「でさー、毎日大変なわけよ、ゆめ。わかる?」
「……楽しそうでずるい」
「これがそうでもないんだって、美咲、居候してるくせに我がままでさぁ、あれしろこうしろとかうっさいんだって」
「それは彩音がだらしないからでしょうが。課題ぎりぎりまでやらなかったり、寝る前に次の日の用意しておかなかったり。しっかりしなさいよ、【お姉ちゃん】」
「……お姉ちゃん?」
「一緒に住むからって、誕生日はやいあたしのことたまにそう呼ぶの。つか、こういうときはともかく学校でたまに言われたりすると色々うるさいんだよね」
「あらあら、お姉ちゃんのくせに情けないこと」
「……うらやましい」
「いやね、ゆめ。うらやましいって言われても……」
「……私も一緒に、住みたい」
「さすがにねぇ、あの部屋で三人はちょっと。てか、ゆめには家があるんだし」
「まぁ、こうやって三人で会えるんだから。今は我慢しなさいな。三人で住むことになったらゆめも家族になればいいわよ。えーと、ゆめの誕生日は……」
「あれ、ゆめって、確か……」
「……そうなったら、私が一番、お姉さん」
『……………』
「……彩音」
「……うん」
「やっぱり、お姉ちゃんって言うのやめたほうがいいわよね」
「……そだね」
「……私が一番、偉い」