「でさー、悠里ちゃん」

「うん……」

(ぅぅぅ〜〜)

 美奈お姉ちゃんとお風呂に入るのはやっぱり恥ずかしい。美奈お姉ちゃんとじゃなくて、紗奈お姉ちゃんともだけど……。

 体を洗いっこするのは小さい頃だからいいって思ってたけど、最近じゃお姉ちゃんにしてもらう嬉しさもお姉ちゃんにしたいっていう気持ちも、恥ずかしいって思っちゃうのがッ強くなってきてる。

 けど、美奈お姉ちゃんも紗奈お姉ちゃんもしてくれるっていうから断っちゃお姉ちゃんたちに悪いし、

(でも、やっぱり恥ずかしいよぉ……)

 そんな恥ずかしさのせいで私はお風呂に入ってもお湯以上に体が熱いような気がしちゃってた。

「ん? 悠里ちゃんどうかした?」

「う、ううん。なんでもないよ」

「でも、顔赤いよ?」

「ちょ、ちょっと、お風呂が熱いだけだよ」

「そ、じゃ。水入れよっか」

 美奈お姉ちゃんはそういうと蛇口をひねって水をお風呂に注ぎだした。

「ほら、悠里ちゃんこっち」

「あ、」

 今までお風呂の両端にいたんだけど私のそばから水が出てくるから、冷たくないようにってお姉ちゃんは私のことを引っ張った。

(あ……)

 引っ張られた勢いでポヨンってお姉ちゃんの胸が腕に当たる。

 それでつられるように見ちゃったけど

(やっぱり、お姉ちゃんって胸おおきぃ……)

 私がお姉ちゃんみたいじゃないのは年が離れてるんだから当たり前だけど、当たり前って思ってもちょっと気にしちゃう。

 思わずぺたーんな胸を見つめて

(はぁ……)

 心の中でため息。

 紗奈お姉ちゃんは昼間、私もそのうち大きくなるって言ってくれたけど、本当になるのかな……

 また、ちらりとお姉ちゃんの胸を見る。

(美奈お姉ちゃんみたいなんか……)

「ゆうーり、ちゃん!

「みゃ!?

 バシャってお風呂の水が大きく波立って、私はお姉ちゃんに抱きしめられていた。

「な、なに? お姉ちゃん!?

「なにはこっちの台詞かな〜」

「え?」

「さっきからあたしの胸ばっかり見つめちゃって、なに考えてたのかな〜?」

「そ、そんなことしてないもん」

 ……してた、けど。

「それに、服脱ぐときにもちらちら見てたよね?」

「っ!!?

 言われると、それもしてた。昼間のことがあるから、今日はちょっと気にしちゃうことが多いのかも。

「触ってみたい?」

「う、ううん」

「あら、残念。悠里ちゃんにならいいのに」

「も、もぅ〜」

 美奈お姉ちゃんはすぐこうやってふざけるんだから〜。

「そ、じゃあ」

「?」

 私を抱きしめていたお姉ちゃんの手が私の体をすべっていって、

「きゃ!!

「代わりに悠里ちゃんのさわっちゃお!

 背中越しに胸を触られていた。

「ふふふ〜、悠里ちゃんの可愛い〜」

 ムニュムニュってお姉ちゃんの指が私の胸を揉んでくる。

「や、ぁ……ん」

 私はくすぐったいのと恥ずかしいのが混ざり合って体中がかぁって燃えるような気がしちゃった。

「や、やめてよぉ…お姉ちゃぁん……」

 あまりにも恥ずかしくて涙目になった私は首をひねってお姉ちゃんに訴えかける。

「ふ、ふふ……」

(あ……)

 そうしたら、お姉ちゃんの指が止まった。

「っ〜〜〜。悠里ちゃん!!

 のに、安心する暇もなくお姉ちゃんは手を胸に当てたままもっとぎゅって私を抱きしめる。

「お、おねえちゃぁん」

「悠里ちゃん! もう、たまんない!

 お姉ちゃんは私をぎゅってしたままほっぺとほっぺをこすり付けてきた。

「大丈夫、悠里ちゃんは胸なんかなくても十分すぎるくらい可愛いよ。お肌だってこんなにすべすべで」

「み……〜〜」

「それに……んっ」

「にゃぁ!!?

(ぺ、ペロってしたぁ……)

 お、お姉ちゃんが私の首筋をペロってぇ……

「こんなにおいしいし」

「あ、味なんてないよぉ」

「そんなことない。悠里ちゃんを舐めるとあま〜く感じるよ。ん……ちゅ」

 ま、またペロってぇ……

「そ、そんなことないもん」

 お姉ちゃんが私を舐めるたびに体にゾクゾクって不思議な感じが駆け抜けるけど、なによりも私はとにかく恥ずかしい。

 バシャ!

「あ、悠里ちゃん〜」

 恥ずかしさが極まって、私はお姉ちゃんの手から離れてちょっと距離をとった。

「はふぅ……」

 まだ胸がドキドキしてるよ〜。

「お姉ちゃん! もうっ、すっごく恥ずかしかったんだからね」

 ドキドキは止まってないけど、私はキッっと目に力を込めてちょっと大きな声を出した。

 お姉ちゃんのこと大好きだからほとんどのことは許しちゃうけど、こうして怒るときはちゃんと怒らなきゃ。

「悠里ちゃん……」

「大体、美奈お姉ちゃんはね……」

 怒らなきゃって思ってるのに

「怒ってる顔もかわいー!

「みゃぁあ!?

 またお姉ちゃんに抱きしめられちゃってそんな暇もなくなっちゃうのだった。

 

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