絵梨子はときなから取り上げたそれのキャップを取って、手にそれを出すとそのままときなの背中に当てる。

「ひゃ……」

 急な冷たさにびっくりしたのかときなはビクっと体を震わせるが、それはときなの驚きの始まりに過ぎなかった。

「つめ、たいんですね。というか、何かぬるってしてるよう、な……?」

 ときなはまだ自分がされようとしていることには気づかず、背を向けたまま絵梨子の蹂躙を許してしまう。

「ふふふ、ときな、どんな感じ?」

 ぽかんと現状を受け入れられていないときなとは異なり、普段はあまりすることのない顔をして絵梨子はめずらしくときなを前にして余裕たっぷりの様子を見せる。

「どう、といわれても……なんか、甘い香りがしますね……というか、結局これって……ひゃん!!?」

 まだ絵梨子が邪なことを抱いていることに気づいていなかったときなは、そもそも何故こんなことをされているのかとたずねようとしたが、その前に絵梨子の手が体の正面に回ってきた。

「せ、先生?」

 それも、お腹とかではない。

 絵梨子の両手が両胸に包んできた。

「やゅ……っ、ん、せん、せ、なにを……」

 しかも、触るだけではなくときなの胸を揉み解しながらときなにとっては謎の粘着質の液体を満遍なくこすり付けられていく。

「ひゃっ……んっ!!」

「ん、ちゅ……。教えてあげるっていったじゃない。こういうときに使うものなのよ」

 絵梨子は、そんなときなを楽しみながら首筋にキスをすると、もう一度ときなの胸をもみしだく。

「な、なに…はぁ、いって、るん、です、か……はぁ……んっ!!?」

 急にこんなことされているということに身を固め、振り向いて絵梨子へ、抗議というか質問をするつもりだったがその唇を奪われる。

「ちゅぷ、くちゅ……じゅく、ちゅぅう」

 情熱的に口付けを交わしながら、絵梨子はときなに体を押し付ける。

「っ、ふ……は……はぁ……せ、先生、だ、から、何、して……」

 こういう事態をまるで予想できていなかったときなは、普段絵梨子の前で見せられているような余裕は一切なく、年相応の少女の恥じらいで絵梨子に訴えかける。

(ふ、ふふふ……やっぱりこういうときのときなって可愛い)

 不安すら感じているときなとは対照的に絵梨子は、心の底からそう思う。

 いつもは常に余裕を持ち、自分よりも年上に感じることさえあると感じている絵梨子だったが、こういうとき、特に不意打ちなどではこんな風に年相応の反応をしてくれる。

 そのギャップがまたたまらなく、絵梨子は心の底からときなを可愛く感じながらぎゅっとときなの体を優しく抱きしめる。

「ふふ、だから言ったでしょ。こういうときに使うものなんだって」

「こういう、とき……?」

 少しでも考える余裕があればその答えも出たのだろうが、絵梨子は考えようとするときなの耳元に口を寄せると

エッチ、するときに使うのよ」

 と、ささやく。

「なっ!?」

 ようやく絵梨子のしようとしていることを理解したときなだが、すでに時遅かった。

「あぁ…あ、ぅ、ん……ん、あ…ひゃぅ…」

 また絵梨子が体を、胸を押し付けながらときなを胸を触る。

 ぐにぐにと左の乳房を揉みつつ、ときなが倒れないよう右手で腰を支える。

「はむ……」

 それからわざとピチャピチャと音を立てながら耳たぶを甘噛みする。

「や、せん、せぇ……ふぁ…」

「ほぉら、ぬるぬるだからこんなこともできちゃうのよ」

「え? あぁ!?」

 絵梨子はにやっと笑いながら揉んでいた手をこすりつけるようにして、胸を往復させた。

 くちゅクチュヌチュ

 耳慣れない音と共に絵梨子の手がすべりのよくなった胸を何度も何度も繰り返し刺激していく。

「あぁ……ん、ん……ふあぁ!」

「ほらほら、ほぉら」

「あぁああ、ん、ぁあ…くぅん……」

「あ、ときなの乳首どんどん固くなってきてる。ふふふ、感じてるんだ」

「あ、そ、そんな……こと」

「嘘ついてもだーめ。ほーら、つまめちゃうわよ」

「あん!」

 言葉通り絵梨子はときなの乳首を二本の指でつまむとその指をまたくにくにとこねらせる。

「あぁ、ぅ……っく、はああ」

 絵梨子が一つ行動を起すたびときなが悩ましい声を上げ、それが絵梨子の気持ちを高めていく。

(……もっといじめたくなっちゃうわよね)

