毎日は繰り返しだ。
ずっと同じことの繰り返し。
もう嫌だと、友達のままなんて耐えられないと思うのに、望を目の前にすれば結局望を失うことは考えられず友達としか振舞えなくなる。
それを繰り返し続けている。
どうにかしたいと思うのにどうにもできない。この地獄にいつまでいなければならないのという不安を抱えたまま沙羅は毎日を絶望の中で過ごしていた。
そう、すでに望といることすら絶望の一部でしかなかった。
なのに望から離れられない自分。
このままでは何も変わらない。それはもう思い知らされ続けた。
しかし、告白をしたところで、どうせ……との思いは独りで望を思い続ける時間が長くなればなるほど強まっていき、それが地獄と思いながらもそこに身を置き続ける理由にもなっていっていた。
…………そんな思いがいつしか歪んでいったのかもしれない。誰にも話せず、自分の中に渦巻くしかなかった想いは、気づけば心のある部分を侵しはじめていた。
「……ひぐ……は、ぁ……ヒグ」
ベッドの上で沙羅は涙を流す。
それはいつものこと。
「……のぞ、み……ひぐ」
名前を呼ぶのもいつもの通り。
「……ごめん、なさい……ごめん、なさい。ひぐ……」
しかし、泣いている理由は近似しながらも別のものだった。
「は、ぁ……はぁ……望、ごめん、ごめん、なさい……」
火照った体に熱い涙を流し沙羅は謝罪の言葉を述べ続ける。
「ごめんなさい……ごめんなさい……」
罪悪感だけが残る心。
「……ひぐ……ひっく……は、ぁ……は、あ……」
しばらくそうしていると体と心も静まっていく。
「…………望」
そして、また名を呼んだ沙羅……
「っ……」
痛いほどに唇をかみ締める。
「どうせ…………どうせ、望は……望と……」
悔しいなどいう言葉では表現しきないほどの悔しさを唇を噛むことで耐えようとする沙羅はそう絶望の言葉を口にする。
絶対に、来ない。そんな日は、絶対に。
(……どうせ、そんな日がこない、なら……)
「……………………………………いっそ」
「いっそ……」