おとなしくなった冬海ちゃんのパジャマに手をかけると、わずかな抵抗をされながらもそのまま脱がせ、上半身を露出させる。ブラは最初からしてなかったらしく、慎ましやかな乳房と可愛いおへそが見えている。

「………」

 冬海ちゃんは私のすることに黙ったまま肯定も否定もしない。不安と期待を混ぜたような表情で私の動きを目で追っていた。

「触るよ?」

「…………………は、い」

 その了承を持って私は冬海ちゃんの胸に手を伸ばした。

 片手で覆えてしまうサイズの乳房に指を沈ませて最初は優しく力を込めて揉むと冬海ちゃんは体をぐっと丸めようにした

「っ……」

「緊張しないでっていうほうが難しいかもしれないけど、力抜いて。何にも考えなくていいの。全部私に任せて」

「……うん」

 きっと迷いや戸惑いの方が大きい。私だってそうだった。

 でも……変わるんだって知ってる。

「乳首、固くなってるね。自分でするのって初めてだった?」

「………………」

「ふーん。あるんだ」

「え?」

 そんなの反応でわかる。ううん、それ以上に快感を知っているからこそ私に身を委ねているんだろうから。

「意外にエッチな子だったんだ。冬海ちゃんも」

「っそん、なこと……」

「いいの。全然おかしいことじゃない。私に内緒でオナニーしてても冬海ちゃんのこと嫌いになったりしないよ」

「っ………」

 会話の間にも手を動かしてるけど、それだけじゃだめ。

 気持ちいいって体に教えてあげるのも大切だけどそれ以上に心を動かしてあげなきゃ。時には羞恥や痛みさえ快感に変わるんだから。

「一人でするのも気持ちいいかもしれないけど、こういうのは一人じゃできないよね」

「ぁ、あ……っ…」

 一気に冬海ちゃんとの距離を縮めて突起を舐め上げた。

「んちゅ、ぁ。ほら、どう? 指でするのとはまた違う感覚でしょ?」

「だ、駄目………」

「その駄目は……してって意味だよ」

 状況や感情にふわふわとまとまらない冬海ちゃんの思考を言葉で操作する。

「ほら、気持ちいいよね?」

 指でつまんだり、軽くかじったりしながら声をかけることを止めない。

「っぁ……っあ、ぁん」

 恥ずかしさが勝っているのか声は控えめだけれど、感じていることは反応を見ればわかる。体をわずかにそらして私の愛撫を求めてくれる。

「きゅぅ……ん!」

 きゅって、両乳首を指で引っ張ると子犬みたいな可愛い声を上げる。

「ちょっと痛いのもいいでしょ?」

 快感を増大させる術を私は知っている。

 体を駆け抜ける快楽の嵐。体が浮き上がりそうな、心がどこかに行ってしまいそうなあの感覚。

 自分の体でそれを引き出す術を私は学んでいる。

「ぁ……あ」

「それとも、優しくされるのがいい?」

 今度は焦らすように胸を責めながら冬海ちゃんの変化する表情と反応を楽しむ。

「あぁ、んんっ……ぁあ」

 人にされるのが初めてっていうこともあって冬海ちゃんは声を出してはくれない。そのエッチな気持ちを我慢する姿も可愛いとは思うけれど

「そっか……冬海ちゃんは私にされるより自分でしてる方が気持ちいいんだ。さっきはあんなに気持ちよさそうにしてたのに、私にされるんじゃ気持ち良くなれないんだ」

「え……?」

「それなら私が出しゃばらないほうがいいかな?」

 そう言って胸から手を離す。

「あ……そ、んなこと……ない、です」

「ん?」

「鈴、さんにしてもらうほうが……自分でするのより……ずっと……ずっと気持ちいい、です」

「ほんと? だってさっきから駄目って言ってばっかりだったのに」

「……本当、です。気持ちよくて……すごくて……………嬉しくて……だから!」

「……だから?」

 多分、その先に言葉を続けようとはしていなかった。でも、私は続けさせようとする。心にある迷いや自制のタガを外すために。

「……も、っと……してください。私のこと気持ちよく、させて」

 冬海ちゃんの心が私に向かって飛んだことを悟る。

 もう逃がさない。

「よく言えました」

 私はこれまで私が蘭先輩にされてきた笑顔をして私も服を取り去る。

「あ……」

 もう拒絶の出来なくなった冬海ちゃんのズボンにも手をかけてショーツだけの姿にしてから熱くなった体を重ねた。

「……あ……鈴さんも」

「そう、冬海ちゃんにしてるだけでこんなに気持ちよくなっちゃった」

 胸を重ねて固くなった乳首を当てると少しだけ安心したような表情になる。

 そう、同じ。今は同じなの。恋に破れて慰めるために快感を求めるだけの二人なのよ。

「こっちも、ね」

 手を取ってクロッチに当てされた。自分に対しては一切していなかったにもかかわらずそこは粘着質のある蜜に満たされている。

「あ、こんなに……?」

「幻滅しちゃった? 冬海ちゃんにエッチなことしてるだけでこんなに濡らしてるなんて」

「そ、そんなこと……」