 絵梨子は心の中でにやりと笑うと、ぐっとときなを引き寄せ体を受け止め、腰を支えていた手でときなの右の乳首に指を一本だけ当てる。その指を軽く、もどかしいほどのスピードでわずかに動かしながら、左の胸を先ほどのように激しく責め立てた。

「あぁ、い……ん、ふあああ、はあぁん」

 また首や耳、頬に舌を伸ばしながらそれを続けていくと、ときなは甘い声を上げていくが、

「……ん……ぁ…っ……ふぁああ。せ、んせ…」

 その中に無意識に何かが混じっていく。

 それが自分の狙ったものであることを察した絵梨子は

「んふふ、どうしたの? ときな」

 何も気づかないふりをして問いかける。

 クニクニ

 右はもどかしく、

 くちゅくちゅくちゅ

 左は激しく。

「なん、で……こんな……んあ」

「ふふ、片方だけされるともうかたっぽがすごくせつない感じでしょ。……両方ともして欲しい?」

「っ…!」

 すでに真っ赤になっているときなの顔が、またかぁっと赤く、熱くなるのを絵梨子は感じる。

「おっぱい両方とも気持ちよくしてくださいって言ったらしてあげるわよ?」

「そ、そんな、こと……言えるわけない、です」

「それ、言ってるようなものだけど。でも、はっきり言ってくれないのならこのままね」

「あぁ……んん……」

 左右別々の刺激と快感。でもそれに差がありすぎて、ときなはせつない声を上げる。

「強情なんだから。えい!」

 絵梨子は左をそのままに、右の胸をぎゅっと掴むと軽く揉んでから左をそうしてるように指で乳首を撫でるように擦る。

「ふああ!」

 慣れてきた快感の波にいきなり別の波が押し寄せときなは大きな声を上げるが、その動きはゆっくりで、しかも、すぐにまた指一本で乳首をわずかに擦るだけ。

「ほぉら、ときな、どう?」

「っ……いじわる、しないで、ください」

「っ〜〜!!」

 はぁはぁと荒い息を吐きながら懇願するときなはあまりにも強烈すぎるが、逆のそれが絵梨子の嗜虐心を誘う。

「だ〜め」

 絵梨子はときなの頬をねっとりと舐める。

「いつも私がときなにいじめられてばっかりなんだもの。だから、今日は私がときなのこといじめちゃうの」

そ、んな……」

「ほらほら」

 ぎゅっぎゅっと左胸だけを揉みながら指では乳首を刺激する。

ぁ……っはあ、ん……せん、せ…。っは」

「ほーら、言わないとずーっとこのままだよ? あむ」

 耳たぶを唇ではさんで舌でちろちろと舐める。

「っ〜〜〜〜」

 だが、ここ来てときなは唇を噛んで声を漏らさないようにした。

 それがときなに出来る精一杯の抵抗なのだろう。

(…………ときな、可愛い)

