「えーと、連続でS×Sの外伝の宣伝ですが、ときなと絵梨子、略してときえりの主人公、桜坂絵梨子です」

「朝比奈ときなです」

「三番目ってなんかやりづらいわよね。何言えばいいかしら」

「というより、私が気になったのは、絵梨子が主人公っていうところなんだけど」

「え? そうでしょって! え!?」

「ふふ、絵梨子どうかした?」

「やっ、ちょ、ちょっと、髪くすぐらないでよ」

「そうね。絵梨子は耳が弱いから」

「そ、そうだけど……じゃなくて!」

「さっきからどうしたの、絵梨子」

「な、なんで絵梨子、なの?」

「恋人の名前を呼ぶことの何がおかしいのかしら?」

「お、おかしくはないし、むしろ嬉しいけど……」

「嬉しいのならいいじゃない。私たちはもうすぐ、【今までとは違う関係】になるんだから」

「そ、そうよね。ときな卒業しちゃうし……」

「それだけじゃないけど」

「え!? そ、それってどういう……」

「さぁ? そんなことよりも宣伝はいいの?」

「あ、そ、そうね。宣伝……宣伝ね……」

「へたれな教師が優等生に手を出す話、かしら」

「そ、その言い方はちょっと……」

「あら? 絵梨子はへたれじゃないっていうの?」

「そ、そりゃそうじゃない。私は立派な社会人だし」

「そうね。生徒にお弁当を作らせたり、恵んでもらったり、校舎の中で道に迷ったり、大した社会人ではあるわね。立派というかは知らないけど」

「と、ときなのいじわる」

「あら? 絵梨子は私にこういう風に扱われるのが好きなのかと思ってた」

「そ、そんなことないわよ。そ、そりゃちょっと期待しちゃうこともあるけど…………」

「ほんと、へたれね」

「へ、へたれじゃないもん」

「……ふーん。じゃあ、キスしてみて」

「え!?」

「へたれじゃないんなら証明してみなさい」

「で、でも……ほ、ほら、宣伝はしなきゃいけないし……」

「こんなところじゃ【どんなものか】を紹介するよりも私たちが【どんな人間】っていうほうが大切よ。ほら、ここでキスできないと絵梨子はへたれっていうのは定着しちゃうわよ?」

「うぅ〜〜」

 ちゅ。

「こ、これでいいの」

「ほっぺ、ね。まぁ、キスしたというのは褒めてあげるわ」

「も、もう」

「それにしても……」

「え?」

「言われるままキスするなんて、先生はほんとへたれですね」

「と、ときな〜」

「こんなへたれな先生ですが、意外とかっこいいところもあるので、興味がありましたらノベル→S×S→ページ最下部の外伝2ときえりをお願いします。それでは、お読みいただきありがとうございました」

 

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