(何が、起きているんだろう……)

 現実感を失った私。頭の中では何が起きているのかわからない。理解をしたくない。

 でも

「はむ……っちゅ、ぱ……んっ、む……」

 蘭先輩の舌が首筋や鎖骨をなぞって、

「……鈴……可愛いよ……」

 千秋さんが耳元でそうささやきながら、後ろから胸に触れる。

「んぁ……あ……ぁあ、っ……ふあぁ」

 その感覚に声にならない声が上がる。

 頭はこの状況を受け入れたくなくても、体は素直に反応を示してる。

(あ、つい……)

 もうパジャマどころかブラジャーまで脱がされて身に着けているのはショーツだけ。

 肌と肌が触れるその熱が信じられないほどに熱く感じて、体が朱に染まっていく。

「んっ……あ、やっ、めて……くだ、さい。っ……んん」

 抗議の声は届かない。

 代わりにきゅって胸を掴まれた。

「鈴ちゃんてば本当に初めてなのね。初々しくて可愛いな、自分でしたこともないの? ……はむ」

「そ、んなの……ありま、せん……」

「そう……初めてなのにこんなに感じちゃってるなんてエッチな子なんだね」

「っ……ち、がいます」

「そう? ……でも、えい」

「っ……」

 胸の先を摘ままれた。摘まめるくらいに、反応をしちゃってるっていうこと。初めてのことでもそれがどういう意味かっていうのくらいわかる。

(はずか、しい……)

 こんなの変だってわかってるのに、知ってるのに……でも、体が熱い。

「嘘はいけないなぁ。乳首こんなにしてるのに」

「……そうだよ鈴。気持ちいいんでしょ?」

「あっ……二人で……なん、て……やめ…っふぁ……ん」

 前から蘭先輩が、後ろから千秋さんが胸を責めたてる。揉んで、触って、摘まんで、吸って

「ぁ、あ……んっ、あぁ」

「ほら、鈴ちゃん。気持ちいいならもっと声だしていいのよ」

「……気持ち、よくなんて……ありません」

「……強情だね、鈴は」

「っ……っ……ぁ…ふ」

 口を閉じようとしても声が漏れる。

(わ、かんない、よぉ……)

 胸がじんじんとしびれていくような感じ。

 初めての感覚。怖くて、不安で恥ずかしい。

 でも………

「ふぁ…ぁっ、ん、ぁ」

 言葉にしちゃいけないその感覚が言葉にならない声になっていく。

「ふふ、にしても初めてのくせに胸だけでこんなに感じちゃうなんてね。……こっちは、どうなっているかしら」

 楽しそうな蘭先輩の声。同時に指が胸からお腹を滑っていって

「っ!!」

 ショーツの上から………あ、アソコに、触れた。

「ら、蘭せんぱい。あの!」

 千秋さんに胸を弄られたままでも、初めて触れられた衝撃に私は余裕のない声を出した。

 ……無駄だってわかっているのに

「……鈴ちゃん」

「は、い……」

 綺麗な瞳が私を見つめている。

 何度も、何度も思うけど本当に綺麗。

 髪も、瞳も、唇も、体も。

 お人形さんのように、現実とは違う美しさすら感じる。

 女の子ならだれでも憧れるお姫様のような外見。

 でも、今は熱情に浮かされたような表情と紅く染まった肌で私に

「っ…ちゅ」

 キスを、した。

「んん! ……ン……むぁ……! っぅう……ゅ…!」

「ふ……ぁ…んちゅ……鈴ちゃん……っん、……じゅちゅ……っぱぁ」

 唇を押し当てられて、激しく口の中が先輩の舌で舐めまわされた。

「鈴ちゃんは何にも考えなくていいの。私たちが全部してあげるから」

 そして、笑顔。

「っ……ぁ……」

 その場違いな笑顔に言葉を詰まらせていると、再び蘭先輩の指がショーツに触れて

「ぁ……」

 そのまま、脱がれた。

「あ、っ…ああ」

 恐怖にも似た感覚に上ずった声が出るけど、

「気持ちよくしてあげる」

 蘭先輩は楽しそうに言って私の足の間に顔を埋めた。

(うそ……うそ……うそ)

 ショーツを脱がされてる、ううん、そうじゃなくて……

「可愛い、こんなにトロトロしちゃって」

 あそこを、見られてる。

「えい」

「っ!!」

 指が女の子の一番大切なところに入っていく。

「柔らかくて、とっても熱い。指が締め付けられてなんだかこっちの方が気持ちよくなっちゃいそう」

 すごく浅いところ、でもそんな場所からでも確かに感じる痛みが蘭先輩の指が私の膣の中に入っているのを教えて

「っきゃあああぁ……っんむ」

 反射的に叫びそうになって、その唇を千秋さんにふさがれた。

「っちゅ…はむ、じゅぅ…ちゅ……っぅ…あむ」

 まず唇を舐められて次に蘭先輩としたような深いキス。

「いい子ね、二人とも」

 千秋さんにキスを受けながら蘭先輩の満足そうな声を聞いて

(っーーー)

「ちゅ」

(なめ……られ……?)