 実を言えば、ときなにおねだりをさせられなくてもそろそろ次に行こうかとも考えたいたが、やはりこのときなの抵抗が逆に絵梨子を調子付かせた。

「…………」

 絵梨子は急に無言になってときなを責める。

「っ〜〜……?」

 動き自体は変わっていないが、絵梨子が何も言わず体すら少し離したのが不思議だったのかときなは

「せん、せえ?」

 迂闊にも声を抑えるために閉じていた口を開いてしまった。

「んふ」

 その隙を絵梨子は見逃さない。

「ぁむ!?」

 右胸に当てていた指を絵梨子の口に入れる。

「ふぐ!? あ、む…んむ」

「もうこれで声を出さないなんて出来ないわよ? 観念しなさい」

「っぁ、〜〜っ…ば、…かぁ」

 ときなが何か声を出そうとするたび熱い舌が絵梨子の指をくすぐる。その熱っぽい動作がまたたまらなくて絵梨子はにんまりと笑う。

「ほら、素直になっちゃいなさい」

 絵梨子はその細長い指をときなの柔らかな胸に沈めさせ何度も左胸を揉みしだく。

「ぁむ……む…ぷぁ……ん」

 そのたびごとにときなが反応してくれるのを指で感じながら、硬くしこった乳首を摘んでもてあそぶ。

「ふふふ、ほ〜ら」

 絵梨子にいじわるに体と声が反応してしまうものの、それでも絵梨子のいいなりにならないようにしていた瞳に別のものが混じっていく。

 「…………………っ〜〜〜。……て…」

「ん〜?」

 悔しくてたまらないといった顔をしながらときなは蚊の鳴くような声をだした。

「……いじわりゅ、しなひで……りょうほう、……して、くだ……さい」

(っ〜〜〜〜〜〜〜〜〜!)

 あまりの恥ずかしさに瞳を潤ませ、泣きそうになるときなに絵梨子はそれだけで達してしまいそうなほどの快感を受ける。

「っはぁ、はぁ……」

 絵梨子はときなの口から指を抜くと、荒い息を吐きながらその指を軽くなめて

「じゃあ、仰向けになってね」

 と、次へ向けた言葉をときなに向けるのだった。

 

 

「せっかくだし、これもっと使いましょうか」

 床に仰向けに寝かせたときなの横に座りながら、きっかけとなったものをときなの前にちらつかせた。

「え……?」

 これ以上何をするのかわからないときなは不安にも似た声を出す。

「ひゃん!」

 そんなときなの体に絵梨子はローションをかけていく。

「やぁ……あ、」

 火照った体に冷たい半液体が降りかかり、ときなはくぐもった声を上げて体を反らせる。

「ふふふ、ときなの体、お腹も、おっぱいも、てらてらに光っててすごくエッチな感じよ」

一通りかけ終えると絵梨子は、まだ何もしないままときなの体を見てそんな言葉をかける。

「せんせい、が……無理やり、したんじゃないです、か……」

 それがときなの羞恥を煽って、ときなは悔しそうに口答えをする。

「ときなが教えて欲しいって言ったからじゃない」

「そんなことは、言って、ません」

「あら? そうだったからしら。ま、なんにせよ責任は取ってあげるから安心して」

「あ………」

 絵梨子は言いながらときなの体に自らの体を重ねた。

「ひゃん!」

 二人の胸が重なり互いの乳首が擦れ合うとときなは大きな声を上げた。さっき絵梨子に集中して責められていたため感覚が敏感になっている。

 ふふふ、こんなものじゃないわよ?」

 絵梨子はときなに余裕の笑みをすると体を前後に動かし始めた

「…………っ…ま、ってくだ、さい」

「ん? もう、今更おあずけなんてだめよ?」

 そう、じゃなくて……一つ、だけ聞きたいことがあるんです」

 ときなの表情は甘くなりながらもどこか悔しそうなものも混じっていて、絵梨子はときながいいたいことを察知した。

「…………柚子、さんとはこういうこともしたん、ですよね」

 独特の声色。聞きたいけど、聞きたくなくて、知りたいけど、知りたくなくて、でも知らずにはいられないと言った声の色。昔の恋人の話。本来そんなものは口にしたくはない。

 はっきり言えば、これは嫉妬に近いものでときながこういう時にたまに口にすることだった。

「……うん」

 そして、絵梨子はそれを隠すことはしない。最愛の相手が知りたがっていることなのだ。絵梨子は恋人としてそれに真摯に答る義務があると考えていた。

「っ………して、ください」

 ときなの甘えとも、悔しさとも取れるおねだり。

「柚子、さんにしたときよりももっと……いっぱい、好きって、愛してるって気持ちを込めて。して、ください」

 こういう類の言葉の真意を絵梨子は直接確かめたことはない。

 だが、わかっているつもりだ。ときなの気持ち。自分でも認めたくないであろう心を。

 上書きしたいのだ。柚子との想い出を、自分の想い出に変えたい。どんなことでも自分が一番でありたいという独占欲が絵梨子の中を自分で埋めつくしたいという気持ちになって、さっきのようなことを言わせた。

