豆電球の淡い光が照らす部屋。
脱ぎ散らかされた衣類。
「ちゅ…じゅぷ…ちゅ…、んぁ……ぁむ」
響くキスの音。
「ふぁ…あんっ、は、ゆめ……んちゅ。みさき……んっあぁ」
「んっ、あやね……じゅぷ…ちゅ……。ゆめ……んっ」
「………みゅぁ、ちゅぷ……ニュちゅ、彩音……ぁ、ふぅ、みさき」
生まれたままの姿で体を寄せ合いながら、キス。
『ちゅ、ちゅ…ぁチュぱ、じゅぷ、にゅぁぱ』
三人でのキス。
ベッドに膝をつきながら、あたしは二人の背中に手をまわして引き寄せ、舌を伸ばし溶け合うように口づけを交わしてる。
「むぁ……んゅ、はぁ、ああっああ」
相手の口内に淹れるようなキスじゃなくて、舌を愛しい相手に伸ばしてのキス。濡れた舌は外気に触れると冷たいけど、すぐに二枚の舌が絡んできて熱く熱くキスを交わす。
「っ。はぁ……こ、れ……なんか、エロいよね」
もともと口の中でするよりも外でしてる方がやらしい感じがしてたけど、三人でするってなんかすごい。
もう唾液で口の周りがべとべとだし、キスしてる時に両方から舌が絡んできて二人でするのとは全然違う感覚に頭が痺れた。
「……変態」
「なんでそうなる。二人にしろって言ったのはあんたたちでしょ」
「そうね。まぁ、私としては彩音が一生懸命にしてくれるのは嬉しかったわよ。んっ……」
ちょっと照れてるゆめとは異なり美咲は素直にそう言ってあたしの頬に手を添えて濡れた口周りに舌を這わせた。
「……む」
と、ワンテンポ遅れて今度はゆめが逆方向から舌を這わせる。
「ふ、ひゃり、とも。ちょ、っと……」
くすぐったいっていうのは一番なんだけど、それ以上にやっぱり心地よくて、気持ちよくて……
「っ……むっ……ちゅぁちゅ。、あやね……んっふぁあ」
「…っふぁ!? ぁ、んん……ぁ、あやねぇ……に、ぁあ」
二人にお返ししたくなる。
「ちゅぁちゅ、ふぁ……んっにゅ…あ、みさきぃ……んっ」
今度は美咲と二人でのキス。舌を美咲の中深くに入れ、ねっとりと美咲の舌を這い、時には吸い、溶け合うような口づけ。
「ぁあ、っ、む、ね……ぁああふあ」
もちろん、二人にするっていうのが今日の課題なんだからゆめのことも忘れたりしない。
「ぁ、んっあやね……そ、れ…あぁああ」
ゆめが敏感な胸に右手を当てて、さくらんぼのように可愛い乳首を二本の指で弄ぶ。もうさっきのキスですっかり出来上がっちゃっててぷっくりと膨らんでいる乳首を固さを保ち、いじりがいがある。
「ぁ、あやね……じゅちゅう……」
「んっああ、ぁりゅ、ちゅぷぷぁ…ちゅぅ」
ゆめの嬌声が気に触ったのか美咲が首元に手を回して力を込め、口づけを深くする。
「……んっ…、こっちも、忘れるな」
と今度はゆめがあたしの手を持って自分の胸に押し付ける。
「……っ、ふぁ…きも、ち…いい…んぁ、…あぁ、彩音……もっと、しろ。ふぁあ」
(けっこう、きつ……)
キスは気持ちいいけど、美咲を満足させるキスをしながらゆめを攻めるにも適当にじゃなくてちゃんと感じさせてあげないといけないのは気を使う。
「ふぁ…あん……っ」
息苦しくなって一端口を離そうとしたけど、その瞬間に美咲にひきよせられた。
「んぁむちゅ…あちゅ……だめよ、彩音…もっと、してくれなきゃ。ん……」
「……あやね、わたしにも、もっ、と…ふぁ、く、ぅん」
美咲がキスの方が好きで、ゆめはおっぱいの方が感じやすいのは事実だけど、やっぱりキスに特別な意味を感じるのか美咲とキスをしてる時には積極的に求めてくる。
普段してる時ですらあんまりもっとなんて言わないのに、美咲に対抗心を燃やしてる姿はたまらなく愛しい。
「れろ、チュぴ、ちゅぱ……んくちゅ」
軟体動物が絡むようにくちゅくちゅとした激しい口づけと、
「ふぁあ、……むね、そ、れ、んぁあ、ふぁあ」
小さなふくらみと可愛らしいつぼみをクニュクニュと弄る感覚にあたしの方まで体が火照ってくる。