「ふふ、そうだよね。だって、冬海ちゃんは」

 クチュ

「ぁ…あ!」

「私なんかよりもずっと濡れているものね」

 べとべとになったショーツの上からアソコを刺激する。誰の、おそらく自分の指すら知らない冬海ちゃんの乙女の中心。

「あぁ、そ…こ、は………」

「すごくぬるぬる、終わったらパンツ変えなきゃね。ふふ」

 ここまで冬海ちゃんの体を支配しても言葉で責めるのは忘れない。体だけじゃなくて心に私を刻み込むために。

「冬海ちゃんも私と同じようにして見て」

「は、はい」

 二人であそこに当てた手を動かす。

 ショーツの上から膣の周辺を刺激して、ほんの少しだけ入口にも指を押し込む。

「ぁぁあ、っぁ」

 トロトロとした愛液と、か細くけれどはっきりと快感を示す声を口からもらす冬海ちゃんに背徳的な愉悦を感じてしまう。

「ほら、指止まってるよ」

「す、すみません。あ、っ……あ」

 言葉の通り私にされたことを私にもしてくれようとはするけれど自分に与えられた快感を持て余してしまいすぐに指が止まる。

「んぁ、……ほら、こうして……こう」

「ぁあ、あぁつ、こう、……です、か……っん」

「そ、う……ショーツの上からでも、気持ちいいでしょ?」

「は、い……」

「っ……こういう時は、気持ちいいってちゃんと言葉にするの」

「は、はい……気持ちいい、です。っあぁあ」

 言葉にした途端体をビクつかせる冬海ちゃん。何もかも初めてのことに恍惚感を高まらせる姿。私がそうさせていることに、別種の快感がある。

「ぁ……あっ…っぁあ。っ」

 時には上半身を揺さぶって胸の突起を触れ合わせるとその度に冬海ちゃんの指が止まってしまう。

「あ、ご、めんなさい……」

 高まった感情に涙を流しながら、私の期待に応えられないことを謝る姿すら扇情的でもっと乱したくなる。

「ううん、いいの。けど、一緒にするのはまだ早いみたいね。今日は私が……」

「っ……が、頑張りますから」

 私が怒っている、もしくは失望していると勘違いしたのか見捨てないでと言う顔。

 ゾク。

 っと、体を何かが駆け抜けた。

(………なんて、可愛いの)

 誘導はしても決して、同意の上ではないというのに必死に私に答えようとしている姿は私の中の知らない私を呼び覚ましていた。

(……あんまり激しくしないほうがいいって思ってたけれど)

 冬海ちゃんのもっと……もっと乱れた姿が見たい。私によって変えられる彼女の姿を。

「そう、なら……」

「え? あ………」

 ショーツを下げた。

 驚く冬海ちゃんを尻目に私もショーツをベッドの脇に落とすと足を冬海ちゃんの脚に割り込ませ、

「こうすれば、一緒に気持ち良くなれるよ」

 秘部を絡め合う。

「あぁ、こんな……ぁっ……んっ…あぁあ」

 ぐちゅぐちゅと卑猥な音を立てながら腰を動かすとエッチなおつゆがふとももに溢れベッドを濡らしていく。

「んぁ、ああ、っはっ、どう……冬海ちゃん」

「ぁあ、んっ……、きもち、いい……です。すっごく、て……蕩けちゃい、そう…あぁ。鈴、さんは……気持ちい、です、か……」

「私もいいわ。冬海ちゃんのエッチなところが私の気持ちいいところを刺激してるの……さい、こう……」

「はぁ……っああ、嬉しい、です……もっと、もっと………頑張りますね」

 グイっと腰を大きく動かして冬海ちゃんは私を気持ちよくしてくれようとする。

 その一生懸命さが愛おしくて私もシンクロするように動きを速めた。

「ふぁああ、っああ、こんな、……こんなぁ…あ、わた、し……鈴さん、わたしぃ……」

 もともと自慰の途中だったこともあってもう限界が近づいてるんだろう。余裕のない声ですがる様にいって

「んっ……いいよ。……イって」

「ごめんなさい……ぁあ、んっぁあっ。へん、へんなのぉ……こんな、私……ぁああっああ」

「ぁ、んぁ。可愛いよ……冬海ちゃん……ぁあっんんあっ」

「鈴さん……! すずさぁん……ぁああ、っはああっ……っあ、っ…………っくぅ……ん」

 一心不乱に腰を動かしていた冬海ちゃんの体がびくびくと震えて体が反ると激しかった動きが止まる。

 達したんだということがわかると、まだ快楽の頂に達していなかった私も名残を惜しみながら体を離す。

「イっちゃったんだ。可愛かったよ。鈴ちゃん」

「……は、い……あぁ。はぁ……っ」

 息も絶え絶えと言った様子でまだ情欲の残滓の残る瞳を私に向けてくれる。

(……………)

 本当は我慢をするつもりだったけれど、その瞳に見つめられると蘭先輩や千秋さんとしていた時とは違う愉悦が湧き上がって。

「………………」

 どうにかその黒い欲望を抑える。

「可愛かったよ。鈴ちゃん」

 そうして私は初めての絶頂を迎えた後輩の頬に優しくキスをした。

 

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