卒業式後、三人でお昼でも食べてるところという設定です。
おまけなので会話のみで。
「つまりさー、あたしと宮月さんだけの秘密なんだってば!」
「ま、それはおめでとう。でも、話聞いてると【告白】は失敗してるんじゃないの? あと私たちにそれを話すのはいきなり秘密やぶってるってことにならない?」
「いや、えと、そ、それは、別にアドレス言ってるわけじゃないからいいってことで。っていうか二人のこと信頼してるからで……ほ、ほらあんたら別に他の人にいったりしないっしょ?」
「私たちのことを信頼してくれるのはいいけど、それってやっぱり彩音は宮月さんの信頼を裏切ったってことだわね」
「……うー。そんないじわるいうなー……」
「事実じゃない」
「……あ、で、でもさー、何より今日びっくりしたのは、やっぱゆめじゃない?」
「っ!!」
「確かに、貴重なものが見れたわね」
「あんなにピーピー泣くとはね。ゆめがあんなふうに泣くのなんて初めて見たな。まだ、目赤いし」
「私も。中学生活最後にして最大の驚きね」
「……しょうがない。もう二人と毎日会えなくなると思ったら自然に出てきた」
「え? それだけで?」
「……それだけなんかじゃない。私にはすごく重要」
「……まぁ、そだね。あたしも人のこといえないし。それでもゆめは泣きすぎとは思うけど」
「彩音泣いてったっけ?」
「え、あ!? ま、まぁ、それはいいじゃん」
「ふーん……」
「な、なに? 何かいいたいことでもあんの?
「別に。ところで、ゆめ。確かに高校は違うかもしれないけど、二度と会えなくなるってわけじゃないわよ」
「……わかってる。けど、寂しい」
「気持ちはわかるけどさ。でも、休みのときとかはこれまでどおり会えるって。だから、高校であんな風に泣いちゃだめだぞー?」
「……自信ない」
「って、ないの?」
「……冗談。でも、寂しいのは本当」
「……私も、彩音も寂しいわよ。でも、まだ先のことを今から不安に思ってもしょうがないわ。そんな不安に縛られるよりは目の前にある春休みに想い出を作ることが大切じゃない? ……それに毎日会えなくなったって私たちが友だち……親友ってことはかわんないでしょ?」
「……よくもまぁ、そんなセリフが恥ずかしげもなくいえるね……」
「別に、本当にそう思ったからいっただけよ」
「クールだねぇ」
「………………ありがとう。……私二人と友達になれてよかった」
「い、いきなりゆめまでなにいいだすの」
「……一回ちゃんといっておきたかった」
「それはあたしたちもだって。ゆめと一緒は楽しかったよ」
「そう。ありがとうっていうのはこっちも同じ」
「……嬉しい」
「んじゃ! とりあえず、そろそろ乾杯しよっか?」
「そうね」
「……お腹すいた」
「えー、じゃあ三人の無事卒業を祝しまして……」
『かんぱーい!!』
「…………………やっぱり、寂しい」
「あらら」