二人にバイトのことを了承してもらってから、少しして。
「えー、と……なんでこんなことになってるのかな」
あたしは一糸まとわぬ姿で、同じく何も身に着けていない恋人たちに挟まれていた。
「体を洗ってあげるだけよ」
左から美咲。
「……別の女の匂いさせてるなんてだめ」
右からはゆめ。
浴室の中で二人は左右からあたしを挟み込み、その生の肌であたしの腕を取って抱く。
「いや、だから別に浮気したとかじゃないんだから……」
「あら、そんなのは関係ないわよ」
「……私達以外の匂いがしてるのが問題」
「っ……ん」
と、二人が左右から首筋を舐めてきた。
生暖かな舌の触感と、くすぐったさにゾクゾクと背筋を震わせる。
「ふふふ、体の隅々まで綺麗にしてあげる」
「……私達が彩音を綺麗にしてやる」
「きゃ、ちょ、ちょっと…、んっ、も、ぅ」
口々に勝手なことを言いながら二人はボディソープをつけた手であたしの腕、胸、お腹、背中、ふとももやふくらはぎと体中をまさぐるようにしてくる。
繊細の手の感触だけでも頭がぼーっとしてきちゃいそうなのに、密着する二人の柔肌が吸い付くようで正直こうしてるだけでも心地いなんて軽い言葉じゃ片づけられないくらい。(まぁ、平たく言うとあれなわけだが)
「っ……ん、ぁっ……ん」
どうにか声を抑えていると、不意に美咲がそうだわといたずらでも思いついたかのような声をあげた。
「な、なに……?」
今度は何をされるのかと不安と期待を混ぜたような表情で問うと、美咲はにやりと口角を歪めて不安の方を増長させる。
「これから彩音が家庭教師をする日にはこうして三人でお風呂入りましょうか。せっかく広いお風呂にしたのにあんまり三人で入ってなかったしね」
「…美咲、いいことを言う」
「い、いや、それはちょっと……」
「何よ、嫌なの?」
「嫌なわけはないけど……」
そう、嫌ではない。嫌ではないんだけど……なんかこう二人に主導権握られっぱなしになりそうなのが……とかいうと余計に二人が調子乗りそうだし……どうしたものかな。
全裸のまま思考を巡らせてもうまく考えがまとまらず
「嫌じゃないのなら決まりね」
「……大体他の女に会いに行くんだから、その分私達を優遇するのは当然」
結局体中を二人の好きにされながら、次の約束もさせられてしまうのだった。