「って、いうのはどうかな」
「………何が、よ」
受験勉強の息抜きの最中、お菓子とお茶を取りながら散々わけのわからないことを語った陽菜は、嬉々とした様子でそんなことを言ってきた。
「え? だから、なぎちゃんと朝比奈先輩のはじめての話」
せつなさんからもらった紅茶を飲みながら陽菜は当然のように言う。
「……ばっかじゃないの?」
九割以上は呆れながらそう言った。
「えー、けど、まだ朝比奈先輩とエッチしたことないんでしょ?」
「っ! な、何言ってるのよ」
過激な言葉が出てきて思わずお茶を噴き出しそうになった。
「わ、私はまだ高校生なのよ!? そんなのできるわけないじゃない」
そういうことはもっとちゃんと大人になってからじゃないと。
(……全然想像なんてできないけど)
私が羞恥と戸惑いで一杯になっていると、陽菜はそんな私を見つめて
「なぎちゃんは可愛いなぁ」
妙に癪に障る笑いをしてくれる。
「……バカにしてるでしょ」
「えー、してないよー。本当に可愛いなって思っただけだもん」
「絶対してる。せつなさんが私を子供扱いする時と同じ顔してるもの」
「へー、やっぱり朝比奈先輩にそういう風に思われてるんだぁ」
「べ、別にそういうわけじゃないわよ」
自分で言っていて無理があるとは思うけれど、ここでそうだなんて認めたらますます陽菜が調子に乗ってしまうと思ってそういったけど
「あーあ、ほんとなぎちゃんって可愛いなぁ」
陽菜はわかってるというような顔で微笑んでそれがなぜか妙に悔しかった。
けれど、それ以上に……
(せつな、さんと………)
陽菜の話したばかばかしいはずの話が頭から離れてくれないのだった。
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こ、こんなオチで申し訳ありません。その……本当に申し訳ありません。
私としては初めからこのオチを予定していたのですが、思った以上に真面目な話になってしまい多分期待された展開にはなっていないと思います。
言い訳させていただきますと、なぎちゃんが言っているように天原に通っている間にはそういうことはしないかなと思います。それには卒業をさせなければいけないのですが関係者全員が卒業してしまうと、このS×Sの物語が終わってしまうような気がしてまだ書きたくないと思ってしまっています。いつかは書きたいと思っているのですがまだ書く勇気がありません。
ただ、一つの区切としていつかは書きたいと思っていますし、この二人、特にせつなに対する思い入れは深いので本当の意味での続きは書くつもりです。なので、その時までお待ちいただけたらと思います。
その埋め合わせというわけではありませんが、この場で一つお知らせを書かせていただきます。
以前からやろうと思っていた18禁シーンをシナリオに含んだシリーズを連載する予定です。以前の撫子のお話しの反省を生かして、中途半端にならないものにしたいです。
年内にはプロローグを載せるつもりです。