「や、だめっ!!」
夜の部屋でベッドに寝そべりながら私は悲壮な声を漏らした。
「いや、お願い……あ、ぁ……」
体が恐怖に支配されて小刻みに震えてるのがわかる。私は空いてるほうの手でギュっと必死にシーツを掴んでその恐怖に耐えようとした。
「はぁ〜〜〜、よかった……」
その恐怖の原因が一時的に遠ざかり、安堵の声を漏らす。でも、まだ全部が終ったわけじゃないから体の強張りはそのままで、背筋に嫌な汗がツーっと伝うと、「ひゃぁ」なんて少し情けない声を出して体をのけぞらせてしまった。
「えっ!? そ、そんなところから!?」
それとほぼ同時に予想外のところからの攻めが来て、私は不安と恐怖に押しつぶされ若干泣きそうになりながらも、それに耐えるしかなかった。
「や、あぁ……あ、あ……」
口からは自然と途切れ途切れに熱い吐息が漏れてしまう。
怖くてたまらないけど、私は対処のすべが何一つない、怖いのに目をそらすこともできず潤んだ瞳でそれを見つめる。
「こ、これさえ……お願いっ!」
いよいよ、最後のときが近づいていた。もう祈るしかない。私はシーツを掴む手に一層の力を込めた。
「あっ! やぁ……ぁ、いやーっ!」
しかし、私の淡い期待は露と消え、ついに私は屈してしまった。
「あ〜あ」
不満と苛立ちを隠さずに視線をテレビに向けると、今プレイしていたゲームの中でキャラが一人死んでしまっている。蒼い髪に白い肌、そんなか弱そうな、それでいてどことなくりりしい顔をしている女の子が最後の言葉を述べている。
「また、やり直しかぁ〜。はぁ〜〜〜〜」
深い落胆のため息をついていると、ベッドの置いていた携帯からメロディが流れた。すぐさま手にとって相手を確認すると
「あ、美貴からだ。わーい」
私はゲームのことなんておくびもださず、美貴からの電話に答えるのだった。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
FEをやってるとこんなこといいたくなりますよねぇ。