「っ。はぁ……彩音………んっ」
「ふ、あ……彩音……っ」
行為を終えると、二人が熱のこもった瞳で見つめてくる。キラキラと潤み、エッチをしてる時特有の期待した目。
「わかってるよ」
と二人の口づけをする。
「今日は二人同時にじゃないと駄目よ」
「……うん。美咲とわたしに一緒にイかせる」
「え? そこも?」
「当たり前じゃない。それが二人を平等に愛するってことよ」
「……ちゃんとしろ」
「わ、わかったけど、それってあたしだけじゃどうしようもないことじゃない?」
なんというか、相性というか……そ、そりゃあ二人に平等にはするよ? でも、その……タイミングっていうのはあたしがどうこうできるもんじゃないじゃん。
「ふふふ、何真剣に悩んでるのよ。別に絶対に一緒にだなんて思ってないわよ。私たちは彩音が私たちをちゃんと愛してくれるっていうのがわかればいいだけよ」
「だ、だよねー」
「……別に私が先でもいい」
……こじらせんなよ。
「あ、それはそれでいいわよ?」
「……ん?」
「ゆめがへたってる間に私はゆっくり彩音とさせてもらうから」
「……むぅ。やっぱり二人同時にしろ」
二人の間に見え隠れする独占欲と嫉妬心と互いへの信頼。
ほんと一時はどうなることかと思ったけど、こういう二人を見てると責任を取らなきゃって思って
「頑張って二人にするから、二人も合わせてよね」
二人をベッドに押し倒した。
(これは……中々)
二人の裸なんて今更っていうくらい見てきたけど、対照的な体をしている二人でベッドに寝そべったままあたしを見上げてくる姿はたまらないというか、身もふたもない言い方だけど、そそる。
ともすれば小学生にすら見えるゆめの体はどことなく背徳感を感じさせるし、美咲はその整った肉感的な体が素直に色っぽい。
「じゃ、じゃあするよ」
あたしは生つばを飲み込んでから二人に手を伸ばしていく。
(え、えっととりあえず、こんな感じ、かな)
「っ、ぁ……」
「……ん」
二人の秘所に手を当てると、そこはさっきまでのキスや愛撫で濡れぼそっていた。
「ど、どうかな」
そこを指で弄るとくちゅくちゅといやらしい音を立てて熱い粘液が絡みついてくる。
「ふふ、何初めてみたいになってんのよ。いいわよ、とっても」
「だ、だって二人同時になんて初めてだし、両手でって結構難しいんだもん」
「……ぁ、う、ん、問題、ない。気持ちいい……もっと、しても、いい」
「そ、それじゃ」
じゅぷ。
と、独特の音を立ててあたしの指が二人の中に入っていく。入るって言うよりは指が呑み込まれていくような感じ。
肉壺に指が吸い込まれて、奥に達すると抜けない程度に戻して往復させていく。
「ど、どう?」
「ぁあ、あやね……んっ、いいっ、は、ぁ………」
「……み、ぅ……あ、やね、そこ、もっと、……して」
ステレオに伝えられる二人の嬌声にあたしはなんだか恥ずかしいような、嬉しいような気持ちで指を動きを激しくしていく。
(あ、これ……いいかも)
二人があたしの指で悶えていく姿を見ているとなんだかお腹の奥がキュンっとなってもどかしい感じがする。
してるのはあたしなのに、あたしまで気持ち良くなってる。
それに二人の中の感触が面白い。
あたしの指は当然二人の中の感覚を知ってはいるけど、こうして同時にするとその違いが判る。
「ふああ。ぁあぁ、んっああ。そ、こ……ぁあ」
指を進ませる時の抵抗や、締め付けの強さ、
「ん、みぁああっ! ふあ、ぁあ、んっ、ああ、ぁぁ」
それと感じるところも二人のよって差があるみたい。
「あやね、彩音……! それ、もっと……ぁああ、気持ち、い」
美咲は指を深く突き入れて奥の少しくぼんだ所が感じるらしく指を曲げてぐいぐいと押すと舌を出して喘ぐ。
「ぁ、ふ……んっ、あ……、あやねぇ……だ、めぇ……ふああ」
