彩音がいなくなったことで、ゆめと必要以上にべたべたする理由もなくなったけれど彩音がいなくなってからも私はゆめを抱きしめたまま二人でアニメを見ている。
「にしても、最近のアニメってこういうのなのね」
なんていえばいいのかしら、女の子たちが仲良くしててたまに少し過激なことをしてたりもする。
私はゲームは結構やるけれどアニメはほとんど見ないからこういうのは新鮮だ。
(宮月さんに借りたっていうのが気になるけれど)
「………へぇ」
女の子同士のキスシーンを見てやっぱり彼女は意図して貸してきたんだろうなと思っていると。
(……へぇ)
今度は声に出さずにそれを思った。
彩音がいなくなってからアニメに集中はしていたけれど、ふと落とした視線に私は感嘆した。
ゆめが真っ赤になってキスシーンを見ている。
(はっきり言って可愛いな)
自分だって何度も経験しているのに見る立場というのは違うのかゆめは少女のように恥ずかしがっている。
それは彩音ではないけれど、劣情を刺激するには十分な光景だ。
(改めて考えてもゆめってほんと可愛いわよね)
小学生のような体形のくせにこうして抱く体はしっかりと女性の体つきと柔らかさを持っている。
それに
(……いい匂い)
私たちは同じシャンプーを使っているけれど、それでも彩音もゆめも私とは違う香りを感じて、彼女達の香りになっている。
それが私を昂揚させる。
「んっ……」
もっとゆめを近くで感じたいとお腹に当てていた腕に力を込めてこちらへと引き寄せようとするとゆめは色っぽい声を上げた。
「ふ、あ……? 何?」
振り返りながらゆめは上目遣いに私を見上げる。
それは普段ゆめに感じている姿よりも魅力的な、魅惑的で……
(っ……やばい)
琴線に触れたその姿が瞳に焼き付いて離れない。
ちょうどゆめの頭が私の胸に触れて、はやった鼓動が聞かれてしまうんじゃないかと焦る。
私はどうにか何でもないわと答えると、再びゆめとアニメに集中しようとした。
(どうにもいけないわね)
視界に入っているのはアニメなのに、私の心に浮かぶのは先ほどの不意を打たれたゆめの煽情的な顔。
紅潮した頬とぽかぽかとした体。
それらが私を誘惑して
今度は、ゆっくりとゆめのお腹を撫でてみた。
「……ん、ぅ?」
再び同じように切なげな声を上げて私を見上げる。
(……もっと、みたい、かも)
少しとまどうゆめの姿、それは思った以上に私を惑わせてくれる。
「んっ……ちゅ」
「……ふあぁ、あ」
首の裏に優しくキス。愛おしさと、それ以上にゆめに対する熱情が私の体を勝手に動かしていた。
「ちゅ……、ちゅ……ちゅ。んっ……ちゅ」
ゆめをかけながら何度も何度もキスをして、たまになめあげたりもする。
「……ぁ、ふ……あ、んん……」
ゆめはそのたびに似つかわしくない色っぽい声を上げて、さらに私を誘惑してくる。
「み、さき……どうした」
非難をしているというよりはなぜこんなことをされているのかわからない様子でゆめは私に問いかけるけれど、火のついてしまった私は自分の欲望を抑えることが出来ずにゆめの首筋に、背中に、頬にキスの雨を降らせる。
「ふぁ……んっ、ぁ」
「んっ……可愛いわよ、ゆめ」
調子に乗った私はキスだけで我慢できなくなり、ゆめを抱いていた手を服の下に潜り込ませて直接肌に触れた。
「ぁ……っぅ」
ゆめはさすがに焦ったように体をよじるけれどそれを逃がすほど私は甘くはない。
というより両手が服の下にもぐりこんだ状態では無理に逃げようとすれば服が破れてしまう。
つまりゆめは私にされるがままになるしかないのだ。
「ね、ゆめ、こっち向いて」
「……? ぁ、んっ!?」
わけのわからぬまま私に反射的にこちらを向いたゆめの唇を奪った。
柔らかく、それでいて熱いゆめの唇。
下では少しずつゆめのお腹に当てた手を上へと持っていく。
くしゃくしゃになった服と、
「ん……は、ぁ」
私を見つめる熱を帯びた瞳。
(……彩音のこと言えないわね)
たぶん彩音もこんな感じだったのかと少し落ち込みも共感もするけれどそれ以上に、今は
「可愛いわよ、ゆめ」
ゆめに対する欲望に私は身を委ねていくのだった。