「…………遅いっ」
私は彩音のベッドに寝転がってここにはいない彩音に文句を言う。
彩音、ゆめのところいくって言ってたけど。そろそろご飯なんだし帰ってきてもいいのに。
「ったく、何よ。一人で行くだなんて」
私がいちゃ迷惑だっていうの?
二人きりなんて……
(……まぁ、たまにはいいけど)
いつも彩音を一人じめしちゃ悪いとは思うし。たまには譲ってあげるのだってしなくちゃいけないことではある。
理屈ではそう思うのだけど二人きりで会われるのは面白くないし、私だってゆめと会いたくはある。
カチャ
と、寂しく思っていた私の耳に玄関が開いた音がした。
下で手洗いとうがいを済ませてからここに来ると判断した私はおとなしく彩音を待つ。
するとすぐにトントンと階段を上がってくる音が聞こえてきた。
「彩音、お帰り」
ドアが開くと同時に彩音を出迎える私。
「うん、ただいまにゃ〜」
「…………」
(にゃ?)
空耳? 何かいい間違えたの?
「にゃ〜。疲れたにゃ〜」
「彩音……?」
「にゃ?」
どう考えても聞き間違いでもない。彩音は意図的ににゃと言っている。
「……あんた、どうしたの?」
「にゃにが? ……………!!!!!???」
すると彩音は何かに気づいたように背筋をぶるぶると震わせた。
「な、なんでもないから!!」
そして、そういい残すと真っ赤な顔で部屋から逃げていった。
「…………ゆめに何かされたみたいね」
そう確信した私は寂しさを抱えながらも唇の端を吊り上げるのだった。
彩音がネコになっていじめられる。
とのコンセプトで書いてみたのですが……詰め込みすぎたせいでしてることがいちいち中途半端だったかも。っていうかネコじゃなくて猫だし。けど、色々させたといっても所詮ゆめじゃこの程度ですねw
あと詰め込みはしたけどさすがにお皿をぺろぺろとはできませんでしたw 彩音の矜持がばらんばらんになっちゃいますもんねぇ。
とりあえず彩音はゆめや美咲にいじめられるのが好きなネコちゃんでしたということで。
おまけは……本当に適当にw 美咲相手にこんな迂闊なことしたら何させられるか……w ゆめとは違う意味でネコにさせられそうw
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本編? では彩音が終始いじられていましたが、別パターンも考えていたので載せておきます。……彩音がこんなことするかなぁw
「にゃ!」
ボフン。
あたしは猫になれ猫になれとうるさいゆめをベッドに押し倒した。
「…………??」
ゆめはさっきまで従順だったがあたしにいきなり押し倒されたものだから目を丸くして驚いている。
「みゃ〜」
ペロ。
そんな自失してる間にあたしはゆめのほっぺをペロと一舐め。
「っ、な、に、するの?」
小さな瞳を不安そうに潤ませて、これからなにされるのかとびくびく怯えているゆめ。
動揺しちゃって、可愛いんだからもう。
「何、ってゆめがちゃんと猫になれっていうから、その通りにしてあげてるんじゃにゃい。こんなことするでしょ。猫って」
ゆめのことを軽く押さえつけながらあたしはまたゆめのほっぺをぺろぺろと舐める。
「っ……〜〜」
さっきまであたしを好きにしてたのにいきなりこんなことされてゆめは見る見る顔を染め上げていく。
「にゃ〜」
舌先でくすぐるようにしたり、
「ふみゃ」
舌全体でねっとりと舐めあげたり、
「……ん、ぅ……」
ゆめはそのたびにフルフルって体を震わせ、
「…や、めて」
扇情的に訴えてくる。
(あーあ、はじめはちょっとしたしかえしのつもりだったのに……)
こんな姿見せられたら、ねぇ
「ふふふ、可愛いにゃ、ゆめお姉ちゃん」
「…っ〜〜」
わざわざお姉ちゃんだなんていって挑発してみたりなんかしたらさらにわなわなと今度は羞恥と同時に怒り、じゃないけど不機嫌そうな顔をしてきた。
「そんな顔したってだめにゃ。もーっと可愛くしてあげるにゃ」
そうして、あたしはゆめとの距離を縮めていく。
あたしの舌がゆめに到達しようとしていたそのとき、
「…っ」
ゆめがあたしのネコミミをはずした。
「……これでもう、猫じゃないからやめる」
「あらら」
そんなんであたしを止められると思ってるの? この押し倒してる状況は変わんないのに。
でも、ま。今日はゆめの言うこと聞いてあげる約束だしにゃ。
あたしはわざとらしくあ〜あというとゆめの上からどいてゆめの隣に座る。
ゆめも体を起こすけど、その顔には怒っているというよりも不満が溢れていた。
「どしたの? そんな顔して」
「……おかしい」
「何がよ」
「……今日は私が彩音をいじめるはずだった」
「は? いじめ?」
なんか不穏当な単語が聞こえたような気がしたんだけど?
「いじめって……なによ〜、ゆめはあたしのこと嫌いなわけ?」
「……大好き」
「……あっ、そ」
そうはっきり言われるとこっちもからかえなくなっちゃうじゃん。
「……でも、好きだから、いじめてみたい」
「ふむふむ」
ま、気持ちはわかる。でもその理屈でいうと
「ふふふ」
あたしはいたずらっぽく笑って
「どーん」
ゆめをいじめるためまたベッドに押し倒すのだった。