 絵梨子はそう確信していて

「ふふ、もちろん。いっぱいしてあげるわ」

 甘い声でときなに囁くと、動きを再開させた。

 ぬちゃぬちゃと耳慣れない音が浴室に響き、そのたびに二人の体が互いの体に圧迫されて官能的に歪む。

「んっ、はぁ……はぁ」

「ん、ふ……は、あ……ふふ、ときな、どう?」

「はず、かしい、です。ふっ、はぁ」

 下になるときなは自分では一切体を動かすことはしないが、絵梨子が体をこすり付けてくるたびに訪れる感覚に瞳を潤ませていた。

 これだけでも絵梨子は十分すぎるほどに満足していたが、いつもときなにいじめられてるという自覚がいたずら心をくすぐる。

「んっ………それだけ?」

 絵梨子はグニっと乳房と乳房を重ね合わせ、体重をかけながらときなに向けて余裕の笑みを見せ付ける。

「っ………胸が、じんじん、して……先生と触れ合ってるところがすごく、熱くて……その……」

「気持ちいい?」

「っ……」

 コクンと、ときなは恥ずかしさに耐えかねるように小さくうなづいた。

「かぁわい。私もすごく気持ちいいわよ」

 絵梨子はそんなときなにようやく満足してまた動きを再開させる。

「あっ、あ、あ、ふ……う、はぁ、あ」

 スピードをつけながら、単純に体をこすり付けたり、

「はぁ……は、はあ、あぁ、あ、あ、っ」

 緩急と強弱をつけて、異なった刺激を与えてみたり、

「っ〜〜。あっ、あっ……ん」

 少し体を離し、胸だけを擦り合わせたり。

(っ……ときな……最高)

 あのときなが、ほとんどすまし顔で、何をするにも簡単にこなしてしまって困った顔や、恥ずかしがる顔など、恋人である絵梨子ですらほとんど見たことがない。

 そんなときなが今は自分にされること一つ一つに、頬を染め、羞恥に喘ぎ、蕩けた表情を見せてくれる。現実感すら失ってしまいそうなほどだが、触れ合わせる肌に感じるぬくもりは紛れもなく現実だ。

