です。その時の気持ちは本当だと自分で確かめていくしかないです。それを二人で確かめ合えればなおさらよいですね。
最後保健室から出たのは、必ずしも必要なことではなかったかもしれませんが、麻理子にとってお城を抜け出すということがとても大きなことで、それが二人の関係が変わった象徴にもなるかなと思ったので入れました。
さて、彩葉さんのことは別におまけとして乗せる予定があるのでこの辺でお別れしたいと思います。
完全に趣味で始めたこのシリーズ。それが皆様にここまで愛していただける作品になるとは思ってもいませんでした。本当に嬉しいです。このシリーズが終わってもはるかと麻理子の幸せな日々がずっと続くことを祈ってお別れの挨拶とさせていただきます。
今までありがとうございました。