ゆめは浅いところと指が抜けそうになるところがいいみたい。奥に入れた指をゆっくりと抜いていき、第一関節くらいしか入ってないところでかき回すように弄ると背中を反って感じている。
「二人とも気持ちよさそうだね、こっちも一緒にしてあげる」
あたしは二人のことをもっと感じさせたくて親指を固くなった花芯をグイッと押した。
『ぁ、ひあ』
いきなりの強い刺激に二人が甲高い声をあげる。
「二人ともえっちな声、可愛いよ」
「……へん、たい……ふっあ」
「……ロリコン……きゅぅ!」
なぜか罵られるあたしはお仕置きだと言わんばかりにクリトリスをつついた。
「そんなこと言う口は塞いじゃうから」
それから二人へと体を重ねて、まずはゆめの唇を奪う。
「ん、ちゅ………にゅ、ぷち。んちゅ……」
「っ、ぱぁ……唾液、飲んでよ。ゆめ……んちゅ、ちゅ」
口の中にため込んだ唾液をゆめの口に流し込み、嚥下させる。細い喉がコクンとなるのがなぜか妙に色っぽい。
「あやね、私にもしなさいよ」
「……っ、はぁ。わかってるって」
ゆめの唇を離すと散々絡ませ合ったベロから唾液が垂れて、それがまだベッドに落ちる前にそのまま美咲に口づけた。
「んぁ、ちゅちゅ、んぁ。レロ……ちゅぷ。じゅぶ……美咲……おいしい」
「ふああ、んっ……もっと、……ん、飲んで……あたしの……吸って……」
今度は流し込むんじゃなくて舌を吸い付くようにして美咲の唾液を吸う。
「んく……んぁ、ふぁ、おいし……んぁ、もっと……」
「あむ、じゅちゅ……ちゅぱ……ん、はぁ、あ………」
キスの感触も、あそこの感覚も二人とも全然違うけどそれがむしろ心地よくて二人のことをもっと愛したくなる。あたしを感じてほしくなる。
「っあ、…っ……ふあ……あやね……」
「ん、あぁ、あ、あやね……」
キスを終えて体を離すと二人が扇情的な瞳で見つめてくる。
愛情と情欲を混ぜた瞳。いやしくて、愛おしくて。
「うん、イカせてあげる」
あたしはラストスパートをかける。
体を起こしてぐちゅぐちゅと時には飛沫が飛ぶほどに指の動きを激しくした。
「あ、っああ、っふああ、あやね、……んっ、き、そ……う」
「…っふあ、あ……ぁつ。わ、たしも……も、う」
ぐっと中が収縮してあたしの指を離さないように飲み込んでいく、抵抗をかき分け二人の中をかき回すとあたしの体の方まで熱くなってきちゃう。
「ね、二人も」
「ふぁ、……ん?」
「ぁ、あ、なに、よ」
「愛してるよ」
そう伝えた瞬間、キュンと指が締め付けられた。それにあたしの想いが伝わったことを認識して
「イッちぇえ」
いたずらっぽく笑って二人が最後の一線を越えるように責めたてた。
「ふああ、ぁ、っ、イ、く……あやね、……いっちゃ、う……」
「あやねぇ……ぁあは、はあ、ん、へ、んにな、っちゃ……う……」
口々二人はそう言って、
『ふあ、ぁああぁつ』
ほとんど同時に体をのけ反らせ、ぎゅっとあたしの指を締めた。
「っ………」
二人がぐたっとベッドに体を預ける中あたしは指をそのままに、ドクンドクンと規則正しく収縮する感覚を指で楽しむ。
しばらく、そうしてから指を引き抜きぬくと今度は美咲に軽くキスをしてから、ゆめにも同じようにキスをして、二人の背中に腕を回すとぎゅっと抱き寄せた。
「どう、ちゃんとふたりにしたよ」
「っ、まぁまぁ、ね」
「……一応、褒めてあげる」
(なんで上から目線なんだ……)
あたしのことを愛してるとか言う割にはこの二人のあたしの評価って低い気がする……それも信頼の証と言えばそうなのかもしれないけどちょっと納得いかないといえばいかないような……
(まぁ……)
「……彩音、愛してるわ」
「……愛してる」
この笑顔を見せられちゃうと好きって感情以外はどっかいっちゃうんだけどさ。
「あたしもだよ」
あたしも笑顔でそう伝えると。
『んっ』
二人から祝福の口づけをもらうのだった。