渚。
ねぇ、渚。
この声は今貴女に聞こえてないけど、私貴女に言いたいことがあるのよ。
たくさん、たくさんね。
直接伝えてもいいんだけど、それは私も貴女も恥ずかしいし、それに渚はいちいち反論してきそうだからここに残しておくことにするわ。
私、渚のことが大好きよ。心から愛してる。
それに、感謝してるわ。
渚に会えてよかった。渚を好きになってよかった。渚に好きになってもらってよかった。
あの日も同じことを言ったけど、本当にそう思うの。心から貴女に感謝をしてる。
ふふ、こんなこと言ったらきっとそんなのはお互い様とか貴女は言うわよね。
でも、違うわ。
私の方が絶対に貴女のことを好き。
私の方が絶対に貴女のことを想ってる。
私の方が絶対に貴女に感謝をしてる。
渚の気持ちを疑うとかそういう次元の話じゃなくて、私は本気でそう思ってるのよ。
貴女は私にそれだけのことをしたんだから。
……この三年間、私には色々なことがあった。
嬉しいこと、楽しいことだけじゃなくて、悲しいことも、苦しいこともね。
本気で生きてるのがつらいって思ったことだってある。
もちろん、そんな選択肢を選ぶわけにはいかなかった。勇気がないのもそうだけど、私には絶対にそんなことできなかったから。
そんなことしたら涼香は……
と、これは余計ね。でも、私は笑うしかできなくなってた。
自覚はなかったけれど多分、それはすごくつらい笑顔だった。
悲しかった記憶、苦しかった痛み。
それがなかったら今がなかったのだろうけど、だからといっていい想い出だなんて割り切れない。それも本当。
もしかしたら私の高校生活はつらいことの方が多かったのかもしれないわね。
でもね、私はここに来てよかった。私はこの三年間を幸せだったって胸を張って言えるわ。
貴女のおかげ。
つらかった日々も、かなわなかった想いも、今はもう輝いてる。
ぜーんぶ貴女のおかげ。
だから。
私の方が絶対に貴女のことを好き。
私の方が絶対に貴女のことを想ってる。
私の方が絶対に貴女に感謝をしてる。
貴女がどう思っても、それは絶対に絶対よ。
貴女はそれだけのことをしたの。
私にこんなことを思わせているの。
だから、責任取ってもらうわ。
もう絶対に離さない。
貴女は一生私のものよ。
愛してるわ、渚。
ありがとう。