 肉体的よりも精神的な快感に絵梨子の心は高まっていくばかりだ。

「こっちも、してあげる」

「あっ!?」

 ときながあせったような声を上げるがもう遅い。

 くちゅ。

 絵梨子の魔の手はときなのお腹を滑らせ、女の子の一番大切で敏感な部分に触れていた。

「あれ? おかしいなぁ。ここはローションかけてないのに、ぬるぬるするよ?」

「っ……、っ……」

 いちいち羞恥を煽る言葉に素直に反応してしまうときな。

 実際、絵梨子の手には二人の体に付いたものが付着しており、そこがどうというよりぬるっとした感触なのは当然だろうが、今のときなにそれを見抜く判断力はない。

 自覚しているのか、していないのかとにかく絵梨子の言葉に翻弄されただただ熱さを増していくばかり。

「それに、ここも……」

「は……ぅっ……」

 絵梨子が皮をむいてクリトリスに触れると、ときなは一際大きな声をだした。

「ほら、固くなってる。ほら、ほら、ほぉ〜ら」

 すべりのよくなった指で絵梨子は楽しそうに何度も何度もそこを擦りつける。

「やっ…あ、あん、ああ」

「ときな……」

 荒い吐息をもらすときなを絵梨子は休ませるつもりはなく、甘い声で恋人の名を呼ぶとそのまま唇を奪う。

「ちゅぷ……ん、くちゅチュ」

 躊躇なく舌を突き入れると、絵梨子はときなの舌に自らの舌を絡ませていく。熱くなった体以上に口の中は熱さを持ち溶けて混ざっていきそうなくらいに熱いキスだった。

「ん、ぷぁ……ん、ちゅ、く。…はぁ……っ!」

 ときなは息継ぎのため一瞬距離をとるがすぐに絵梨子はもう一度その距離をゼロにする。

「っ……ん、ちゅる……ちゅく」

 器用にも絵梨子はときなの舌を自らに招き入れると、自分から口付けをしたにもかかわらず、今度は絵梨子の口の中で激しく舌を絡ませる。

 官能的なキスに二人とも頭をしびれさせていくが、ただされるがままになるときなとは異なり絵梨子は我を忘れるようなキスの中でもときなを責めることを忘れない。

 キスを交わしながら絵梨子はときなの胸をもてあそぶ。

「んっ! ん〜〜、ふぁ……チュプ、く……はぁ」

 外側をぐにぐにと揉み解したり、すべってしまいそのまま乳首を刺激してしまったりと胸だけをしていたときに比べれば拙いがれでも今のときなには十分すぎる刺激だった。

「っ……はぁ、っは。ときな……可愛い」

 長いキスを終えた絵梨子は自分の真下で同じように荒く息を整えるときなを見ては何度も思う言葉を発する。

「……っ……」

 可愛いと評されてしまうこと事態が恥ずかしいのかときなは荒く整えていた息を押し殺すかのようにする。

 それが新たな呼び水になるということは身をもって知っているが、それでも反射的にしてしまうときな。

 絵梨子は余裕のないときなのふとももに触れるとそこからゆっくりと指を上へと当てていき

「あっ……! っ〜〜」

 ときなが何をされるか理解する前に指をそこに突き入れた。

「ふふふ、ぬるぬるだから二本のいっきに入っちゃった」

「んっ……ぁ……ん」

「かきまわしてあげる」

 絵梨子は言うやときなの中に挿れた二本の指を出し入れさせる。

「ぁ……ああ、あっ…ああぁあん、はああ、んっ……あっ、あ」

 絵梨子の長くしなやかな指がくちゅくちゅと音を立てながら自分の中を往復する光景にときなは目を閉じたくなるが結局目は離せず、指が内壁を擦るたび熱く切ない喘ぎをあげる。

このままときなをイカセちゃうのもいいけど、こっちも一緒にしてあげるね」

 言うと絵梨子はときなにいれている手の親指で先ほどよりも固くしこったクリトリスを擦る。

「ん〜〜。あっああ、ぁぁあ」

 最初に胸を責められ、キスをされ、体を求めあい、情熱的すぎるキスをして、一番敏感な場所を同時に責められる。

「ああぁん、んああ、はっ……はあ、ああっ…、あつ、…あ、ついぃ……」

 すでにときなは限界が近く、うわずった声を断続的に上げて、絵梨子の愛撫にただ体を預けた。

(このまま、ときなの可愛い声を聞きながらもいいけど……)

「今日はキスしながらイかせてあげる。んっ……」

 そういって絵梨子はときなに再び口付けをした。

「んぷ……んちゅ……クチュ! ちゅぷ」

 絵梨子は先ほどのように舌を絡め合わせようとするが先ほどと違いときなにそんな余裕は一切なく、自分でもわけがわからないままときなは絵梨子を求めるキスをした。

「んんー、んぷ…ちゅぷ。ちゅ! くちゅ」

 上も下も絵梨子に責められ、まるで体中すべてが感じているかのような錯覚をうけるときなの限界はすぐに来てしまって

「っ……ぁ……んっあぁ………んっーーー!!」

 絵梨子はときながビクンと体を反らせるのにときなが達したのを察し、キスを終える。

「っ……はぁ……はぁ」

 自分がときなから一切されなかったにもかかわらず、達した後のような疲労の中、絵梨子は幸せそうに息を整える。

「っは! はぁはぁっは! はぁ……は」

 一方のときなは呼吸すら忘れていたかのように激しく息を整え、絵梨子はそんなときなの手を軽く握る。

「ふふふ、こういうときのときなってほんと可愛いわよね」

 幸せ一杯といった様子で絵梨子はときなが落ち着くまでそうしていたが、ときなは落ち着いてくると幸せそうながらもその中に絵梨子とは違った感情を込める。

「っ……先生は……こういうの、なれすぎ、です」

 そして、また恥ずかしくてたまらないといった表情と一緒に、少しだけ悔しそうにそう漏らしてしまう。

「ときな……」

 絵梨子はそんなときなをより一層愛おしく感じながらもう一度ときなへと唇を重ねた。

「ん………」

 さっきまでの愛を主張するかのような激しいキスではなく、唇を触れ合わせ言葉にできない、しない気持ちを伝えるための優しいキス。

 ときなはその口付けに目を閉じ自然の絵梨子の体を抱きしめる。

「……………………………………」

 長い長い口付け。

 火照った体を重ね合わせただそこにいる愛しい相手を想い、感じる。

「………………………………………はぁ」

 キスをすることが呼吸をするよりも自然に思えてしまうほどの長い口付けを終えると

「……愛しています。……絵梨子」

 ときなは世界で一番幸せな笑顔でそういうのだった。

 

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