 知識だけが知ってる、女の子の気持ちいい場所。固く肥大したお豆を蘭先輩の舌がしたがついた。

「っ…あ、むっ……じゅ。どう、気持ちいい?」

 私の中にいれた指をリズムカルに動かしながら舌で舐めまわれる。

「じゅっ……ぷ…んっ…ぁ……っちゅく、くちゅ」

 唇がつぶれそうになっちゃうほどのキスをされながら、胸を弄られる。

 それは私の知らない感覚。でも……でも……でも……

(きもち、いい……?)

 わからないけど、そんな風に思ったの。

 千秋さんと合わせた唇が柔らかくて、絡める舌がとても熱くて、胸を握り締められたり乳首をこすられるとじんじんと体の奥が熱くなる。

 蘭先輩の指がアソコをこするたびに痺れるような感覚が体を駆け巡って、暖かな舌がクリトリスにいたずらをするたびに………もっとって、思ってる。

(うそ………)

 びっくりした、どうしてって思った。

 けど、

「っぷあ……ぁあ、やぁ……な、にこれ…へ、ん……へんだよぉ」

 解放された唇から出るのは拒絶の言葉じゃなかった。

「変、じゃないわ。「気持ちいい」でしょ?」

「あ…そ、ん、なの……ぁあぁ…ふぁ……ひゃぅ」

「……意地張ってちゃだめだよ鈴。ほら……」

「んっ……くっあぁ……むね、そんな風に、いじらないでぇ……ぁあっ…きゅ、ぅ……!」

「ふふ、胸だけじゃなくて、こっちもいいでしょ……あむ。じゅりゅぅ……あむ」

「や、そんな、すっちゃ……こすっちゃ、だめ、です……」

「どうして? 気持ち良くなっちゃうから? じゅぅぅ」

「ふぁ……あ……っ」

 違うって言えない。

「っ…あぁ、だめ……だめぇ……へ、んに……変になっちゃ…ぅ…」

 もう体を押さえつけられていることはなくて逃げようと思えば逃げられる。でも、そんなことを考えることもできないで私は二人から与えられる未知の快感に捕らわれた。

「うふ、もしかしてもうイっちゃいそうなの? いいわよ。鈴ちゃんがイクところ見せて」

「あむ……そうだよ、鈴。鈴のエッチなところ見たい」

「いや、違う……私、エッチな子じゃ……ぁっ……」

 認められない私にお仕置きだって言わんばかりに、二人の責めが激しくなった。

 千秋さんに首筋にキスをされて、強く胸を絞られて突起をもてあそばれる。

「あぁぁあ……ぁ……っあっ、ああ」

 熱い。むずむずする。じんじんする。

「っぁあ……な、に……あ、……これ……これ……っ」

 蘭先輩の指が私の中を抉るたびに体がどこかに飛んでしまいそうな錯覚。女の子が感じているのを主張するものを舌で激しく責められる度、体の中から何かが湧き上がる。

 知らない感覚が、

(気持ち……いぃ……)

 知ってしまった感覚が、二人に触れられていく部分から広がっていく。

「あぁ……あ、ぁっ…きもち、ぃ……」

「やっと素直になってくれた。それじゃ、このまま……」

「………イって、鈴」

 それを合図にしたようにラストスパートが始まって私の体は快楽の奔流に飲まれていく。

「あぁあ、ふぁ……る…っ…あああああ、っく、る……ぁぁあ」

 これ、これが……?

 体に溜まる快感。それが限界を迎えようとしてるのがわかる。初めてでも……なにが起きてるのかわかる。

「だ、め……ぁああ、…あっ」

 本当に駄目だって思ってるの。いけないことだってわかってるのでも

「も、う……あ、ぁぁあぁ、っ……あぁあああああ!!」

 二人に迫られ限界を迎えた私は、生まれて初めての絶頂を二人の憧れの女の子によってむかえてしまった。

「んふ、可愛かったわ。鈴ちゃん」

「…………うん」

 体に残る疲労感、頭がぼーっとして何も考えられなくなって……激しすぎる衝撃に私は意識すら失いそうで、その寝ぼけたような瞳で

「……っお姉さま!」

 まてを解除されたような声で蘭先輩のことを呼んで、すがる様に抱き着く千秋さんと

「ふふ、大丈夫。次は貴女にしてあげるわ」

 心から楽しそうに笑う蘭先輩のことが見えた。

 

 

1−5/二話

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